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前多 健吾記者(朝日新聞医療グループ)
はしか(麻疹)の流行がおさまらないね。
国立感染症研究所(東京都)のまとめでは、15歳以上の患者は、これまで最も多かった2001年の数を上回った。10〜14歳の患者も例年より多いから、小学生も油断できないよ。
まだ広がるの。
これまでは東京など首都圏ではやっていたけど、全国で患者が出るようになっている。やはり大学生や高校生が目立っているね。
なぜ10代、20代が多いのかな。
免疫ない高校生・大学生の間で一気に広がる
――正直なところ、理由はよく分からないんだ。はしかを防ぐためにワクチンを注射して、体の中に、病気に負けない「免疫」をつけるようにする。予防接種というんだけど、一度では免疫がつかない人がいる。
それと、はしかが流行すると、ワクチンを受けた人の免疫が強くなるけど、しばらく流行がなかったから、「免疫が弱くなった人が増えたのが原因」という専門家もいる。
ジャン 休みになった大学などがたくさんあるよね。
――子どもがはしかになったら、家で寝ていることが多いよね。でも、大学生のお兄さんやお姉さんは、少し熱があったり、体調が悪かったりしても、あちこちに外出してしまう。はしかという病気はとても人にうつりやすい。人がたくさん集まっている場所に行けば、多くの人にうつしてしまう。
ポン でも、お父さんやお母さんは「自分は心配ない」と言っていたよ。
――40代以上のほとんどは、はしかにかかったことがあるので免疫を持っている人が多い。でも、大学生や高校生は、かかったことがない、同じような年齢の人がいっしょにいるわけだから、一気に広がってしまう。
ケン 予防接種はずっとやってきたんでしょ。
――そうだね。1978年に「予防接種法」という法律で、子どもたちはみんな受けなければならなくなった。89年からしばらくは、はしか、おたふくかぜ、風疹にきくといわれた「三種混合ワクチン」を打った時期もあった。
ただ、ずっと一度だけの注射で、94年からは「受けたい人だけ受けて」というように変わった。
でも去年から「免疫を確実につけよう」と、はしかと風疹にきくワクチンを1歳のときと、小学校に上がる前の1年間に、計2回打つようになっている。
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はしかで休みになることを知らせる看板がおかれた早稲田大学の正門=5月21日、東京都新宿区で
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ジャン この前、修学旅行でカナダに行った日本の高校生が、はしかで一時ホテルから出られなくなったらしいけど。
――カナダをはじめ、「わたしたちの国は、はしかの流行がなくなりましたよ」と宣言する国が世界で増えている。でも、残念ながら日本はそうじゃない。逆に「はしかの輸出国」という、ありがたくない言われ方をすることもある。
ポン どうして?
――アメリカ疾病対策センターによると、1996年〜2003年にアメリカで290人の「輸入例」があり、うち44人が日本からだった。国はちがうけれど、今回の修学旅行生の件は、その一例かもしれない。
ケン 日本は対策をとらないの?
――2012年を目標に、宣言できるように対策をとろうとしている。
ポン どうすればいいの。
――まず、はしかにかかったことがなく、ワクチンを1回も打っていない人は、すぐ接種しよう。そして、2回接種することが大切だ。去年、はしかがなくなったと宣言できた韓国は、01年から五か年計画で、接種を広く行ってきた。
「はしかで大騒ぎする必要はない」という意見もあるけど、脳炎や肺炎など、重い病気になってしまうこともあるし、命を落とすこともある。軽く考えない方がいいよ。
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【きょうのポイント】
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▽はしか(麻疹)が大学生や高校生を中心に流行。15歳以上の患者の数は、これまでの最高だった2001年を上回った。
▽予防接種がきかない、ききめが弱まったなど、流行の原因は、はっきりとは分からない。かかったことのない年代の人が学校でいっしょにいるので、一気に広がってしまう。
▽「はしかの流行がなくなった」と宣言する国が増えているが、日本はまだできていない。12年の宣言を目標に、予防接種を2回にするなどの対策をとっている。 |
(2007年6月9日)
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