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本山 秀樹記者(朝日新聞社会グループ)
大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」で五月、ジェットコースターに乗っていた人が亡くなる事故が起きたわ。安全だと思っていたのに、なぜ事故が起きたの。
コースターの車輪を支えている金属製の軸が折れて脱線し、事故が起きたんだ。車輪の軸は毎年一回以上、小さな傷がないかどうか、超音波や磁石を使ってくわしく点検する「探傷試験」をすることになっているのに、このコースターは一年以上点検していなかった。
えっ、大変。
全国の遊園地を調べると、「探傷試験」をしていないコースターは、ほかにも多く見つかった。国が定めた点検の仕組みにも良くないところがあるのでは、と言われているんだ。
点検してないコースター 全国あちこちに
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車軸のくわしい検査をする遊園地。異状はありませんでした
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ケン 「探傷試験」をしていないコースターは、どれぐらいあったの。
――全国の遊園地やテーマパークにあるコースターは計三百六基。国土交通省が調べたところ、うち百十九基が一年以内に「探傷試験」をしていなかったんだ。全体の四割がきちんと点検していなかったんだから、おどろくよね。
百十九基の中には、完成してから一度も点検していないコースターも72基あった。時速百キロで急な坂をかけ下りる「絶叫マシン」や、市営や県営の遊園地でも、安全が不十分なコースターが見つかったんだ。
ポン きちんと点検していないコースターが、なぜこんなに多いのかな。
――遊園地にあるコースターや観覧車といった乗り物の安全のルールは、「建築基準法」という法律で定められている。この法律は「年1回以上、安全を検査して、県や市に報告しなさい」と定めているけれど、「探傷試験」のことは書かれていない。
「探傷試験」をするよう定めているのは、日本工業規格(JIS)という、法律とは別のルールなんだ。
探傷試験をしていないコースターがこれほど多いのは、遊園地で点検を担当している人たちが、JISのルールをよく知らなかったのが原因だとみられているんだ。
ジャン 安全のルールを、法律とJISで別々に定めているなんて、わかりにくいわ。
――確かにそうだ。「探傷試験」は事故を防ぐための大事な点検なのに、法律ではなくJISのルールだから、守らなくても罰を受けない。軽んじられるのも無理ないね。
本当に大事なルールは、はっきり法律に定めて、必ず守らせるようにしないといけないはずだ。国交省も「今まであいまいだった」と反省し、ルール全体の見直しをしているところなんだ。
ケン 遊園地で働く人たちが、安全を大事にしてこなかったことも良くないと思うよ。
――全国の遊園地などにある乗り物での事故では、過去30年の間に少なくとも26人が死亡し、255人がけがをしている。なのに、こうした情報は、遊園地で働く人たちの間で共有されず、再発防止の取り組みは、遊園地ごとにバラバラに行われてきた。
今回の事故が起きたのは、過去に学ぶことができていなかったから、とも言えるね。ようやく国交省は、事故の情報を集めて、みんなに知らせる仕組みを作ろうとしているんだ。
ポン ジェットコースターに乗るのが、なんだかこわくなってきた。
――事故のあと、すべてのコースターを緊急点検したから、悪い所は全部直してあるはずだよ。ただ、ショッキングな事故だけに、いったん失った信頼を取りもどすのは大変だね。
絶叫マシンのスリルを楽しめるのは、安全を信じられるからこそ。遊園地の運営にかかわる人たちは、責任の大きさを自覚して、決められたルールをしっかり守ってほしいよね。
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【きょうのポイント】
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▽ジェットコースターの車輪の軸は毎年1回以上、小さな傷がないかどうか、超音波や磁石を使ってくわしく点検する探傷試験をすることになっている。5月に事故が起きた、大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」のジェットコースターは、1年以上点検していなかった。
▽「エキスポランド」の事故を受けて国土交通省が全国のコースターを調べたところ、4割近い119基が1年以内に探傷試験をしていなかった。完成してから一度も点検していないコースターも72基あった。
▽探傷試験をするよう定めているのは、日本工業規格(JIS)という法律とは別のルール。探傷試験をしていないコースターがこれほど多いのは、遊園地で点検を担当している人たちが、JISのルールをよく知らなかったのが原因とみられている。
▽国土交通省は、「今まであいまいだった」と反省し、ルール全体の見直しをしている。遊園地などの乗り物の事故の情報を集めて知らせる仕組みも作ろうとしている。 |
(2007年6月2日)
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