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佐々木 英輔記者(朝日新聞科学グループ)
地球が暖まっているってよく聞くね。
地球温暖化のことだね。今年は、世界中の科学者が、温暖化はどこまで分かっているのか話し合って報告書を出したから、よくニュースになっているんだ。その集まりをIPCCっていうんだけど、聞いたことある?
何度か聞いたよ。
気候変動に関する政府間パネル」のことだよ。地球が今どうなっているか、これから何が起きるのか、どうすればいいのか、6年ぶりに報告書にまとめたんだ。
何のためにそんなことするの?
温暖化は人間のせい、さらに危険な状況に
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温暖化の影響が世界の各地に表れています。海面が上がり面積が減っている南太平洋の島(上)。北極ではホッキョクグマの子どもが、解けて小さくなった海氷を伝って移動しています(下)
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――温暖化は、空気の中に二酸化炭素(CO2)など空気を暖める効果があるガスが増えているのが、主な原因らしいんだ。二酸化炭素は、物や燃料を燃やすと出てくるものだよ。
工業が発展して、車もたくさん走るようになって、暮らしは豊かになった。でも、出てくる二酸化炭素も増えた。このガスが、温室みたいに熱をためやすいんだ。
ジャン 温室効果っていうのよね。
――そう。でも、本当に二酸化炭素が増えたことで暖かくなっているのか、疑う人もいたんだ。地球の温度は、大昔から上がったり下がったりしてきたからね。何のせいか、はっきりしないと対策も進めにくいよね。
ケン どこまで分かったの?
――自然のせいでなく人のせいで温暖化が起きていることは、かなりはっきりした。あちこちで測った温度や二酸化炭素のデータが増えて、地球のようすをコンピューターで計算する研究も進んだからだ。世界の平均気温は100年で0.7度上がっていて、二酸化炭素などが増えたことが大きい、という結論を出したんだ。
ポン 冬が暖かくなるならいいんじゃない。
――そうもいかない。21世紀の終わりには、20世紀の終わりより平均気温が1.8〜4度上がると報告書に書かれている。自然にとっては大きな数字だよ。氷河が解けたり、海水がふくれたりして、海面も18〜59センチ上がる。
ジャン 低いところはしずんじゃう。
――ほかにも、雨が降らずに水が足りなくなったり、大雨で洪水になったりするところも増える。病気も増えて、絶滅する生物も多くなる。たくさん作物がとれるようになるところも出るけど、二〜三度上がれば世界のどこでも悪いことのほうが大きくなるそうだ。
ケン じゃあ二酸化炭素を減らさなきゃ。
――そうなんだ。10年前に京都で、世界中の国々が二酸化炭素を減らすための約束「京都議定書」を決めたんだ。日本は2012年までに、1990年よりも6%減らさなければいけない。
ジャン それでだいじょうぶなの?
――いや。中国のように今、発展しようとしている国は、これからも二酸化炭素の出る量がどんどん増えそうなんだ。でも、影響を小さくとどめるには、2050年までに今の半分以上は減らさなければならないそうだ。世界全体で増えているのを、あと10年ほどで減らし始めないといけない。
ケン すぐに減らせるの?
――減らすには、石油以外の燃料を使ったり、使う量を少なくしたりしなければならない。でも、急に今の生活は変えられないし、よけいなお金がかかって経済の状態が悪くなる、といやがる声もある。
アメリカは世界で一番たくさん二酸化炭素を出しているのに、京都の約束に加わっていないんだ。カナダは、約束はしたものの守れそうにないと、最近になって発表した。
ジャン これから、どうしていくの。
――6月に首相や大統領が集まる主要国首脳会議(G8サミット)がドイツである。そこでも、報告書を受けた対策が話題になりそうだ。それにこれからいくら減らしても、今まで出た分がある。影響は続くから、被害を軽くする対策も必要だよ。
ポン ぼくたちはどうすればいい?
――使っていない電気のスイッチを切り、冷暖房を弱めにするとか、車を使わずに歩くとか、すぐゴミになるものを買わないとか、できることはいろいろあるよ。おうちの人と話し合ってみるといいよ。
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【きょうのポイント】
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▽世界の科学者が、地球温暖化について話し合うIPCCの会議が開かれた。6年ぶりの報告書には、温暖化の原因、影響、対策がまとめられた。
▽報告書によると、温暖化は人間のせいで起こり、二酸化炭素の増加が主な原因。21世紀末には、20世紀末より平均気温が1.8〜4度上がる。海面の上昇、生物の絶滅などのおそれが出る。
▽影響をおさえるには、2050年までに、二酸化炭素の出る量を今の半分以上減らさなくてはいけない。しかし、経済にマイナスになるからと、石油を使う量を減らすことに反対する声もある。 |
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【IPCC】
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| 「気候変動に関する政府間パネル」のこと。世界気象機関と国連環境計画が、1988年に作った組織。世界の科学者らが地球温暖化の状況を調べて、およそ5年ごとに報告書をまとめます。温暖化の原因、影響、対策についての話し合いが、今年2〜5月にかけてそれぞれ行われました。 |
(2007年5月26日)
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