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宮崎 知己記者(朝日新聞経済グループ)
今日のお好み焼き、何だかマヨネーズが少ないね。
そういえばさっき、ママが新聞を見ながら「えーっ、マヨネーズが値上がりするの」っておどろいてたなあ。たぶんそれが原因だよ。
地球温暖化を防ぐ試みのために、十七年ぶりの値上げになるんだよ。
温暖化? それが何でマヨネーズと関係あるの?
温暖化防止でトウモロコシなどが燃料用に
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イラスト:佐竹政紀
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――マヨネーズは食用油で作る。食用油は大豆をしぼって作る。その大豆が値上がりしたから、マヨネーズが値上がりしたんだ。
アメリカの農家の多くが、トウモロコシを作る方がもうかるといって、大豆の作付けを減らすという話になった。それで大豆が値上がりしたんだ。
ケン 何でトウモロコシの方がお金になるの?
――アメリカ政府は、自動車の燃料であるガソリンに混ぜて使う「バイオエタノール」作りに力を入れ始めた。それで、原料のトウモロコシが高く売れるようになったんだ。
今、地球が暖かくなりすぎて大変なことになっているのは知ってる?
ポン シロクマが乗っかる氷が、とけちゃったってお話?
――そう。困るのはシロクマ(ホッキョクグマ)だけじゃない。南極などの氷がとけると海水面が上昇し、低い土地は水没する。そこまでいかなくても、大雨や洪水など異常気象が起きやすくなる。
人間が出す二酸化炭素が原因だ。二酸化炭素は、いっぱい工場を動かしたり、自動車を走らせたり、電気をつくったりすると、たくさん出る。量を減らす一つの取り組みが、バイオエタノールの利用なんだ。
ジャン どんなものなの?
――「バイオ」っていうのは生物からっていう意味。バイオエタノールは、主にトウモロコシやサトウキビなどの植物からつくったアルコール、まあ、お酒のことだね。
ポン お酒?
――でも、ガソリンに混ぜて自動車を走らせることができるんだ。バイオエタノールも燃やせば、ガソリンと同じように二酸化炭素が出る。でも、植物はごく最近、空気中の二酸化炭素を吸って育ったわけでしょう。吸い取った分が出てくるだけだから、量が増えたことにならないと考えられている。
ポン 地球を守る正義の味方だ。
ジャン でも食べ物の値段を上げてしまうわよね。
――本来、人間が食べるものを、自動車を走らせる方に回してしまうわけだからね。トウモロコシが値上がりすれば、トウモロコシをえさにする牛の肉の値段や、トウモロコシのでんぷん(コーンスターチ)を原料にするビールなどの値段も、上がってしまうと心配されている。
サトウキビだって同じだ。多くが自動車の燃料用に回り始めたことで、すでに食用の糖みつの値段が上がり、糖みつからつくるイースト菌が値上がりしている。イースト菌はパンをふくらませるのに使うから、パンも値上げとなったら大変。
ポン 何かもっといい方法はないの?
――食べ物にならない植物、たとえば草や木、家をこわしたときに出る廃材からバイオエタノールを作る方法が研究されている。
でも大量に作るにはまだまだ技術開発が必要だ。熱を加えたりする処理が大変なんだ。
作るときの煮炊きで二酸化炭素をいっぱい出していたら、もともこもない。まだそんな段階なんだよ。
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【きょうのポイント】
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▽バイオエタノールは植物から作り、ガソリンに混ぜて燃料として使う。二酸化炭素を増やさないとされ、温暖化防止のために増産が進む。
▽トウモロコシやサトウキビなどがエタノール用に回されるため、牛肉、食パンなどが値上がりするのではとみられている。トウモロコシの影響で大豆の生産が減り、マヨネーズの値段が上がった。
▽草や木、廃材などを使い、食料生産に影響をあたえないエタノール作りも研究されているが、まだ実用化にはいたらない。 |
(2007年5月19日)
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