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●能登とソロモンの地震●

瀬川 茂子記者(朝日新聞科学グループ)
 

ポン

 このごろ、地震が多いね。

瀬川 記者

 3月25日に能登半島で地震が起きた。1人亡くなり、けがをしたのは約300人。550以上の家が全壊(すっかりこわれてしまうこと)した。4月2日には、南太平洋のソロモン諸島でも地震が発生。津波も起こり、30人以上の死者が出て、5000人以上が家を失った。

ケン

 どっちも海で起こった地震なんだよね。

瀬川 記者

 海で起こったといっても、能登半島とソロモン諸島の地震は、ちがうタイプの地震だと考えられているのよ。

ジャン

 どういうこと?

タイプ違う「内陸型」と「プレート境界型」

プレート内部の岩盤ずれる
震源近くの海底に活断層

 


 

イラスト・林美香誇

 ――地震のニュースで、プレートという言葉を聞くでしょう。地球の表面は、十数枚のかたい岩の板でおおわれていて、それらがおたがいに動いているのよ。かたい板をプレートと呼んでいるの。プレートどうしは、はなれたり、ぶつかったり、一つのプレートが別のプレートの下にしずみこんだりしているの。そういう場所でひずみがたまって地震が起こっているわ。

 ケン そうなんだ。

 

能登半島地震でこわれた家屋が残る中、入学式に向かう新1年生=4月9日、石川県輪島市で

 ――日本列島がのっている陸のプレートには、太平洋側から海のプレートがしずみこんでいるのよ。海のプレートが陸のプレートを押しながらしずむから、ひずみがたまるの。ひずみにたえきれなくなると、プレートの境界の地下で岩盤がずるっとすべる。太平洋側では、こういうタイプの地震がときどき起こり、「プレート境界地震」と呼ばれているわ。

 ポン 能登半島地震もそうなの?

 ――能登半島地震は、別のタイプで、プレートの内部の岩盤がずれる「内陸型地震」と呼ばれているの。能登半島は、プレートの境界から遠い、陸のプレートの上にあるでしょう。

 ケン 陸のプレートの中でも少しずつひずみがたまってるってことなの。

 ――そう。一九九五年の阪神大震災や2004年の新潟県中越地震、05年の福岡沖地震も同じタイプね。

 ジャン 福岡沖地震も海で起こったけど、「内陸型」なんだね。

 ――ええ。今回の地震の地下のずれは、海底から陸の下まで続いているようね。

 

 ケン 地下は陸も海もつながっているんだ。このずれを活断層というのかな?

 ――170万年前から現在までの地質時代に、くり返してずれている場所を活断層というのよ。ずれが地形に表れていて、空中写真などで見つかるものもある。海の中は、見えないから調査がむずかしいけど、音波などでずれを調べる方法があるのよ。
 今回の震源の近くの海底に、活断層がいくつかあることが調べられていて、その活断層がずれた可能性が高いそうよ。

プレート沈みこむ境で発生
ずれが海底に達して津波も

 

 ポン ソロモン諸島の地震は、どういうところで起こったの。

 ――太平洋プレートの下にオーストラリアプレートがしずみこんでいるところで起こった、プレート境界の地震よ。地震の規模をしめすマグニチュード(M)は8・0、能登半島の地震のマグニチュード6・9よりずっと大きいわ。

 ポン どのくらい大きいの。

 能登半島の地下のずれの長さは約20キロといわれているけど、ソロモン諸島の地下は約200キロもずれたらしいの。規模がまったくちがうでしょう。

 ケン 津波はどうして起こったの。

 ――地下のずれが海底に達して、海底がその上の海水を持ち上げるように動いたの。盛り上がった海水が移動して、陸をおそうのが津波よ。海底のずれが大きいと、津波が高くなるわ。

 ジャン また地震が続くのかな。

 ――いつ地震が起こるのかは、わからないわ。いつ起こってもふしぎはないと思って備えておくことが大切ね。

 ポン どんなことを?

 ――能登半島の地震では、古い木造の家がたおれたり、かたむいたりしたのを見たでしょう。家が地震にどのくらいたえられそうか、専門家にみてもらい、弱いとわかったら、補強することがすすめられているの。家具がたおれてこないように固定することも必要ね。もし、地震が起こったら、家族とどのように連絡をとるか、話し合っておきましょうね。

【きょうのポイント】
 ▽地球の表面は、十数枚のかたい板(プレート)でおおわれていて、それらがおたがいに動いている。プレートがぶつかったり、しずみこんでいる場所でひずみがたまったりして地震が起こる。
 ▽地震には、いくつかのタイプがある。プレートがしずみこむ境目で起きるのは「プレート境界地震」で、ソロモン諸島沖地震がこれに当たる。能登半島地震は、プレート内部の岩盤がずれる「内陸型地震」。
 ▽地震が起きたときに、地下のずれが海底に達し、海底がその上の海水を持ち上げるように動く。盛り上がった海水が移動して、陸をおそうのが津波。海底のずれが大きいと、津波が高くなる。

(2007年4月14日)


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