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山本 健一記者(朝日新聞社会グループ)
最近、「談合」という言葉をよく耳にするわ。
今年2月、名古屋市(愛知県)の地下鉄の工事で、ゼネコンと呼ばれる大きな建設会社の社員が談合で逮捕された。
「官製談合」というのも聞いたよ。
国土交通省という役所でのことだね。川やダムに造る水門の工事で、役所の職員が談合にかかわっていた。
談合ってどういう意味なの?
もともとは「話し合う」という意味だよ。
話し合いの何がいけないの?
業者が役所の仕事を不正に高く請け負う
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| 職員らが水門工事の談合にかかわっていたことが明らかになり、謝罪する国土交通省の事務次官(右)=3月8日、国土交通省で |
――まずは談合から説明しよう。
役所が、建設会社などの業者に仕事をたのむときには、「入札」というやり方をする。業者が値段をきそい合って、いくらでできるかをいっせいに役所に伝え、役所は一番安い金額の業者に仕事をやらせる仕組みだ。
ところが、入札に参加する業者が前もって話し合い、どこが役所に一番安い金額をしめし、仕事をうけ負うかを決めてしまうことがある。これが談合だ。
ポン なぜ悪いのか、もう少し教えて。
――業者が競争すれば、安い金額で何とか仕事をとろうとするから、ふつうは値段が下がる。しかし、談合すれば高い値段でも仕事をもらうことができ、業者はもうかる。みんなで順番に仕事をとる約束をすれば、利益を分け合うことだってできる。
ポン ふーん。
――役所の仕事は税金を使うから、結局は税金のむだづかいだ。
名古屋の地下鉄工事では、日本を代表する建設会社が話し合いをし、大きな工事を分け合っていた。おととしの暮れに「もう談合しない」と約束したはずだったが、その約束も守っていなかった。
ケン 官製談合はどういうこと?
――ふつうの談合は業者どうしで相談するが、官製談合は仕事をたのむ立場の役所の職員が談合にかかわる。職員が、うけ負う業者を事前に決めてしまったり、本当は秘密にしておくはずの予定の値段を業者にもらしたりする。
水門工事では国土交通省の職員が仕事をとる業者を指定し、「世話役」と呼ばれる業者の代表に伝えていた。
ジャン 役所の人が、なぜそんなことをするの?
――談合を取りしまる公正取引委員会が調べたが、くわしくはわからなかった。でも、「天下り」が原因とも考えられている。職員が役所をやめた後に会社に入り、もう一度働くことだ。天下りを受け入れてもらい、自分たちが役所をやめた後の就職口をつくるために、談合を手伝ったのかもしれない。
ケン ほかにもあるの?
――防衛施設庁が注文した工事や、高速道路を造っていた日本道路公団の橋の工事でも官製談合が見つかったことがある。天下りをした人が工事の情報を集めていたし、天下りを受け入れた業者が仕事をたくさんもらえる仕組みになっていた。
ポン ずるいね。
――談合は独占禁止法という法律に違反するし、刑法の談合罪に問われることもある。公正取引委員会が官製談合を見つけたら、官製談合防止法という法律にもとづき、そういうことがなくなるように要求もする。
ジャン それでもなくならないのね。
――こうした法律はさらに厳しくなった。談合した業者は国に課徴金と呼ばれるお金をおさめるけれど、去年からその額が大幅に上がった。公正取引委員会の力も強くなって、どんどん取りしまりができるようになった。官製談合にかかわった職員も、罰を受けるようになった。
ケン これでなくなるかな。
――これまで日本では「談合しないと仕事がとれない」と言いわけする会社が多かった。でも「談合は割が合わない」と考えるところがだんだん増えてきた。
「実は談合してました」と、自分から申し出れば課徴金などの罰を軽くしてもらえる制度も始まり、実際に申し出る会社も出てきた。いつ言いつけられるかわからないから、談合はやりにくくなってきているだろうね。
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【きょうのポイント】
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▽役所が建設工事などをたのむときは、「入札」という方法で決める。いくつかの業者が値段をきそい合って、一番安くできる業者にたのむ。
▽入札に参加する業者が事前に話し合い、どの業者が一番安い値段をしめして仕事をうけ負うかを決めてしまうことを「談合」という。また、役所の職員が入札前に仕事をたのむ業者を決めたり、入札の予定額をもらしたりすることを「官製談合」という。談合は仕事の値段をつり上げ、税金のむだづかいになる。
▽最近、談合した業者が国におさめる課徴金が高くなるなど、規制が厳しくなった。だんだん談合はやりにくくなってきている。 |
(2007年3月31日)
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