|
野島 淳記者(朝日新聞経済グループ)
「日銀、追加利上げ決定」っていうニュースが流れたけど、どういうことなの?
「金利をまた上げました」という意味だよ。金利というのは、企業や個人がお金を貸し借りするときの使用料のこと。日本銀行(日銀)が一番元になる金利を決めていて、去年の7月に続き、2月21日にまた少し上げたんだ。
金利が上がると、どうなるの?
景気が上向きになったと判断し金利上げる
|
|
| 金利の上げ下げを決める日銀の「金融政策決定会合」に臨む福井総裁(右)ら〓二月二十一日、東京都中央区の日本銀行本店で、代表撮影 |
――まず金利とは何かを説明しよう。レンタルビデオ店でビデオを借りると、借りる期間に合わせてレンタル料をはらう。これと似ているんだ。
お店屋さんや工場はお金が足りないとき、銀行からお金を借りて新しいお店を出したり、高い機械を買ったりしている。お父さんやお母さんが、家を買うときもお金を借りていることが多いね。このときのレンタル料が金利なんだ。
ジャン 金利が上がると、お金を借りにくくなるの?
――そうだね。これからお金を借りて家などの大きい買い物をしようとすると、いままでより出費が増える。でも、お金を貸している人にとっては、貸賃が上がったということだよ。
ケン うちはお金なんか、だれにも貸してないけどな。
――そうかな? みんなのお父さんやお母さんが銀行に預けているお金は、実は銀行にお金を貸していることと同じなんだ。だから、預けていると銀行から「利息」という貸賃をもらえるんだ。
ポン そうか。じゃあ利息はどのくらい上がったの?
――いつでも引き出せる普通預金で100万円を1年間預けると1000円の利息がついていたんだけど、2倍の2000円になった。
ジャン 2倍といっても、少ないのね。ところで、金利ってだれが決めているの?
――日銀が一番元の金利を決めているんだよ。日銀は「銀行の中の銀行」とよばれていて、全国にある一般の銀行や政府からお金を預かったり、貸し出したりしている〓図を参照。
日銀では金利の上げ下げを決める「金融政策決定会合」という会議を毎月開いている。日銀で1番えらい総裁(いまは福井俊彦総裁)のほか、学者や、企業出身で経済をよく知っている人たちが全部で9人集まって、多数決で決めているんだ。
|
銀行同士で0.5%に上がる
今後は世の中の動き見て
|
ケン どうしてそれが、一般の銀行の金利と関係あるの?
――日銀が決めているのは、銀行どうしでお金の貸し借りをするときの金利。5年間以上、ほとんどゼロだったんだけど、去年7月に0.25%に上げ、今回0.5%に上げた。
基本になる銀行どうしの貸し借りの金利を上げたので、これに合わせて一般の銀行は、お店や工場などに貸すときの金利も、預金する人にはらう金利も両方上げるんだ。
ジャン なぜ日銀は金利を上げたの?
――金利をゼロにしていた期間は日本の景気がずっと悪かった。お金を借りやすくすることで、みんながたくさん製品をつくったり、家を買ったりして景気がよくなるようにと、「ゼロ金利」を続けていたんだ。金利を少しずつ上げたのは、景気がよくなっているという判断が多数をしめたから。金利が低すぎると心配もあるんだよ。
ポン どういう心配?
――値段が安いと、みんなもお金を使い過ぎちゃうことがあるよね。お店や工場もいっしょで、余計なお店を出したり、むだな機械を買ったりすると、返せないお金まで借りてしまうことがある。返せないと、お店や工場はつぶれる。いろんな所でこういうことが起きると、景気が悪くなるんだ。
ケン これからも金利は上がるの?
――あまり金利を上げすぎると、今度はみんながお金を使わなくなって、景気が悪くなる。この調節がとてもむずかしいんだ。日銀は世の中の動きをよく見ながら、ゆっくり金利を上げようとしているよ。
|
【きょうのポイント】
|
▽金利とは、企業や個人が銀行からお金を貸し借りするときの「レンタル料」に当たる。日本銀行(日銀)が一番元になる金利を決めている。
▽日銀が決めるのは、銀行どうしでお金を貸し借りするときの金利。5年間以上ゼロだったが、去年7月に0.25%に上げ、ことし2月21日に、0.5%に上げた。これに合わせて一般の銀行は、お店に貸すときの金利や、預金する人にはらう金利を両方上げる。
▽日銀は景気がよくなっていると判断して、金利を上げた。しかし、あまり金利を上げすぎると、みんながお金を使わなくなって景気が悪くなるので、世の中の動きをよく見ながら、ゆっくり上げようとしている。 |
(2007年3月3日)
|