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桜井 泉記者(朝日新聞外報グループ)
中国の北京で開かれていた六者協議が13日、まとまったそうね。
6者協議って、北朝鮮の核問題を解決するためのものでしょ。
北朝鮮は去年10月に核実験を行い、世界をびっくりさせた。日本などまわりの国々は、北朝鮮が核兵器で自分たちの安全をおびやかすことを心配しているんだ。話し合いで北朝鮮に核をすてさせるのが、6者協議の目的だよ。
どんな国が参加して、何が決まったの?
北朝鮮が原子炉使用やめ他の国が重油提供
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| 6者協議の閉幕式を前に握手(あくしゅ)をする各国の代表者たち。左はしが日本の代表=2月13日、中国・北京で |
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――参加しているのは北朝鮮以外に、日本、アメリカ、韓国、中国、ロシアだ。
北朝鮮は発電に使われるとされる原子炉を動かし、使った燃料からプルトニウムという核物質をとり出している。この物質は、第2次世界大戦の末期、長崎に投下されて一瞬のうちに多くの命をうばった原子爆弾(核兵器のひとつ)の材料になった危険なものだ。
そこでまず、北朝鮮は原子炉の使用をやめる。そのかわり六者協議に参加しているほかの国から重油をもらうという約束ができた。
ケン 何で重油なの?
――重油を火力発電所で燃やせば電気をつくることができる。お金がない北朝鮮は、重油を外国から買えないから、電気がいつも不足していて工場を動かせないんだ。
ポン どのくらいもらうことなるの?
――6者協議の合意はふたつの段階に分かれている。
まず、北朝鮮は寧辺にある原子炉をストップする。国際原子力機関(IAEA)という組織の専門家が、本当に原子炉を使っていないかチェックする。それが確認されれば5万トンの重油をもらえる。
第2段階として北朝鮮は、すべての核に関する計画をかくさず報告する。そして、いまあるすべての核施設をこわして使えなくする。それが確認されれば、さらに重油で最大95万トン規模の支援が受けられる。
ケン 協議は2003年8月に始まったんでしょ。ずいぶん時間がかかったね。
――北朝鮮は核兵器の原料であるプルトニウムを生み出す原子炉や、お金をかけてせっかく開発した核兵器をすてたくない。
もし核兵器を手放せばアメリカから攻撃されると思っている。だからいろいろと条件をつけて交渉してきたんだ。
05年9月に一度、今回と同じような合意ができた。でもどういう手順で核をすてるかをめぐって意見が合わず、いきづまってしまった。
ジャン なぜ今回はうまくいったのかしら?
――これまでアメリカのブッシュ大統領は、北朝鮮がまず最初にすべての核をすてなければ、支援を絶対にしないといっていた。それが態度をかえて、いっぺんに核をすてなくても、支援をみとめることにしたんだ。
ケン 態度をかえたのはなぜなの?
――いまアメリカはイラクで戦争をしていて、思ったよりも長引いている。お金もかかるし兵士もたくさん死んでいる。北朝鮮と核問題をめぐって衝突する余裕はないんだね。そこで柔軟な姿勢になったんだ。
ジャン すでに北朝鮮は、数個の核兵器を持っているそうだけれど……。
――今回の合意文書には、「核兵器」という直接的な表現は使われていない。また、北朝鮮がそれをすてるという約束も、はっきりとは書かれていないんだ。だから、あとできっと問題になると思うよ。北朝鮮は苦労して手にした核兵器をかんたんには、あきらめないという見方が強いね。
ケン ところで日本も支援するの?
――日本人が北朝鮮に拉致された問題が解決していないので、当分の間は支援にくわわらない。日本と北朝鮮は、まだ正式な国と国とのつき合い(国交)がない。今回の合意では、拉致や国交の問題について、日本と北朝鮮の政府の人たちが話し合う場もつくられることになったよ。まだ、問題はたくさんのこっている。核問題を解決するための大きな枠組みを決めただけなんだ。
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【きょうのポイント】
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▽北朝鮮の核問題を話し合う6者協議が今月、中国で開かれた。北朝鮮が原子炉の使用をやめるかわりに、北朝鮮に重油の支援をすることで合意した。
▽話し合いがまとまったのは、アメリカが態度をやわらげたため。イラク戦争が長引き、アメリカは北朝鮮と核問題で衝突する余裕がない。
▽拉致問題が解決していない日本は、北朝鮮への支援に参加しない。これから、拉致や国交の問題を話し合っていくことに。
▽北朝鮮に核兵器や核計画をすてさせる、大まかな流れが決まっただけ。合意がきちんと実行にうつされるかが、これからのポイント。 |
(2007年2月24日)
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