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前多 健吾記者(朝日新聞医療グループ)
「新型インフルエンザ」の発生に備えた訓練が行われたというニュースが流れていたよ。
防護服を着て、患者さんを運んだりする訓練だね。新型インフルエンザが流行すると、大変なことになるからね。お医者さんはもちろん、自治体など、いろんな人が流行をくい止めようと、必死になっている。
そんなにこわい病気なの。
まだ発生は確認されていないけど、もし広がると、日本をふくめ世界でたくさんの人が死亡するといわれているんだ。
「新型」は普通のインフルエンザとどうちがうの。
鳥インフルエンザが変化、発生すると一気に世界へ
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免疫がないので急速に広がる
日本では60万人が死亡と予測
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| 新型インフルエンザの発生に備えて、東京都目黒区が行った訓練。圧力を低くしたテントの中で、感染の疑いのある患者さんを診断します〓10月31日、同区提供 |
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――新型の原因になるのは、鳥インフルエンザのウイルスだ。ここ数年、日本でも鳥インフルエンザが発生したことは聞いたことがあるよね。このウイルスは、まれに人に感染するけど、「人から人」への感染はめったにない。でも、人から人へどんどんうつるウイルスに姿を変える可能性がある。これが「新型」と呼ばれるんだ。
ジャン どうやって変わるの。
――ウイルスが鳥や人の体の中で変わってしまうという説もあるけど、はっきりしたことは研究者も分かっていない。
また、鳥インフルエンザのウイルスにも種類があって、中でも毒性が強い「H5N1型」が姿を変えることが心配されている。
ケン 人にうつると、どうなるの。
――いままで人に感染したことがないウイルスだから、だれにも免疫(病原体をやっつける体の働き)がない。だから、いったん発生すると、たくさんの人がかかり、数週間で世界中に広がるとみられている。
普通のインフルエンザは、ほとんどの場合、安静にしていれば治るし死亡率は感染者の0.5%以下だ。でも、新型が流行すると、「2%(50人に1人の割合)が亡くなるのではないか」といわれている。もし日本で起きたら、最悪の場合、約60万人が死亡するともいわれているんだけど、実際は予想がつかない。
ポン 本当に発生するの。
――新型インフルエンザは、10〜40年おきに現れている。20世紀の新型をみると、1918年にスペインかぜ、57年にアジアかぜ、68年に香港かぜと3回あった。
ポン えーっ、こわい。
――それにいまは交通機関が発達して、日本人は海外のいろんなところに行っている。もちろん外国からも来ている。だから「ほかの国のことだから、日本はだいじょうぶ」というわけにはいかないんだ。
鳥インフルエンザが、いつ新型に変化するか分からないけど、世界保健機関(WHO)は「発生の心配が高まっている」として、世界の国々に注意を呼びかけている。
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国や自治体は訓練や薬を用意
うがい、手あらいをしっかり
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ジャン 防ぐ薬はないのかな。
――いまのインフルエンザなら、ワクチンの予防接種で、かかっても重くならないようにする効果がある。でも新型には、まだワクチンが作られていないんだ。もし、新しいウイルスが発見されても、それに対応できるワクチンを完成させるには、六か月必要といわれている。
ケン 国などが流行に備えて、対策をとっていると聞いたけど。
――国がつくった対策ガイドラインにそって、都道府県が対応マニュアルをつくっている。
国が示したガイドラインでは、家庭や個人に「2週間分の食料や日用品を用意してください」といっている。もし、大流行すると外出はもちろん、買い物もできなくなるしね。
それに、どこまで新型に効くかどうか分からないけど、自治体には、いまあるインフルエンザの治療薬「タミフル」などを用意しましょう、とすすめている。
ポン 病気にならないように、何を気をつければいいの。
――「新型」とはいっても、感染した人のせきやたんなどに混じるウイルスを吸いこんでうつるというのは、普通のインフルエンザと同じだ。
だから、家に帰ったときは、きちんとうがい、手洗いをすること、人のたくさんいるところに行かず、マスクをすることなどが、自分でできる感染を防ぐ方法かな。
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【きょうのポイント】
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▽新型インフルエンザは、鳥インフルエンザが人から人へ感染する形に変わってできる。まだ発生は確認されていないが、可能性は高まっていると心配されている。
▽だれも免疫(病原体をやっつける力)を持たないので、新型は数週間で世界に広がるといわれている。日本では最悪で約60万人が死亡するという見方もある。
▽訓練をしたり、タミフルを備蓄するなど、自治体は発生に備え対策をとっている。うがい、手洗い、人ごみに行かないなど、個人でできる予防は普通のインフルエンザと同じ。 |
(2007年12月1日)
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