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●原油の高騰、これからどうなるの●

富貴 大輔記者(朝小編集部)
 
ケン

 横浜市で、給食の日を2日減らす小学校があるんだって。

ジャン

 原油の値上がりの影響だって新聞に出てた。

富貴 記者

 今、アメリカでは、これまでの記録を更新するほど原油が値上がりしている。原油はガソリンのもとだから、物の輸送費がかかるようになり、食材の値段も上がって給食の予算が足りなくなったんだ。

ポン

 ふーん。

富貴 記者

 そ値段の上下がみんなの生活に大きくひびく原油だけど、豊富にある時代は終わりに近づいている、という説もあるんだよ。

安くて豊富な時代は終わるという説もあるんだ

経済が好調な国の使用増える
埋蔵量の約半分はすでに消費

 


原油の値上がりが続く背景には、石油の生産がまもなくピークをむかえるという見方もあります。写真はサウジアラビア南東部のシャイバ油田
イラスト:こじまふみよ

 ポン 原油って何なの?

 ――原油は、ガソリンや灯油など石油製品の原料となる天然の油。大昔、海にいたプランクトンや海そうが死んで、積み重なって数億年かかってできることから「化石燃料」と呼ばれる。地下数千メートルにあるんだよ。

 ケン それが今、値上がりして大変なんだね。

 ――世界の石油市場に大きな影響力を持つアメリカ・ニューヨーク商業取引所で取引される原油の価格は20日、1時1バレル〓99.29ドル(1バレルは約159リットル)まで上がり、史上最高値を更新した。
 原油は、たくさんの国や企業が参加する国際市場で売り買いされ、値段は原油のとれる量と買いたい量のバランスで決まる。原油がとれる中東で、テロなどで国が混乱し、原油の供給が不安定になるおそれがあることや、産業発展の進む中国で需要が増えていることなどを理由に値段が上がったといわれているよ。

 ケン 原油って、どれくらいあるの。

 ――原油がとれる油田は世界におよそ3万ほどあって、埋蔵量(うまっている量)は2兆〜3兆バレルといわれている。

 ジャン たくさんあるのね。

 ――そうともいえない。すでに一兆バレルは使っているからね。1800年代中ごろから、照明やエンジンの燃料として広まり、世界で1日に使われる原油の量は約8500万バレル。最近では「安くて豊富な石油の時代は終わりつつある」という考え方「石油ピーク論」も注目されている。

2010年ピークに減少の分析
技術進歩で生産確保説も


 ケン でも、まだたくさん残ってそうだけど。

 ――油田は初めのうちは、外から力を加えなくても、油が自分でふき出してくるんだ。でも、とっていくにつれ、水を加えたり圧力をかけたりして、地中からおし出さないととれなくなってくる。世界のおもな油田はこうした状態に追いこまれていて、2010年までに生産のピークをむかえ、減少していくとの分析もある。
 今のところは、05年5月が、原油生産量の最大となっている。もう、これをこえる月はないかもしれない。

 ジャン もう原油がなくなっちゃうということ?

 ――はっきりとしたことはいえないんだ。地下にある量を確かめるのは難しいし、原油の消費量も、省エネ技術によって減るのか、途上国の成長で増えるのか分からない。それでも以前は、可採年数(このまま採掘が続けられる年数)は約35年といわれていたんだ。

 ポン えーっ、じゃあ、あと何年?

 ――それが、約60年ともいわれている。実は、「石油はあと何年でなくなる」という警告は、1970年代からあるんだ。でも、その年数は減ってはいない。

 ケン どうして。

 ――地下をほったり、人工衛星で探査したりする技術の向上で、新しい油田を見つけたり、あってもとれなかった原油をとったりできるようになってきた。それで、使っているのに、残っている量も増えている、というわけ。原油価格が上がると、ほるのにお金がかかるのであきらめていた原油も、もうかるならほってみよう、ということになるしね。

 ジャン 安心したわ。

 ――そうもいっていられないよ。なくならないにしても、石油の生産が減っていくとすると、消費量をまかなえない時代がやってくる。社会が石油に支えられているかぎり、この不安はずっとつきまとう。

 ケン 石油に代わるものはないの?

 ――バイオエタノールや風力、太陽光なども注目されているけど、石油に比べると、エネルギーを得る効率はよくない。将来技術が進めば、効率がよくなる可能性はあるけど、先のことはだれにも分からないよね。
 それよりも今、自分たちの生活を見直すことが大事なんだ。もののむだづかいをやめる、ゴミを減らす。「もったいない」を心がけるといいね。

【きょうのポイント】
 ▽原油は、とれる量と買いたい量のバランスで値段が決まる。
 ▽経済が好調な国はたくさんほしがり、中東の情勢で生産が追いつかないのではという不安が値上がりの原因。
 ▽原油の生産量はいずれ減少し、「安くて豊富な石油の時代は終わる」という考え方が最近注目されている。

(2007年11月24日)

 


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