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●延びる、速くなる 新幹線●

鈴木 剛志記者(朝日新聞社会グループ)
 
ケン

 東北新幹線がスピードアップするって聞いたよ。 

鈴木 記者

 東京から青森県の八戸まで通じている東北新幹線は、2010年度末に青森までのびる予定なんだ。その時に、いまは275キロの最高時速を300キロにする。その2年後には、さらに320キロまで速める予定なんだ。

ジャン

 320キロ! 世界一じゃないの? 

鈴木 記者

 そうだよ。いま、世界最速で走っているフランス国鉄の「TGV」と同じだ。

ポン

 じゃあ、日本でいま一番速い新幹線は?

時間縮めて飛行機から客取り込むのが目的

 

突破できるか「三時間」のかべ
時速320キロで東京・青森結ぶ

 


東海道・山陽新幹線に新しくとり入れられた、N700系車両の「のぞみ」の出発式。最高時速300キロで走ります=7月1日、東京都港区のJR品川駅で

 ――最高時速300キロで走ってるJR西日本の「500系」と、今年7月に登場した「N700系」だ。JR東日本の区間で300キロを出すのは、東北新幹線が最初になるね。

 ケン それだけ速いと、青森までの時間が短くなるね。

 ――いま東京駅から青森駅まで行くには、新幹線と特急を乗り継いで最短でも約4時間かかる。新幹線がのびると、新青森駅まで最高時速300キロの運転で3時間10分ぐらいになるんだ。

 ジャン どうしてスピードアップする必要があるの。 

 ――新幹線のライバルは飛行機。どちらにお客さんが集まるか競争だね。国土交通省が調べたところ、所要時間が3時間以内なら新幹線、それ以上は飛行機を選ぶ人が多かったんだって。

 ポン へぇ〜。 

 ――これまでJRは速さより、一度に運べるお客さんの数を重視してきた。でも、02年に東北新幹線が八戸にのびて「はやて」が登場し、東京から3時間を切った。その結果、東京―青森の利用者の比率は、01年度は43対27で飛行機に負けていたのに、05年度は68対32に逆転したんだ。これをみて、速度アップにも力を入れ始めたんだよ。

 ジャン これからできる新幹線ってほかにもあるの? 

 ――1973年、それまでに走っていた東海道・山陽新幹線のほかに、北海道、東北、北陸、九州の各新幹線の整備が決まった。これらは「整備新幹線」と呼ばれてる。
 北海道新幹線は新青森から札幌までなんだけど、工事が始まっているのは新青森から新函館まで。北陸は群馬県の高崎から金沢や福井などを経由して大阪に行くんだけど、完成しているのは高崎から長野までの「長野新幹線」の区間だ。長野から金沢までは工事が始まっているけど、金沢から大阪まではまだだね。

北海道・北陸・九州にも計画
建設費用や騒音対策が課題


 ジャン 九州は一部で開通してるよね。

 ――熊本県の新八代と鹿児島中央の間だね。福岡県の博多から新八代までは建設中だ。佐賀県の新鳥栖から長崎に行くルートも計画されているんだけど工事が始まっていない。

 ケン 山形と秋田の新幹線もあるけど、この計画に入ってないの。

 ――この二つは、厳密に言うと新幹線じゃないんだ。区別するために「ミニ新幹線」って呼ばれてる。整備新幹線に比べ、スピードはおそいし、踏切もある。止まる駅の間も短いよ。でも、山形や秋田と東京間を乗り換えなしに行き来できる意味は大きい。
 それに、建設費が安い。新幹線用に新しく線路をしかなくてもいいし、駅も在来線の駅を使うことが多い。沿線の地方自治体が負担する建設費用も安いんだ。

 ケン いまは自治体もお金がなくて大変なんでしょ。 

 ――建設が始まっていない路線があるのも、財政難が影響している。自治体だけでなく国も財政難で、建設費の調整がうまくできない。それと、もう一つは騒音の問題。東北新幹線を一気に320キロで走らせないのも、騒音防止対策に時間をかけるためもあるんだ。

 ポン でも、新幹線でいろんなところに行けるようになるのは楽しみだなぁ。

 ――その通りだね。鉄道は車や飛行機より「環境にやさしい」っていうことが売りなんだ。お金や騒音の問題をクリアして、楽しい新幹線の旅が広がるといいね。

【きょうのポイント】
 ▽東北新幹線は現在、最高時速275キロ。2012年度には時速320キロに速度アップをめざす。東京−新青森間を3時間でつなぎ、飛行機とのお客の争奪戦に勝つため。
 ▽北海道(札幌〜新青森)、東北(新青森〜八戸)、北陸(長野〜金沢〜福井〜大阪)、九州(博多〜新八代、新鳥栖〜長崎)で、整備新幹線の計画が進められている。山形、秋田は「ミニ新幹線」で整備新幹線とはちがう。
 ▽建設が始まっていない路線もあるのは、国や地方の財政が厳しいため。また、騒音防止対策にも時間がかかるため。

(2007年11月17日)


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