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野沢 哲也古記者(朝日新聞医療グループ)
去年の暮れのニュースで「来年度の国の予算案が決まった」って聞いたわ。何のことか教えて。
みんなが親からおこづかいをもらったら、「どうやって使おうかな」と考えるよね。それと同じで、政府は毎年、国民から集める税金などがどれぐらいになるか、集めたお金を何にいくら使うか、計画を立てる。それを「予算」っていうんだ。
どんなことにどれくらい使われるのかな。
総額82兆9千億円 フリーター対策に力入れる
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イラスト・おおつかよういちろう
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――予算には「歳入」と「歳出」がある。歳入は政府が集めるお金のことで、歳出は使うお金のことだ。歳入のおもな部分は、国民の税金なんだよ。
ポン 税金って?
――国民が安心してくらしていくためには、みんなで共通に使うお金が必要だ。だから、会社からもらう給料や会社がもうけたお金、買い物したときにはらうお金などから、決められた分を政府におさめる。それが「税金」なんだ。
ジャン 予算は、全部でいくらぐらいになるの?
――税金などの一般的な使い道で、くらしにもっとも関係がある「一般会計」は来年度、全部で82兆9088億円になる。
ポン どんなことに使われるのかな?
――お年よりが生活していくための年金を出したり、道路や港をつくったり、警察や自衛隊が活動するお金を出したりしているよ。使い道で一番多いのは、年金や医療の「社会保障」で約21兆円、道路などをつくる「公共事業」には約7兆円、などだ。
ケン ほかには?
――来年度は、アルバイトでくらす「フリーター」などの若者が、会社員として働けるようにする取り組みに力を入れる。若い人に働くチャンスをあたえ、お金持ちと貧しい人の「格差」をなくしていこうというねらいなんだけど、政府の努力はまだ足りないという意見も多いよ。
ポン 子どものためには?
――子どもの数がへりすぎないよう、大人が子どもを産み育てやすい社会にしようとしているよ。たとえば「放課後子どもプラン」という事業では、放課後の学校で地域の人たちが、子どもに遊びや勉強を教える取り組みを応援するんだ。そんな学校がふえれば、働くお母さんも少し安心だよね。
ポン そうだね。
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いじめ相談や学力調査も
25兆円は国の借金「国債」
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――いじめ問題をなくそうという取り組みもある。気軽になやみを打ち明けられるよう相談員の数をふやしたり、電話相談を24時間受けつけたりするんだ。
すべての小学6年生と中学3年生に国語と算数(数学)のテストをして学力を調べ、これからの授業に生かしていく「全国学力調査」というのも始まるよ。
ケン うわぁ、テストか。ところで、国には借金がたくさんあるって本当?
――うん。来年度、集まる税金は約53兆円。それ以外の収入をふくめ約57兆円になる。でも、全部で82兆円以上のお金が必要だから、足りない分の25兆円ぐらいを「国債」という借金でうめているんだ。
ジャン だれから借金するの?
――「国債」という債権を個人や銀行に買ってもらって、お金を集めるんだ。でも国債は、いずれ一定の金額(利子)を上乗せして、国が買い取らなければいけない。歳出にある「国債費」は、そのはらいもどしや利子に当てるお金だ。
最近、景気がよくなって会社がもうかっているので、集まる税金もふえている。だから新しい借金は、前の年より4兆円以上へったんだ。でも何10年も借金をつづけてきたため、全部で500兆円以上の国債がたまってしまった。
ポン そんなに借金して平気?
――日本は世界のおもな国の中で、借金がとくに多いんだ。このまま放っておくと、いまの子どもが大人になったときには借金を返すのに精いっぱいで、取られる税金はすごく高いのに、サービスはろくに受けられない国になってしまうかもしれないね。
ケン そんなのこまるよ。
――そうならないため、政府は税金のむだづかいをなくして予算をへらしながら、消費税を少し高くするなどして税金をふやそうと考えているんだ。でも税金を上げるのに反対する人は多いし、むだづかいもまだたくさんある。予算をどうしていくか、みんなで話し合っていく必要がありそうだね。
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【きょうのポイント】
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▽政府の2007年度予算の総額は、82兆9088億円。歳入(入ってくるお金)の中心は国民の税金、歳出(使うお金)で一番多いのは、年金や医療などの社会保障費。
▽07年度はフリーター対策に力を入れる。子ども向けには、いじめの相談先をふやす、学力調査の実施など。
▽政府の借金「国債」は、06年度より4兆円以上へったが、25兆円。たまった500兆円の借金をへらすためにも、予算のむだづかいをへらしていく必要がある。 |
(2007年1月13日)
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