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山田史比古記者(朝日新聞生活グループ)
ことしは、何かこわいことが起きるのかしら?
なんで?
この前、テレビで「2007年問題」っていってたのよ。何が起きるんだろう。こわいなあ。
いや、あまりこわがることはないよ。でも、お父さんやお母さんが働いている会社にとっては、2007年はたいへんな年になるかもしれない。それが、日本全体に影響をおよぼす可能性があるんだ。
団塊の世代が定年退職 社会や経済に影響が
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イラスト・なかむらひとし
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ジャン 2007年の何が問題なの?
――「団塊の世代」って聞いたことがあるかな。ふつうは1947年から49年生まれのことをいうんだけど、この世代は日本人で最も人数が多いんだ。
ポン どれくらい多いの?
――いまの人数でいうと、それぞれの年に生まれた人が220万〜230万人ずついる。みんなくらいの子どもの世代は、その半分ぐらいしかいないよ。
ケン それがなぜ問題なんだろう。
――「定年制度」は知ってる? 決まった年齢で仕事をやめる制度で、日本のほとんどの会社には、この制度がある。その9割は60歳が退職の年齢なんだ。2007年から09年にかけて団塊の世代が60歳をむかえるから、いっせいに仕事をやめると予想されている。
ジャン お仕事おつかれさまでした。何も問題ないと思うけど。
――団塊の世代の多くは「仕事人間」といわれるほど一生懸命に働き、会社をささえてきた。特に、ものをつくる会社には団塊の世代が多く、長年の経験と高い技術を持っている。会社にコンピューターシステムをとり入れ、よくしてきたのも、彼らの役割が大きかったといわれている。
その技術が後輩に受けつがれていない会社では、団塊の世代がいっせいに退職すると、いままで通りに仕事が進まなくなるかもしれない。そういう会社が多いと、日本の経済にも悪い影響が出てしまう。
ポン それが2007年問題なの?
――団塊の世代の退職が会社や社会に影響をあたえる問題をいうんだ。年金や介護など老後の生活をささえる制度のために必要なお金も、人数が多い分、いままでよりたくさんかかるよね。
ケン 悪い影響ばかりなの?
――いい影響もあるよ。給料が高めで数も多いこの世代が退職すれば、会社が社員に支はらう給料は少なくてすむ。退職した団塊の世代が、退職金を買い物に使えば、景気も多少よくなるかもしれない。でも、悪い影響を心配する声の方が大きいね。
ジャン じゃあ、どうするの。
――まずは技術がとだえないようにすることだね。技術を受けつぐため、会社が退職した人をまねいて教えてもらうようなときには、国もお金を出して支援しているんだ。
ただ、2007年問題の影響は大きくないと考える専門家もいる。実際、定年後も働く時間をへらすなどして仕事をつづける人は少なくない。会社としても、特に必要な人には何とか働きつづけてもらおうとするからね。
ケン あまり心配しなくてもいいってこと?
――ことしどれだけ影響があるかはわからない。でも、今後の日本は、お年よりがふえる一方、若い人がへる。そうすると働く人が少なくなり、いずれ会社が必要な社員を確保できなくなるかもしれない。
ポン そうなの。
――それだとこまるから、国は60歳で退職せず、65歳までは働いてほしいと考えている。去年法律がかわり、会社は、希望する社員全員が六十五歳まで働けるようにしなくてはならなくなった。お年よりがふえて年金などに使うお金がふえるのもこまる。だから、年金をもらえる年齢は60歳以降から65歳以降にかわった。65歳までは働き、年金でくらすのはその後にして、ということだね。
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【きょうのポイント】
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▽「団塊の世代」といわれる1947年〜49年生まれの人が、ことしから60歳になる。この世代は日本人で最も数が多い。日本の会社の多くは60歳が定年なので、いっせいに仕事をやめると予想されている。
▽団塊の世代の多くは、長年の経験と高い技術を持っている。その技術が後輩に受けつがれていない会社では、いままで通りに仕事ができなくなるかもしれない。また、老後の生活をささえる制度に必要なお金もかかる。団塊の世代の退職によって、日本の経済や社会にあたえる影響を「2007年問題」という。
▽国は法律を改正して、希望する社員全員を65歳まで働けるようにしたり、年金をもらえる年齢を60歳以降から65歳以降にかえたりするなど、対策をとっている。 |
(2007年1月6日)
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