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菅野 雄介記者(朝日新聞社会部)
最近、飲酒運転についてのニュースが多いね。
福岡市で8月25日に起きた事故がきっかけなんだ。飲酒運転の車に追突されて、小さな子ども3人が亡くなった。
かわいそう。わたしたちより小さい子たちだったわね。
みんながかなしい事故だと思ったから、二度と同じようなことが起きないよう、飲酒運転があぶないってうったえているんだ。
お酒で判断力が低下、死亡事故の9件に1件
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証明難しく罪が軽い場合も
ひきにげを重くする方向へ
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| 車を止めて、運転している人がお酒を飲んでいないか検査をする警察官。8月の福岡の事件以来、全国で飲酒運転の取りしまりをきびしくしています=18日、滋賀県大津市で |
ケン 何で飲酒運転はあぶないの。
――お酒を飲むと、視力や判断力、注意力が落ちて事故にあいやすい。だから、飲酒運転は道路交通法という法律で禁止されていて、事故を起こさなくても、刑務所に3年入ったり、50万円も罰金をはらったりしなきゃいけないこともある。
ポン それじゃ、飲酒運転する人は少ないんでしょ。
――残念だけど、去年は全国で14万件も飲酒運転の取りしまりを受けているんだ。道路交通法が2002年にきびしくなって、取りしまり件数は01年の22万件から少しずつへってはきたんだけど、最近はあんまりへっていない。
ジャン そんなに大勢の人が飲酒運転しているんだ。
――去年は飲酒運転のせいで起きた死亡事故も707件あった。死亡事故の9件に1件は、飲酒運転が原因なんだ。
ケン 死亡事故を起こしたら罪は重くなるの?
――当然、きびしい罰が待っている。「懲役20年」といって、刑務所に20年入って反省しなさい、という判決を受けた人もいるよ。だけど、これはもっともきびしい罰を受けたケースで、実際は刑務所に2年ぐらいいただけで社会にもどってくる人が多いんだ。
ポン 何で? 人を死なせちゃったのは同じでしょ。
――懲役20年の人の場合は「危険運転致死傷罪」という罪に問われたんだけど、ふつうは「業務上過失致死傷罪」という、もっと軽い罪でさばかれることが多いんだ。お酒をたくさん飲んだこととか、かなり危険な運転をしていたことを具体的に証明できないと、危険運転致死傷罪を当てはめるのはむずかしいんだ。
ジャン 軽い罪じゃ、亡くなった人の家族はおこるんじゃないの。
――もちろん。事故を起こした運転手の中には、お酒を飲んでいたのがばれないように事故の現場からにげて、お酒のよいをさましてからつかまることで、結果的に罪が軽くなったりする人もいるからね。
ポン そういうの「ひきにげ」っていうんでしょ。ひどいね。
――だから、飲酒運転の車にはねられて家族を亡くした人たちは、ひきにげの罰をもっときびしくするよううったえている。警察はひきにげの罪を重くする方針をしめしているよ。
ケン お酒を飲ませた店や、いっしょに車に乗った人も責任があるよね。
――その通り。実際、客にお酒を飲ませていた飲食店の店主や、事故を起こした車に乗っていた人が逮捕されたりしている。最近では、お客さんが飲酒運転しないように、店の車で駅や自宅まで送ったり、タクシーの割引券を配ったりするところもある。
ジャン 「運転代行」っていうのも聞いたことがあるわ。
――お酒を飲んだお客さんの車を、代わりに運転してくれるサービスなんだ。通勤に車を使うことが多いような地域で人気がある。タクシー料金と同じくらいで割安に感じる地域もあるよ。
ケン 罰をきびしくして、いろいろ対策をとっても、飲酒運転の事故は毎日のように起きているね。
――外国では、よっぱらっているとエンジンがかからない車なんていうのもある。日本でも、自動車会社が、お酒を飲むと走らない自動車の開発に乗り出そうとしていて、国土交通省も後押しを考えているようだ。
でもやっぱり、飲酒運転をなくすには、あぶないという意識を高めていくことが基本じゃないかな。
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【きょうのポイント】
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▽2005年、飲酒運転で取りしまりを受けたのは全国で14万件。飲酒運転が原因で起きた死亡事故は707件で、死亡事故の9件に1件をしめる。
▽飲酒運転でひきにげ事故を起こした場合、飲酒の証明がむずかしくなり、罪が軽くなる場合がある。ひきにげの罪を重くすることが検討されている。
▽飲酒運転の罪を重くしたり、お酒を飲んだ人が運転しないためのサービスを提供したりする動きも広がっている。でも、もっとも大事なのは、飲酒運転はあぶないという意識を高めること。 |
(2006年9月23日)
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