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●東京が2016年五輪の国内候補地●

斎藤 孝則記者(朝日新聞スポーツ部)
ポン

 東京で五輪をやることが決まったんだよね。

ジャン

 気が早いわね。日本国内の立候補都市に東京がえらばれただけよ。

斎藤 記者

 そうだね。2016年の夏季五輪をめざして東京都と福岡市の2都市が名乗りを上げたから、投票で決めたんだ。これからは、五輪の開催国に名乗りを上げる世界の都市と競うことになるよ。

ケン

 それなら10年後の五輪開催都市は、いつごろ決まるの?

世界のライバルと競い、開催地決まるのは09年

候補しぼり選考レース
評価委の報告書が重要

 


 ――09年10月にデンマークのコペンハーゲンで開かれる国際オリンピック委員会(IOC)総会で投票によって決めるんだ。

 ケン えー、3年も先なの。いますぐ決めればいいのに。

 ――いろいろとスケジュールが決まっているんだ。来年7月にIOCが立候補を受けつけるんだけど、立候補都市が多いときは08年6月のIOC理事会で1次選考を行うんだ。

 ジャン 1次選考では何都市ぐらいのこるの?

オリンピックスタジアムが建設される予定の晴海地区=東京都中央区で

 ――近年は5都市ぐらいが最終候補になるんだけど、ここからが選考レースの本番ともいえる。くわしい開催計画などを説明した「招致ファイル」を提出しなくちゃいけないし、それをもとに、評価委員会の現地調査を経て報告書がつくられるんだ。

 ポン 報告書って大事なの?

 ――過去の過剰な接待(もてなすこと)などが問題になり、投票するIOC委員の現地訪問は禁じられている。だから、評価委員会がまとめた報告書が判断材料のひとつになるんだ。開催したい理由や競技施設、選手村、交通、宿泊などの施設、財政、治安などの項目を分析するんだけど、投票結果を左右することもある。

 ジャン そういえば今回の国内立候補都市を決めるときにも、日本オリンピック委員会(JOC)が報告書をつくっていたんじゃない。

 ――よく知っているね。報告書の中では東京の短所にあまりふれられていなかったけど、東京に決まった途端、JOCは「(開催計画を)ほとんど書き直さないといけない」と指摘しているんだ。

 ケン どんなところが短所なの?

 ――競技施設を集中配置していなかったり、選手村を高層ビルにしたりするなど、IOCの基準をみたしていない部分が多い。交通渋滞も心配されているんだ。ライバル都市に勝つには、こういう短所を改善しなくちゃいけない。

マドリードなどが予定
都民の関心は低いけど…

 

 ジャン 東京のライバルはどこなの?

 ――南アメリカで初の開催をめざすブラジルのリオデジャネイロが立候補を表明した。スペインのマドリードも予定しているし、アメリカの数都市も興味をしめしているよ。アルゼンチンのブエノスアイレスや、ドイツのハンブルクなども前向きだ=地図参照。

 ポン そんなにいるんだ。

 ――それだけじゃない。08年は北京五輪で12年はロンドン五輪だから、一大会をおいただけでふたたびアジアで招致(開催地として、まねくこと)するのはむずかしいとみる人が多いんだ。

 ジャン あんまり意識していなかったけど、日本はアジアのひとつなのね。

 ケン どうすれば東京は招致できるのかな。

 ――開催計画の見直しも大事だけど、五輪を招致したいという東京都民の関心も低すぎる。「いま、なぜ東京で五輪なのか」という開催理念を説明できないと、国内の招致熱は高まらないし、国際選考レースで勝ちぬくこともきびしいだろうね。

【きょうのポイント】
 ▽2016年の夏季五輪の日本国内候補地に東京都と福岡市が名乗りを上げ、投票の結果、東京に決まった。
 ▽開催都市は、09年にデンマークで開かれる国際オリンピック委員会(IOC)総会で、投票によって決まる。立候補する都市が多いときは1次選考で5都市ぐらいにしぼり、評価委員会がまとめた報告書などから開催地にふさわしいかどうか判断する。
 ▽ブラジルのリオデジャネイロやスペインのマドリードなどが五輪招致に興味をしめしている。東京がライバルに勝つには、開催計画の見直しや人々の関心を高めるなど多くの課題がある。

(2006年9月9日)


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