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大久保 泰記者(朝日新聞社会部)
今月から緊急地震速報が始まったというニュースを見たけれど、どんな情報なの?
みんながゆれを感じる前に、「地震がくるよ」と教えてくれるんだ。
そんなことができるの?
地震波の特徴を使ってできるようにしたんだ。
地震波って何?
地震波の特徴使って大きなゆれの前に知らせる
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イラスト・佐竹政紀
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――地震が発生すると、「カタ、カタ」という小さなゆれがまずくるんだ。その次にグラッという大きなゆれがくる。この大きなほうがわたしたちが感じる地震のゆれで、震度4とか、震度6強とか、数字で強さをあらわしているよね。
最初の小さなゆれはP波とよばれ、秒速約七キロで進むんだ。大きなゆれはS波といい、秒速約四キロ。一秒で三キロくらいの差があるんだ。
ケン 小さなゆれは早くくるんだね。
――そう。緊急地震速報は、この時間差を使うんだ。小さなゆれを地震計でつかんだら、数秒で地震の大きさ(マグニチュード)や起こるゆれ(震度)を予想する。震源までの距離がわかるから、何秒後にゆれがくるかわかるんだ。
ジャン でも、どうして地震の大きさまでわかるの。
――阪神大震災をはじめ国内で起きた地震を研究し、最初の小さな波の特徴とあとにくる大きな地震との関係を見つけて計算しているんだ。みんながくらしている地域の地盤のデータもあるから、どれくらいゆれるかも予測できるんだ。
ケン だれが考えたの?
――速報を発表するのは気象庁だけど、鉄道総合技術研究所や防災科学技術研究所などいろんな機関が研究にかかわってきたんだ。日本の研究者の成果といえるよ。
ポン 実際に当たるのかな?
――二年前から試験をつづけてきたんだ。去年八月には宮城県沖でマグニチュード7・2の地震があったのをおぼえているかな。あのとき、震度6弱のゆれがあった宮城県内でも十五秒前に速報が出たよ。震度は「5強以上」の予測だったんだ。
東京にはゆれがくる六十秒前に速報が出ている。距離がはなれるほど、大きなゆれがくるまでに時間がかかるからね。
ケン でも何のために出しているの?
――そこが重要なんだ。ポンくん、もし三十秒後に地震がくるとわかったらどうする?
ポン 大切なものをとりにいって、机の下にかくれるかな。
――じゃあ、十秒後なら。
ポン 急にいわれたら、あせって何もできないかも。
――この情報はね、速報が出たら何をしたらいいか、ふだんから考えておくことが大切なんだ。東京都立川市にある災害医療センターでは、手術中に速報が出た場合の訓練をしているよ。五秒ならどうする、十秒なら何をするとかね。
鉄道ではスピードを落として、被害を少なくしようとしている。エレベーターは、もっとも近い階に止まって扉が開くようにするんだ。そうすれば地震で閉じこめられることもなくなるよね。
ジャン 学校ではどうするのかしら?
――宮城県仙台市の長町小など一部の小学校では、速報が出たときの訓練を試験的に始めているんだよ。校内放送が流れたら、すぐに机の下にもぐって、しっかりと机のあしをにぎるように練習しているそうだ。
ケン 短い時間でもあせらずに行動することが重要なんだね。きょうから緊急地震速報に気をつけるようにしよう。
――そうしてもらいたいけど、わたしたちが情報を聞けるのは来年の春以降になるんだ。いまは、鉄道や工場、病院など決められた利用者だけなんだ。情報を十分理解し、鉄道を止めたり、建設現場の危険な作業を中止したり、すぐに使える人たちだけなんだ。
ポン どうして?
――この情報はまだよく知られていないんだ。そんなときにいきなり「震度7の地震がきます」なんて流れたらどうなるかな?
ジャン 駅とか地下街にいたらちょっとこわいかな。
――だから、どういう情報の出し方がいいのかを決めて、みんなに十分よく知ってもらってから情報を出そうというのが気象庁の考えなんだ。情報が出たらどうしたらいいのか、いまから考えていこうね。地震が起きたらどうしたらいいかを日ごろから考えておくことが、何より重要だからね。
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【きょうのポイント】
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▽緊急地震速報は、大きなゆれがくる少し前に、地震がくることを知らせる。2種類の地震波の特徴のちがいを利用して、地震の大きさやゆれの強さを予測する。
▽速報が出ると、病院は手術を中断、鉄道は減速、建設現場は危険な作業中止、などの対策をとる。ふだんから速報が出たときにどうするかを考えておくのが大切。
▽いまは速報が聞けるのは、病院、鉄道会社など一部の利用者だけ。来年の春以降、一般の人も利用できるようになる予定。 |
(2006年8月12日)
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