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杉山 正記者(朝日新聞外報部)
北朝鮮のミサイル実験って、毎日のようにニュースが流れているけど、どういうことなの?
北朝鮮が今月の5日に七発のミサイルを発射して、ロシア沖の日本海に落下したんだ。危険な行為だから日本はもちろん、世界で非難が高まっている。
ミサイルって何? ロケットとちがうの?
国の勢いしめし六者協議を有利に、との見方
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乗客をおろして港をはなれる、北朝鮮の貨客船「万景峰号」。ミサイル発射で入港を禁止されることになりました=7月5日、新潟市の新潟西港で
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――ミサイルとロケットは基本的には同じつくりで見た目では区別がつかないよ。だけど、目的が全然ちがうんだ。ロケットは人工衛星などをのせて宇宙へ運んだりするけど、ミサイルは攻撃のためだから爆弾をのせるんだ。もっとも今回はテスト発射だから、爆弾はのせていないけどね。
ポン へぇ、でも、あぶないよ。北朝鮮はどんなミサイルを持ってるの?
――まず、韓国にとどく「スカッド」(射程=とどく範囲、300〜500キロ)というミサイルに、日本列島がほぼすべて入る「ノドン」(射程約1300キロ)、「テポドン1」(射程1500キロ以上)を持っているんだ。さらに、アメリカまでとどく能力がある「テポドン2」(射程3500〜6000キロ)を開発中といわれているんだ。
今回発射した7発は、スカッドやノドンにくわえて、この新しいミサイル「テポドン2」も発射した。うまくとばず、失敗だったようだけれどね。
ジャン つくるのを禁止できないの?
――核兵器は核不拡散条約できびしい規制があるんだけど、ミサイルの開発を禁止する国際法はない。だけど、ミサイルやロケットを実験するときは、まわりの国や飛行機、船などに事前に教えるのが国際ルールなんだ。
ケン 北朝鮮のミサイル発射実験は初めてなの?
――いや。1993年に「ノドン」を実験してから、九八年には「テポドン1」を発射した。このミサイルは、一部が日本列島をとびこえて太平洋側に落ちて大さわぎになったことがあるんだよ。2002年に小泉首相が北朝鮮に行ったときに「日朝平壌宣言」というのを出して、ミサイルを発射しないと約束したんだけど、今回はそれをやぶった形なんだ。
ジャン そもそもなぜ、北朝鮮はミサイルをうったの?
――ひとつには、ミサイルを発射することで、国の勢いをしめそうとしたのではないかといわれてるんだ。
それと、北朝鮮の核開発問題をめぐって北朝鮮と日本、韓国、アメリカ、ロシア、中国の計六か国で話し合う「六者協議」という国際会議が03年から始まったんだけど、なかなか北朝鮮の思うようにいかない。核開発をやめるのが先か、経済支援が先か、など対立点がいろいろある。だから、ミサイルでほかの国をおどかして、話を有利な方向に持っていこうとしているという見方もあるんだ。
ケン 日本やほかの国はだまって見ているだけなの?
――いや、日本はすぐに北朝鮮の貨客船「万景峰号」が日本に入港することを禁止するなどの九項目の制裁措置(こらしめるための対策)を決めた。それにくわえて、日本は国際社会に、北朝鮮のミサイルなどに関係する技術や物資とかの移転を禁止するなどのきびしい制裁決議案をしめした。
ジャン では、世界の国々が日本と同じ考えを持っているの?
――そうでもないんだ。国連の話し合いでも、アメリカやイギリス、フランスといった国は日本と基本的には同じようにきびしい態度を持っている。だけど、北朝鮮に友好的な中国とロシアが制裁に反対していてなかなか足なみがそろわないんだ。
当事者の北朝鮮は「自分たちの国を守る力を強くするために正常にやった訓練のひとつだ」ってミサイル発射を正当化しているし、「圧力をくわえるなら別の形のより強力な行動をとる」なんて強気なんだ。
ポン ミサイルがとんできちゃったらこわいよ。ふせぐ方法はないの?
――発射されたミサイルをうち落とすシステムを整備しようという話にもなっている。だけど、これも技術的に完全にうち落とせるかには疑問があるんだ。何とか世界の国々で北朝鮮を説得して、きちんと話し合いをさせる方法をさぐっていきたいところなんだよ。
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【きょうのポイント】
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▽北朝鮮が今月、ミサイル7発をテスト発射し、ロシア沖の日本海に落下した。
▽ミサイルの発射は、国の勢いをしめすため、北朝鮮の核問題などを話し合う「6者協議」を有利な方向に進めるためのおどし、などとみられている。
▽日本は北朝鮮の船の入港を禁止するなどの措置を決めた。国際的な対応については、国連の中で意見が分かれ、中国、ロシアは制裁(こらしめること)に反対している。 |
(2006年7月15日)
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