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日浦 統記者(朝日新聞経済部)
外国からの転校生のお母さんが「東京は生活費がかかってたいへん」ってぼやいてたわ。
たしかに東京は物価が高い。去年までは「世界中でもっとも生活費が高い都市」だったんだよ。ことしは3位に下がったけどね。
生活費?
毎日生活するには、家を借りる家賃とか、肉や魚などの食料費とか、洋服や靴にかかる費用が必要だ。これらのモノやサービスの価格を足したのが生活費さ。
円安…見た目の価格下がり世界一は返上
ジャン 東京は生活費が高いの?
――アメリカのマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングという会社が1994年から毎年、世界の144都市の生活費を調べて順位をつけているんだ。東京は去年まで3年連続1位だったけど、ことしは3位。それでも東京の生活費は、アメリカのニューヨークの約1.19倍なんだ。
ケン どういうこと?
――かんたんにいえば、ニューヨークで100円で買えるものが東京では119円するということだね。とくに東京は土地がせまいから家賃が割高なんだ。
たとえば、同じ条件のアパートの1か月の家賃を同じお金の単位でくらべると、イギリスのロンドンが2975ドル、フランスのパリが2280ドルなのに、東京は4116ドル。
ポン 高ーい!
――バスや地下鉄など公共交通の料金も高い。イタリアのローマは1.21ドル、オーストラリアのシドニーは1.86ドルなのに、東京は2.31ドルだ。東京が安いのは新聞代で1.30ドル。ロンドンの1.93ドルやパリの2.40ドルにくらべ安い。
ジャン いま生活費が一番高い都市はどこなの?
――ロシアの首都モスクワだ。土地や建物などの不動産の価格が上がって、家賃が急上昇したことがひびいているんだ。生活費はニューヨークの1.24倍かかる。一方、最下位だったのは、南アメリカのパラグアイの首都アスンシオン。生活費はモスクワの3分の1ですむんだ。
ポン ほかの都市はどうなの?
――経済成長がつづいているアジアからは、上位10位以内に4都市も入った。韓国のソウルが2位、中国の香港が4位。大阪は去年は2位だったけど、ことしは六位になった。
ケン 東京や大阪の順位が下がったのはどうして?
――ドルに対して「円安」が進んで、見た目の物価が安くなったからさ。ぎゃくにドルは高くなったから、アメリカの都市の生活費は高くなったんだ。
ジャン 「円安」ってどういうこと?
――お金の単位(通貨)は国によってちがう。日本は円、アメリカはドル、ヨーロッパの多くの国はユーロだ。これらの通貨を交換する比率は毎日、ころころかわる。テレビのニュースで「1ドル=110円」とか聞いたことはあるかな。これは、きょうは1ドル札と110円を交換できますよ、という意味なんだ。
ポン ふーん。
――「円安」は「円の価値が下がる」ことで、たとえば1ドル=110円が1ドル=120円になることだ。そうすると、ニューヨークで1ドルのアイスクリームを買うのに、必要な日本のお金は110円から120円にふえることになる。
円安が進むと、ドルを使うアメリカの都市の生活費は高くなり、円を使う日本の都市の生活費は安くなるわけさ。
ケン 円安とか円高は何で起きるの?
――いろいろな原因があるので、ひと口にはいえないね。一般的には、景気がよくなって経済が強くなれば、その国の通貨の力も強まる。つまり、アメリカの経済が日本よりも成長すれば、ドルの力が強くなり、ドルに対して円が安くなる。ぎゃくにアメリカの経済が日本よりもおとろえると、円の力が強くなって円が高くなる。
日々の暮らしにかかる費用は、国の経済状況や通貨の力で、かわっていることがわかるね。
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【きょうのポイント】
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▽世界144都市の生活費の比較で、東京は3年連続の1位から3位に。1位はモスクワ(ロシア)、2位はソウル(韓国)。
▽日本の順位が下がったのは、円安で見た目の物価が下がったのが理由。円安は日本の通貨「円」の価値が下がること。
▽通貨と通貨を交換するときの比率は、毎日かわる。ドルと円の場合、1ドルと交換するときにはらう円がふえるのが円安。 |
(2006年7月7日)
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