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●野菜の値段はどう決まるの?●

前田奈津子記者(朝日小学生新聞編集部)
ジャン

「最近、野菜が高い」とママがいってたわ。

前田 記者

 太陽が出ている時間(日照時間)が不足して、農作物の育ち具合がおくれているの。その影響で値段が上がっている野菜があるのよ。

ケン

 野菜の値段って、どうやって決まるの?

前田 記者

 みんなは、スーパーや八百屋さんで野菜を買うことが多いと思うけど、そのお店の人たちが野菜を仕入れる市場(いちば、ともいいます)で、最初の値段「卸値」が決められるのよ。

天気の影響で市場に出る量が減ると高くなる

日照不足の影響で約100円で売っていたキャベツが198円に値上がりしたスーパー=2006年5月、福岡市で
「せり」で決まる「卸値」
日照不足で今年は高値

 



 ケン 市場の役割は何なの。

 ――農家でつくられた野菜が全国の農業協同組合(農協)で集められ、市場に運ばれてくる。
 農家が農協を通さず、お店や消費者に売る方法もあるんだけど、全国でつくられる野菜の約80パーセント(%)は、卸売市場を通して流通しているの。

 ポン 値段はどうやって決まるの。

 ――その野菜を買いたい人が集まって、一番高い値段をつけた人が手に入れる「せり」をして決まることが多い。
 同じ野菜でも日によって、値段がかわってくる。野菜は、工業製品などとちがって計画通りにつくれず、天気によって生産量がかわりやすい。天気がよくてたくさん野菜が市場に入ったときは、野菜が売れのこらないように値段が安くなる。入った量が少ないときは買いたい人が多いので、野菜の値段が高くなることが多いの。

 ジャン 日照不足の影響が出ているといってたけど……。

 ――気象庁によると、ことし3月〜5五月の日照時間は全国的にかなり少なかったの。野菜の成長には、太陽の光がかかせないから、育ち具合がいつもの年とくらべておそくなって、市場に出る量もへっているの

農水省が値段を調べ発表
工夫で乗り切る学校給食



野菜が消費者のもとにとどくまでのおもな流れ(農林水産省の資料をもとに作成)イラスト・林美香誇

 ケン 値段に影響しているんだよね。 

 ――東京都中央卸売市場の値段をみてみよう。野菜の6月中旬の値段は、平年とくらべて、約60%高くなっているものもあるわ=表1。
 大阪府中央卸売市場でも日照不足の影響で、キュウリ、トマトなどの値段が5月に上がったそうよ。6月に入って、値段は落ち着いてきたけれど、キュウリは平年にくらべてまだ高い。キュウリの値段は、平年で1キロあたり約170円だけど、6月27日は約240円だったそうよ。

 ジャン わたしたちが野菜を買うお店の値段も高くなっている気がするけど。

 ――農林水産省は、全国のスーパーなど約470店舗で、野菜の値段を調べて1週間ごとに発表してるの。6月19日〜23日では、ニンジンやキャベツが平年とくらべて高くなっているわ=表2。

 ケン 学校の給食にも野菜が使われているよ。

 ――東京のある小学校の栄養士さんは、「いつもの年より野菜が高く感じる」といってたわ。いまのところ大きな影響は出ていないけど、献立から野菜はへらすわけにはいかないからくふうする。たとえば、スープに使うホウレンソウが高くなったら、コマツナにかえるとかね。

 ジャン 値段がもっと上がったら、家計にもひびくね。

 ――野菜は、天気に影響されるし、長期の保存がきかないからたいへん。でも、
毎年、おいしい野菜を農家の人につくってもらいたいよね。だから、値段がものすごく上がった場合や、逆にものすごく安くなった場合は、国などが値段を安定させるための対策をとるの。価格が上がったときは、農家に「早めに出荷できる野菜があったら出してください」と協力してもらう。反対に農作物がとれすぎて値段がすごく安くなったときは、市場に出さないようにするの。野菜をつぶして肥料にしたり、加工品にかえたりするんだよ。

 ケン 農家の人はたいへんだ。

 ポン ぼくは野菜をたくさん食べて、強い子になるぞ!

 表1 東京都中央卸売市場で、平年とくらべて高くなっているおもな野菜の卸値(6月中旬)(単位 円/キロ)
 品目  値段 平年比
ダイコン  89円 131%
ニンジン 190円 161%
ハクサイ  98円 153%
キャベツ  73円 130%
ホウレンソウ 417円 102%
トマト  230円 122%
ピーマン 335円 138%

 表2 全国約470店舗の農水省の調査で、平年とくらべて高くなっているおもな野菜の値段(6月19日〜23日)(単位 円/キロ)
 品目  値段 平年比
キャベツ  174円 123%
ニンジン  398円 136%


【きょうのポイント】
 ▽野菜は、おもに市場を通して、消費者のもとにとどくしくみになっている。農家でつくられた野菜の値段は、最初に市場で決まる。「卸値」といわれるもので、売りたい人と買いたい人が「せり」で決める。
 ▽野菜は、天気の影響を受けやすい。ことしは3月〜5月にかけて、全国的に日照不足だった。野菜の育ち具合がおそくなり、市場に出される量がへり、値段が高くなっている野菜もある。
 ▽スーパーなどのお店の野菜の値段も、上がった。6月に入って落ち着いてきたが、農水省の6月19日〜23日の調査では、キャベツ、ニンジンの値段がまだ高い。

(2006年7月1日


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