こどもアサヒ > ニュースDEジャンケンポン > ニュースDEジャンケンポン過去一覧

●ジャワ島の地震●

瀬川茂子記者(朝日新聞科学医療部)
ジャン

5月27日にインドネシアのジャワ島で地震があって、六千人近くが犠牲になったんだって。

瀬川 記者

インドネシアは、おととしの12月と去年の3月にも地震や津波におそわれているわ。

ケン

 同じような地震が起きているのかな。

瀬川 記者

 大津波で大勢の人が犠牲になったおととしのスマトラ島沖の地震と、今回の地震はタイプがちがうのよ。

ポン

 どんなところがちがうの?

陸で起きる「内陸型」 規模のわりに大きな被害

田んぼと川にはさまれた道路に、家をなくした住民がテントをはって避難しています=5月29日、インドネシア・ジョクジャカルタで
プレート沈んでひずみ
津波起こらないタイプ

 



 ――プレートって聞いたことあるかな? 地球の外側をおおっている、十数枚の岩板のことなの。プレートは動いていて、プレートどうしがはなれていったり、ぶつかったり、一方が別のプレートの下にしずみこんだりしているわ。

 ケン 知ってる。日本はそういう場所にあるんでしょ。

 ――そうね。東北日本では太平洋プレートがしずみこみ、西南日本ではフィリピン海プレートがしずみこんでいる。スマトラ島やジャワ島の沖合では、インド・オーストラリアプレートがユーラシアプレートの下にしずみこんでいるのよ。

 ケン 日本と似てるんだね。

 ――しずみこむプレートの境界ではひずみがたまり、たえきれなくなると弱いところがこわれて地震が起こるの。これを「プレート境界型地震」といって、スマトラ沖地震はこのタイプだった。

 ポン じゃあ、今回の地震は?

 ――プレートがしずみこむと、内陸側にもひずみがたまるの。だから境界の部分だけでなく、陸側でも地震が起こるの。これを「内陸型地震」とよんでいるわ。日本の阪神大震災がこのタイプだった。

 ケン 今回は「内陸型」だったんだ。

 ――ええ。津波が起こるというまちがった情報でパニックになった人も大勢いたようだけど、陸の地震だから、津波は起こらないのよ。
 プレートのしずみこむところには火山も多い。今回の震源の近くにもムラピという活動的な火山があるのよ。火山活動が活発化していて心配されているけど、地震と火山の関係はまだよくわかっていないらしいわ。

街の真下のあさい震源
れんがの建物を直撃



 ジャン スマトラ沖地震より、小さい地震だったんでしょう。

 ――スマトラ沖地震は、地震の大きさをしめすマグニチュード¥(M¥)で9級だったけど、今回はM6・3。数字だけ見ると、そんなにちがわないと思うかもしれないけど、規模は約3万分の1とずっと小さかったの。
 スマトラ沖地震は、プレート境界型でも最大級の地震で、地下がわれた部分の長さは、1200キロ以上。今回の地震は、20キロほどとみられているの。

 ケン でもいっぱい建物がこわれた。

 ――内陸型の地震の特徴は、街の真下のあさいところで地震が起こることなの。震源に近いから、規模のわりにはゆれが強くなり、被害が大きくなるわ。

 ポン 日本でもこうなるの。

 ――ここまで建物はこわれなかったでしょうね。弱いれんがを使った建物がたくさんあったから、それがくずれたのよ。5万棟以上がこわれたという情報もあるわ。
 昔は木や竹の伝統的な家が多かったのに、1970年代以降、高級にみえるれんがの家がふえたそうよ。

 ポン にげられなかったのかな。

 ――家の中にいた人は、一瞬で家がくずれてにげられなかったでしょうね。建物を地震に強くする工夫があまりなされていなかったことが、本当に残念ね。
 こわれた家のそばにテントをはって、くらしている人がまだたくさんいるのよ。新しい家をつくるときに、前と同じような家をつくっている人がいるようなの。今度は、地震に強い家をつくってほしいわね。

【きょうのポイント】
 ▽インドネシアのスマトラ島やジャワ島の沖合には、日本と同じようにプレート(岩板)がプレートの下にもぐりこむ境目がある。
 ▽地震には、プレートがしずみこむ境目で起きる「プレート境界型」と、陸の中で起きる「内陸型」がある。ジャワ島の地震や阪神大震災は内陸型。
 ▽内陸型は、地下のあさいところで起こるので、地震の大きさのわりにゆれが大きく被害が大きい。津波は起こらない 。
ジャワ島の地震
 5月27日の早朝にジャワ島中部で発生。震源はジョクジャカルタ市の南約10キロの陸の下で、地震の大きさをあらわすマグニチュード(M)は6.3。インドネシア政府の5日の発表では、地震により亡くなった人は5782人。全半壊した家は約22万戸。

(2006年6月10日)


朝日学生新聞社のホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての著作権は朝日学生新聞社に帰属します