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中村浩彦記者(朝日新聞科学医療部)
「ドラえもん」の映画にも登場した「フタバスズキリュウ」の正体がわかったんだって?
国立科学博物館などの研究チームが、新種新属の首長竜、つまり首長竜の中でも、すでに見つかっているものとはちがう種類だと発表したんだよ。
ずいぶん昔に見つかった化石なんだよね。
発見は38年前だよ。首長竜の仲間ということはわかっていたんだけど、どんな種類なのか、ずっとはっきりしなかったんだ。
日本にも恐竜がいたんだね。どんな恐竜なの?
38年かけて首長竜の新しい種類だとわかる
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| 約8500万年前の日本沿岸で泳ぐフタバスズキリュウの想像図〓画・菊谷詩子さん、国立科学博物館提供 |
――首長竜は一億数千万年前から数千万年前にかけて、海でさかえた大型のは虫類なんだ。
同じ時代に陸上にたくさんいた恐竜の仲間だと思われがちだけど、じつはちがう生き物なんだよ。いま生きている動物との関係では、恐竜はワニに近いけど、首長竜はトカゲやヘビに近いと考えられているよ。
ケン ところで、フタバスズキリュウはどこで見つかったの?
――福島県いわき市の「双葉層群」とよばれる約8500万年前の地層から見つかったんだ。1968年のことだよ。
発見者の鈴木直さんは当時、高校2年生。化石発掘が好きで、アンモナイトなんかをさがしていたんだ。地層と鈴木さんの名前からフタバスズキリュウと愛称がついたんだよ。
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| フタバスズキリュウのヒレの化石。東京・上野の国立科学博物館で、こうした実物標本などを6月18日まで展示しています |
ジャン なぜ、正体がわかるのに38年もかかったの?
――首長竜の仲間には、大きく分けるとふたつの特徴的な姿のものがいたんだ。首が長くて頭が小さいエラスモサウルス類と、首が短くて頭の大きいプリオサウルス類。正体を調べるには、これらと特徴をくらべる必要がある。
ケン どこをくらべるの?
――首が重要なくらべるポイントのひとつなんだけど、フタバスズキリュウは首の化石が見つからなかった。ほかの特徴をさがし出してくらべるのに時間がかかったんだよ。
ジャン どんな特徴があったの。
――頭の骨を調べると、ほかのエラスモサウルス類より目と鼻が前後にはなれていることがわかったんだ。
太ももの骨が腕の骨より短くほっそりしていたり、鎖骨に細長い出っぱりがあったりと、ほかにも10か所以上の特徴が見つかった。それで、十数種類いるエラスモサウルス類の中でも、新しい種類とわかったんだ。
ケン どんな生活をしていたのかな?
――双葉層群ではアンモナイトや二枚貝、サメ、大型の魚などの化石がたくさん見つかるんだ。こうしたゆたかな海を悠々と泳ぎながら、長い首で海底のイカやタコの仲間や貝などをとらえて食べていたみたいだよ。
体長は6〜9メートルと考えられているよ。ヒレの化石にはサメの歯がささっていたから、たたかったのかもしれないね。
ポン 卵は見つかっているの?
――首長竜は腰の骨の特徴から、母親が体内で卵をかえして赤ちゃんを産んでいた、と考えられているんだ。ドラえもんの映画では、フタバスズキリュウは卵から生まれたけど、実際はそうではなかったみたいだね。
ジャン いろいろわかったのね。
――フタバスズキリュウは、国内では一番といっていいほど有名な化石だった。でも、正体がわかっていなかったので、学問の上では未発見と同じだったんだ。
今回、研究チームが「フタバサウルス・スズキイ」という正式な名前(学名)をつけて英語の論文を発表したので、やっと世界的にみとめられることになったんだよ。
ポン もうフタバスズキリュウとはよばないの?
――学名は研究者が使う名前だよ。みんなはこれまでどおりフタバスズキリュウとよべばいいよ。
アメリカの内陸部やヨーロッパで見つかった首長竜はよく研究されているけど、日本をふくむ北太平洋地域のものは研究がおくれていたんだ。でも、フタバスズキリュウの研究が進めば、首長竜の進化など新しいことがわかるかもしれないね。
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【きょうのポイント】
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▽38年前に福島県いわき市で見つかった化石「フタバスズキリュウ」が、首長竜の新しい種類だとわかり、世界的にみとめられる。
▽首長竜は恐竜の仲間ではなく、海でさかえた大型のは虫類。恐竜はワニに近いが、首長竜はトカゲやヘビに近い。
▽フタバスズキリュウは、目と鼻が前後にはなれている、脚の骨が腕よりも細く短いなどの特徴がある。長い首で海底の貝などを食べていたとみられる
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(2006年5月27日)
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