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渡辺 延志記者(朝日新聞文化部)
ぼくたちの学校の6年生は来月、広島に修学旅行に行くんだよ。
そういえば、広島市の広島平和記念資料館と世界平和記念聖堂が国の重要文化財に指定されるんだって。
文化財って何なの。
日本の歴史や文化を理解するためになくてはならないもののことだ。いつまでもなくならないように、こわれたりしないようにと、国は重要な文化財を保護する仕組みをつくっているんだ。
日本の歴史や文化を伝えるために守るべきもの
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| 国の重要文化財に指定される広島の広島平和記念資料館(右)と世界平和記念聖堂(下)。戦後に建てられた建物としては初めての指定です |
ケン 文化財にはどんなものがあるの。
――対象はじつはとても広いんだよ。大きく分けると六種類。表を見てね。最初の有形文化財の「有形」は形のあるものという意味で、まず思いつくのは美術工芸品や建物。
ポン たとえば?
――美術工芸品には、奈良の正倉院の宝物や古い時代の仏像などがある。建物は、京都の銀閣寺や奈良の法隆寺などお寺や神社が多く、広島の建物のような戦後に建てられたものは、初めての指定だったんだ。
ポン 無形文化財は?
――こちらは形のない文化財。わかりやすいのは、よくいう「人間国宝」だね。長い年月をかけて身につけた「わざ」を指定するもので、歌舞伎の役者さんや音楽家、焼き物や織物の工芸家といった人がえらばれている。
ジャン ほかの種類は。
――宿場町や城下町の町並みを対象とした伝統的建造物群、棚田や里山を対象にした重要文化的景観という制度もあるよ。いうなれば風景の文化財だね。
急速に開発が進む日本では、昔のなつかしい風景は、大切に守っていかないとなくなってしまうという考えからつくられた制度だ。
あとは、伝統的なお祭りやめずらしい動植物なども対象になっている。
ケン 「国宝」っていうのもあるよね。どこがちがうの。
――有形文化財の中から、国は「重要文化財」を決めて、その中からとくに大切なものを「国宝」に指定するんだ。文化財の保護は、二段重ねの仕組みが特徴なんだよ。
ポン ふーん。
――遺跡の中で重要なものが「史跡」。その中で特に価値があるのが「特別史跡」。よくニュースになる奈良県明日香村の高松塚古墳は、遺跡としての古墳は特別史跡で、中にえがかれている壁画は国宝なんだよ。
ジャン 文化財はどうやって決めるのかしら。
――国が決めるものは、まず文化審議会という会議で内容を検討する。その結果、ふさわしいとみとめられた場合は、文部科学大臣が指定する。指定を受けると、修理の費用を国があるていど負担してくれるなど、文化財を守る手助けを受けられる。でも、その一方で、勝手に現在の状態をかえてしまうことはゆるされなくなるんだ。
ケン 国に指定されないと文化財ではないの。
――そんなことはないよ。都道府県や市町村が指定する文化財もあるんだ。お城やお寺のような古い建物や、大きな木やきれいな川などに「文化財」の標識を見ることはめずらしくない。大切な財産としてみんなで守ってゆきましょうという約束が、文化財だと考えていい。
ポン うちの近くにもあるかな?
――さがしてごらん。どのようにしていままでつたえられてきたのかを考えて、大切にしていこうね。
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【きょうのポイント】
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▽日本の歴史や文化をつたえるために、守っていくべきものが文化財。国の指定のほか、県や市などが指定するものもある。指定されると、修理費などが一部負担してもらえる。
▽建物、美術工芸品などの有形文化財、伝統芸能・工芸の「わざ」などの無形文化財、めずらしい動植物などの天然記念物など、文化財の範囲は広い。
▽有形文化財の中でも重要なものを重要文化財、さらに大事なものを国宝とするなど、国の文化財保護の仕組みは2段重ねになっている。 |
(2006年5月20日)
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