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各務滋記者(朝日新聞社会部)
この四月に小学生と中学生がいっしょに通う学校ができたんでしょ。
よく知ってるね。「小中一貫校」というんだ。中学生と高校生がいっしょに通う「中高一貫校」もあるよ。戦後六十年近くかわっていない「六・三・三」の区切りがいいのかどうか、新しい形の学校をつくってためしているんだ。
六・三・三?
小学校は六年間、中学校が三年間、高校が三年間と決められた、公立の学校制度「六・三・三制」のことだよ。
小中一貫や中高一貫が増えてつまずきを少なく
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ことしの春に開校した小中一貫校「日野学園」。4・3・2の区切りで小中学校の学習をします=東京都品川区で
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ジャン 小中一貫校ってどんな学校?
――たとえば、東京都の品川区にできた「日野学園」は、九年間を「四・三・二」の三つの区切りに分けているよ。
四年生まではふつうの小学校とそうかわらないけど、五年生からは、「教科担任制」といって、たとえば算数は算数専門の先生が教える。八、九年生は、自分が興味を持ったテーマを自分で勉強できる授業がふえる。九年生は、大学生みたいに卒業論文も書くんだって。
ケン どうしてそういう学校をつくったの。
――品川区の教育委員会の人は「小学校と中学校の間には大きな段差があるけど、それをもう少しなだらかにつなげる工夫です」と説明してくれたよ。
小学校から中学校に上がると授業が急にかわる。小学校は担任の先生が四教科をひとりで教えるけど、中学は教科によって先生がちがう。小学校にはない英語の授業も始まる。だから、とまどう子が出てくるんだ。
ポン そうなの。
――文部科学省が教育にくわしい人を集めて開く中央教育審議会(中教審)という会議でも、小学校と中学校の区切りを見なおす議論があるよ。ひとつの理由は、いまの子どもたちが昔の子より成長が早くなったからなんだって。
ポン どういうこと?
――「思春期」って聞いたことあるかな。心や体の、子どもと大人の境目の時期だよ。昔は中学に入るころにむかえるといわれていたけど、最近の子は小学校高学年ごろに早まっているんだって。
小学校の間でも、四年生ごろに教科の好ききらいが分かれてくるといった成長の「切れ目」があるといわれている。
だから、実態に合わせて学校の区切り方もかえたほうがいいという意見も出てきたんだ。
ケン 小中一貫校って、品川区にしかないの。
――いや、国が指定する「研究開発学校」は、全国十六の都道府県に二十三校あって、「四・三・二」のほかに「五・四」という区切り方の学校もあるよ。
ジャン 友だちは来年、公立中高一貫校を受けるんだ。
――人気だよね。競争率が十倍近い学校もあるよ。入学者選ばつのある中高一貫校は、小中一貫校よりも多く、全国に六十校近くある。
ケン どういういいところがあるの。
――いろいろなことを感じやすくて不安定な思春期に、高校入試を受けなくていいから、心の負担がへるし、部活動や学校の勉強にも打ちこめるよね。
もともと私立には中高一貫校があって、高校入試がない分、授業が早く進むから、大学受験にも有利だといわれてきたんだ。ただ、高校入試がないから中三で中だるみしてしまう、という欠点もあるというよ。
ケン ほかの国でも六・三・三なの?
――そうでもないんだ。アメリカは州によって「六・三・三」か「八・四」「六・六」のだいたい三種類があり、義務教育の年数も九〜十二年に分かれる。
イギリスは義務教育が五〜十六歳の十一年間で、小学校と中学校の年数の分け方で一番多いのは「六・五」。フランスの場合は「五・四」。韓国は日本と同じ「六・三」。中国は地方によって「六・三」と「五・四」があるんだって。
ジャン 国によって、いろいろなのね。
――日本の中教審でも「義務教育の始まりを五歳からにできないか」とか「高校も義務教育にできないか」という議論もある。義務教育の長さも、いつかいまの「九年間」からかわることがあるかもしれないね。
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【きょうのポイント】
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▽日本の学校制度は、小学校6年、中学校3年、高校3年の「6・3・3制」。最近、この区切りをかえる、中高一貫校、小中一貫校が出てきている。
▽公立の中高一貫校は全国に約60校。高校受験の負担がない、大学受験に有利といわれるが、中3で中だるみするというマイナス面も。
▽公立の小中一貫校は二十数校。小中の段差がなだらか、大人と子どもの境目・思春期をうまくのり切れる、などの効果が期待できる。 |
(2006年4月22日)
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