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●「食育」って何?●

高橋 福子記者(朝日新聞生活部)
ジャン

 「食育」ということばをよく聞くけれど、どういうことなの?

ポン

 何か食べることに関係があるんじゃないかな。

高橋 記者

 その通り。食育とは、きちんとした食生活を通して、健康な体とゆたかな心をはぐくもうということ。

ケン

 去年、法律ができたんでしょ。

高橋 記者

 そう、食育基本法っていうんだ。その法律にもとづいて、何をするべきか国がまとめたのが「食育推進基本計画」で、4月からスタートしたよ。これからは毎年6月が「食育月間」、毎月19日が「食育の日」となるんだ。

きちんとした食生活を通し体と心を育てる

朝食食べない子をゼロに
学校給食に地元の食材を

 



地元でとれたカツオをさばくようすを見て、食について学ぶ授業。食育では、地域の食材が大事な教材になります=愛媛県愛南町の東海小で

 ケン どうして国は、計画を立ててまで食育に力を入れているの?

 ――いそがしい毎日を送っているなかで、朝昼晩と1日3回食事をとることができなかったり、栄養バランスがかたよった食事をしたりして、太りすぎややせすぎ、高血圧や糖尿病などの病気にかかる人がふえ、問題になっているからなんだ。

 ポン ぼくたちは、ご飯は1日3回ちゃんと食べているよ。

 ――みんながそうならいいんだけど、小学5年生のうち4パーセント(%)は、ほとんど朝食をとらないんだ。20代、30代の男性だともっと多くて、20%をこえる。計画では、朝食を食べない子どもをゼロに、大人の割合もへらそうという目標をかかげているよ。

 ジャン 食事のどんなことに気をつけたらいいの?

 ――いまは、あぶらっこいものを食べすぎたり、野菜が足りなかったりする傾向があるから、国は食事バランスガイドを参考にした食生活を送るようすすめているよ。ご飯やパンなどの主食、野菜などの副菜、肉や魚などの主菜、そして乳製品、くだものをバランスよくとることが大事だ。
 あふれるぐらいたくさんある食べ物についての情報から正しい情報をえらびとる力も大切だね。

 ケン ほかにどんな目標があるの?

 ――地元でとれる野菜や魚などの「地場産品」を学校給食にもっと利用することがもりこまれている。身近な食材にふれることで、地域の自然や文化などを知るきっかけにしようというねらい。
 地場産品の使用割合は、2004年度は全国平均で21%だったけれど、10年度までに30%以上になるよう努力していくんだって。

 ジャン ほかに子どもにかかわりが深いことはある?

 ――どうやって野菜などをつくり、収穫するのかを体験できる場所もふやそうとしているよ。子どもたちが農業体験を通して、食物についての知識を広げ、感謝の気持ちを持ってくれることを期待しているんだ。

 ケン 学校の先生が「日本は食べるものを自分たちでつくる力が弱い」っていってたけど。

 ――そうなんだ。自分の国で食べる食料をどれだけ国内でつくっているかは「食料自給率」というんだけれど、日本は40%で先進国の中でも最低レベル。これでは、災害などで海外から食料が入ってこなくなったときにこまってしまう。食料自給率のアップも計画にもりこまれているよ。

計画実施は地域の役割大
家族みんなで食事作ろう




 ジャン ところで、計画はどうやって実施されるの?

 ――都道府県や市町村も国の計画をもとに、食育を広げるための地域の事情に合った計画を立て、子どもたちへの教育方法を考えたり、イベントを開いたりする。だから、国民により近い都道府県や市町村の役割は大きいんだ。ただ、どれだけお金や熱意があるかによって、取り組みに差が出てくる可能性もあるよ。

 ポン むずかしいことはわからないけれど、ぼくは家族そろってご飯を食べるのが楽しいな。

 ――家族で台所に立ち、食卓をかこむのは、一番身近な食育の場だね。ただ、買い物やお料理、後片づけをお母さんにまかせっきりにしていない? お父さんやお兄ちゃん、お姉ちゃんと力を合わせ、家族みんなで食事をつくって食べることが大切なんだよ。

【きょうのポイント】
 ▽きちんとした食生活を通して健康な体とゆたかな心を育てるのが「食育」。かたよった食事が生む病気、食料自給率の低下などを食いとめるねらいがある。
 ▽国は今月「食育推進基本計画」をスタート。朝食をとらない子どもをゼロにする、学校給食に地場産品を使う率を高める、などの目標がもりこまれている。
 ▽計画の実施には、都道府県や市町村などの地方自治体の役割が大きい。地域によって取り組みに差が出る可能性も。

(2006年4月9日)

 


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