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竹園 隆浩記者(朝日新聞スポーツ部)
荒川静香選手がフィギュアスケートの女子で金メダルをとったトリノ五輪はよかったわね。
ぼくもテレビで見たよ。でも、同じイタリアのトリノで、十日から別のスポーツ大会がまた開かれてるって聞いたけど。
体や目の不自由な人たちの大会で、五輪と同じように四年に一回、世界中から集まってメダルをめざす「パラリンピック」っていうんだ
パラリンピックって、どういう意味?
体の不自由な人が競う「もうひとつの五輪」
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スレッジとよばれる専用のソリを使うアイススレッジホッケー〓写真左、〇五年十二月、長野県で。特別な機能のついたスキー板やストックを使う、アルペン座位の競技〓同右、二月、長野県で。トリノでは、これらをふくめ四競技できそいます
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――もともとは「Paraplegic Olympic」といって、両足にまひがある車いすを使う人たちの五輪という意味だった。だけど、いまはすべての障害者が参加する国際大会だから、もうひとつのという意味の「Parallel」と、五輪の「Olympic」の単語をかけ合わせて、「もうひとつの五輪」という意味で使っている。
ケン 手足や目の不自由な人たちもスポーツをするんだね。
――もともとはリハビリなどの治療から始まった。そこから、徐々に患者が自分たちで競技をするようになった。だって、障害のある人たちが体を動かすのはとても大変だけど、楽しいからね。
ジャン 大会はいつ始まったの?
――パラリンピックの表現を公式に使うようになったのは、一九八八年のソウル夏季大会から。でも、その前の歴史は古い。四八年ロンドン五輪の開会式の日に、郊外の病院で男女十六人が参加した車いす患者のアーチェリー大会が開かれた。戦争でけがをして軍隊をやめた人たちだったけど、これが原点といわれている。
正式な夏の第一回大会は六〇年ローマ。以来二〇〇四年アテネまで夏は十二回開かれた。冬の大会は七六年のスウェーデン・エーンシェルドスピークが始まり。トリノは九回目で三十九か国から約五百人が参加する。
ポン 日本の選手も出るの?
――もちろん。今回は海外の冬の大会ではもっとも多い四十人が参加する。日本では九八年に長野でパラリンピックがあった。そのときは地元だったし、過去最多の七十選手が出てメダルを四十一個もとった。でも、前回〇二年ソルトレークでは銅メダル三個。今回は最大で九個のメダルをねらっている。
ジャン 競技はどんなもの?
――トリノで行われるのは四競技。滑降、スーパー大回転、大回転、回転の四種目がある「アルペンスキー」、クラシカルとフリーのある距離と、フリー走行と射撃を組み合わせたバイアスロンのある「ノルディックスキー」。それから、スレッジとよばれる専用のソリを使ってアイスホッケーをする「アイススレッジホッケー」と「車いすカーリング」だ。日本からは、初めて採用されたカーリングをのぞく三競技に選手が出場する。
ポン 新しい競技ができたんだね。
――それと今回、大きくかわったのがアルペンとノルディック。障害の種類や度合いによる細かいクラス分けをなくし、立った状態の立位、すわった状態の座位、目に障害のある視覚障害の三つに統一したんだ。
でも、障害のある人はその部分や程度によって運動能力に差が出る。このため、不公平さをなくす手段として、トリノでは実際のタイムに障害の度合いによって決められている割合をかけて、計算したタイムを出す。これで順位を決めるんだ。
ケン どうして、そんなやり方にしたの?
――クラスがたくさんのままだと、四、五人しか出ないクラスでも金メダルをとる人がいる。それでは本当に世界一というのはおかしいんじゃあないか、って声が出たんだ。だから、大勢の選手できそう形にして、そこでメダルをとった選手はえらい、って形をとることにした。何しろ「もうひとつの五輪」だからね。
ポン どんなところを見たらいい?
――選手たちが、障害のない人に負けないくらいのがんばりを見せてくれる。その一生懸命ぶりは、テレビなどからかならずつたわると思うよ
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【きょうのポイント】
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▽パラリンピックは、体や目の不自由な人たちが参加する「もうひとつの五輪」。五輪のあとに同じ都市で開かれる。冬季は9回目。
▽冬季の競技にはアルペンスキー、ノルディックスキー、アイススレッジホッケー、車いすカーリングの4競技がある。今回は39か国から約500人、日本からは40人が参加。
▽スキー競技は立位、座位、視覚障害の3クラスがある。障害の部分や程度によって決められている割合を実際のタイムにかけて順位を決めるなど、公平になるよう工夫している。 |
(2006年3月11日)
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