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堀内 隆記者(朝日新聞外報部)
フィリピンで大きな地すべりがあったって、ニュースで聞いたよ。
たくさんの人が亡くなったんだよね。
そう。フィリピン・レイテ島のセントバーナード市で二月十七日におきた地すべりで、百人以上の人が亡くなり、二週間たっても千人近くの行方がわからないままだ。
地下に断層、いつもの四倍の雨が引きがねに
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山のすそ野にある町うまる
小学校など約千人が犠牲に
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どろがやわらかくて大きな機械を入れられず、手作業で行方不明者をさがした救助隊。後方が地すべりを起こした斜面=2月18日、フィリピン・レイテ島で
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ポン 地すべりって何?
――みんなの足もとの地面は、いろんな種類の土や石がつみ重なってできている。スポンジケーキとクリームが重なったショートケーキみたいな感じ。山の斜面のようにななめになっている場所で、地面の上の層が何かの理由ですべり落ちるのが地すべりだ。今回、地すべりが起きたギンサウゴン地区は、山のすそ野の町がどろにうまり、その厚さは三十メートルとも四十メートルともいわれているよ。
ジャン 小学校もうまったと聞いたけど。
――山に一番近いところにあった小学校で、子どもたち約二百五十人が生きうめになった。ショベルカーのような大きな機械を入れると、どろにしずんでしまうので、助け出す作業の多くは手作業なんだ。最初のころは、生きうめになった子どもたちや先生から携帯電話で助けをもとめるメッセージがとどいていたという話もあったけど、それもとだえた。
ケン 死んじゃったの?
――助け出す活動は、二十五日に打ち切られた。いまも行方がわからない約千人の人たちは、助かりそうにない。
ポン かわいそう。
ジャン どうしてこんなことになったの?
――フィリピンではことし、いつもの年の四倍の大雨がふっていた。土に水をまぜたらどろどろになるのと同じで、地中に雨がしみこんで、すべりやすくなっていたのだろうね。それに、現場の地下には「断層」とよばれるわれ目がたくさんあった。だから、「いつ地すべりが起きてもおかしくなかった」という人もいる。
ポン そうなの?
――実際、フィリピンでは地すべりがよく起きていて、一九九一年には同じレイテ島で、八千人が死んだり行方がわからなくなったりしたこともあったんだ。
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木の切りすぎも原因の説も
日本には「地すべり防止法」
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ケン お父さんが「木を切りすぎたからだ」っていってたけど?
――それも原因のひとつじゃないかといわれている。フィリピンは熱帯地方にあって、むかしは森がたくさんあったんだ。木は土にしっかり根をはるから、ななめの土地でも地面が土が流れないように、食い止めてくれていた。
ジャン それを切ったの?
――四十年くらい前から、家を建てる材料に使うために、どんどん木が切られて売られていったんだ。あんまり切りすぎて、「フィリピンを飛行機の上から見たら、はげ山だらけだ」という人もいる。日本もむかし、フィリピンからたくさんの材木を買っていたんだよ。
ポン 日本も関係してるの?
――今回の地すべりがどうして起きたのか、調べるのはこれからで、木を切りすぎたことが原因かどうか、まだわからない。でも、ゆたかな森をどうやって再生するかは、これから先の災害をふせぐためにも、フィリピンだけじゃなく、日本や世界がいっしょに考えないといけないね。
ジャン うちの近くにも山があるわ。あんな地すべりが起きたらこわい。
――山のそばがかならずあぶないわけじゃないよ。土地の性質などによって、地すべりが起きやすい場所とそうでない場所がある。日本では地すべり防止法という法律があって、起きやすい場所には対策工事をすることになっているよ
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【きょうのポイント】
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▽地面は、いろいろな種類の土や石がつみ重なってできている。山の斜面などで、地面の上の層が何かの理由ですべり落ちるのが地すべり。
▽フィリピン・レイテ島の現場の地下には、断層がたくさんあった。そこへ、いつもの年の4倍の雨がふったことが地すべりの原因とみられている。家を建てる材料に使うために、木を切りすぎたことも一因ではないかとの声もあがっている。
▽土地の性質などによって、地すべりが起きやすい場所とそうでない場所がある。日本では、地すべり防止法があり、発生しやすい場所は対策工事をしている。 |
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(2006年3月4日)
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