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●松坂投手、アメリカへ●

村上 尚史記者(朝日新聞スポーツ部)
 
ケン

 西武ライオンズの松坂大輔投手の大リーグ入りが決まりそうなんだって?

村上 記者

  日本でも「怪物」といわれた投手。アメリカのいくつもの球団の争奪戦の末、ボストン・レッドソックスが入団の独占交渉権をえた。入団が決まるのはこれからだけど、早くも活躍が期待されているんだ。

ポン

 何勝できるかなあ。

ジャン

 レッドソックスは、どんなチームなの?

ポスティングシステムで夢の大リーガーに

レッドソックスが交渉権
ボストンが本拠地の名門

 


 

ことし3月のWBCでは日本のエースとして活躍した松坂投手。レッドソックスでもエースになるのではと期待されています

 ――松坂投手は10歳のころから、いつか大リーグでプレーしたいとあこがれていたそうだ。ことしで26歳。自由に好きな球団に移籍できるフリーエージェント(FA)権をえるのは、早くても2年後だった。だから、ポスティングシステム(入札制度)で、大リーグ入りを目指したんだ。

 ケン どんなシステムなの?

 ――「松坂投手に入団をおねがいする交渉の権利」を、大リーグの球団が西武から買う制度なんだ。松坂投手をほしい球団は、交渉の権利をいくらで買うかを申し出る。ほかの球団がいくらはらうかを事前に知ることはできない。一番高いお金をはらうと申し出た球団が、松坂投手と入団してくれるかどうか交渉する権利を手に入れる。

 ジャン 手に入れたのがレッドソックスね。

 ――レッドソックスの5101万ドル(約60億円)が最高額だった。このシステムでの過去の入札額の最高は、イチロー選手(シアトル・マリナーズ)の1312万5000ドル(2000年当時約14億円)、石井一久投手(ロサンゼルス・ドジャースなどをへて、いまはヤクルト)の1026万4055ドル(2002年当時約15億円)。松坂投手はこれらを大きく上回り、史上最高額になった。

 ポン すごーい!

 ――レッドソックスは、30日間の期限内に、松坂投手に入団してもらえるよう交渉する。松坂投手は代理人(選手のかわりに契約の交渉をする専門家)を通して、球団側と年俸などの契約条件を話し合うよ。

 ジャン レッドソックスって、人気があるの?

 ――マサチューセッツ州ボストンに本拠をおき、アメリカンリーグ(ア・リーグ)が発足した1901年から参加している伝統球団だ。1903年の第一回ワールドシリーズ(大リーグのシーズンの王者を決める戦い)を制し、これまで六度ワールドチャンピオンにかがやいている。歴代最多511勝をあげたサイ・ヤングら多くの名選手を出している。

ゴジラとの対戦楽しみ
エースの可能性も十分

 

 

 ケン 松井秀喜選手と対戦するの?

 ――うん。松井選手のいるニューヨーク・ヤンキースと同じア・リーグ東地区に所属。レッドソックスとは1920年代からライバル関係にあり、はげしい優勝争いをしてきた。この2チームの対戦となると、ファンも熱狂的。日本の巨人対阪神みたいなものかな。
 イチロー選手のマリナーズも同じリーグだし、対戦が楽しみだね。

 ジャン パパから球場がとてもきれいと聞いたけど。

 ――レッドソックスの本拠地のフェンウェイ・パークは1912年開場で、いまのこっている中で最も古い大リーグの球場だ。左翼(レフト)に「グリーンモンスター」とよばれる高さ11.3メートルの巨大フェンスがあるのも特徴だよ。

 ポン 松坂投手は活躍できる?

 ――「年間25勝してもおかしくない」という大リーグの監督もいる。150キロをこす速球と多彩な変化球を持つ投手は世界にもそういない。日本代表が優勝したことし春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、最優秀選手にかがやいた実績も大きい。

 ケン エースになれる?

 ――レッドソックスは、今季大リーグ30球団で26位のチーム防御率(1試合〓9イニング〓あたりの失点)4.83。松坂投手が入団したら、先発投手の中心的役割をまかされる可能性は十分ある。ただし、大リーグは年間百62試合ある。長距離移動もあるし、体調の調整がカギになる。

 ジャン どんな投球を見せてくれるか、来年の春が待ち遠しいわ。

【きょうのポイント】
 ▽大リーグ挑戦を表明したプロ野球・西武の松坂大輔投手が、移籍するために利用したのがポスティングシステム(入札制度)。「松坂投手に入団をおねがいする交渉の権利」を、大リーグの球団が西武から買うしくみで、一番高いお金をはらうと申し出た球団が権利を手に入れる。
 ▽交渉権は、ボストン・レッドソックスが獲得した。入札額は、これまでの日本人選手で最高の5111万ドル(約60億円)。
 ▽レッドソックスはアメリカンリーグが発足した1901年から参加している伝統球団で、これまで6度ワールドチャンピオンにかがやいている。150キロをこす速球や多彩な変化球を持つ松坂投手は、先発投手の中心になる可能性がある。

(2006年11月25日)


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