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根本理香記者(朝日新聞政治部)
新しく首相になった安倍晋三さんは、教育に力を入れるといっているんでしょ。授業時間がふえるのかなあ。いやだなあ。
その可能性はなくもないね。くわしいことは「教育再生会議」というところで、これから話し合って決めていくらしいよ。
教育再生会議? 初めて聞く名前だな。
「学力向上」かかげ教育改革の具体案論議
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| 教育再生会議の初めての集まりに出席した安倍晋三首相(中央)と座長の野依良治さん(右からふたり目)ら=18日、首相官邸で |
――10月に入ってできたばかりの会議だからね。これまで教育といえば、文部科学省という国の役所が中心になって、国としての方針や制度を決めていた。でも、安倍首相が目指す教育改革をより早く具体化させようと、この再生会議は首相の日ごろの仕事場である官邸におかれたの。「官邸主導」で進めようというねらいなんだ。
ケン どんな人たちが会議のメンバーなの。
――首相はもちろんのこと、政治家や役人ではない、民間の人が17人えらばれた。まとめ役である座長は、ノーベル化学賞受賞者の野依良治さん。ほかにも学者は4人いる。教育長や学校の先生もいるし、トヨタ自動車会長やJR東海会長ら大企業の経営者や、シンクロナイズド・スイミングの元オリンピック選手の小谷実可子さん、劇団四季の代表の浅利慶太さんといった人たちも入っている。
ジャン 教育の専門家ばかりじゃないんだね。
――そう。いろいろな分野の個性派を集めたという感じね。首相は最初の会合のあいさつで、「わが国の英知(すぐれた知恵)を結集したものになった」と胸をはっていた。ただ、教育に対する考え方や主張が首相と一致している人ばかりじゃないから、意見がまとまらないんじゃないかって気にかける人もいる。
ケン 教育といってもいろいろあるだろうけど、テーマは決まっているの。
――首相が第一の課題にかかげるのが「学力向上」。昔にくらべてへってしまっている授業時間をとりもどして、とくに国語や算数、理科の基礎学力を徹底的に教えなくちゃいけないっていってるんだ。
ジャン うわぁ、やっぱり。算数が苦手だから文句はいえないけど。
――先生の資格に有効期限をつける教員免許更新制や、学区に関係なく自由に学校をえらべる学校選択制なども議論される予定。首相がとり入れることに前向きな教育バウチャー制度も検討されそうなんだ。
ポン なあに、バウチャーって。
――利用券という意味ね。子どものいる家庭がバウチャーを受けとり、公立、私立を問わず通いたい学校をえらんでバウチャーを提出。学校はバウチャーの枚数に応じて、国や自治体から補助金を受けとる、という仕組みなんだ。
ケン その仕組みをとり入れると、いいことがあるの?
――より多くの子どもを集めた学校ほど資金が豊富になるため、学校間の競争によって教育の質が高まるという期待がある。一方で「そんな選択ができるのは学校がたくさんある都会だけだ」「人気のある学校とない学校の差が広がって、地域社会をこわしかねない」といった反対意見も多いんだ。
ポン むずかしい話が多いんだなあ。
――そうだね。最近とくに深刻になっている「いじめ」による自殺の問題についても、再生会議で話し合ってほしいと首相はいっているよ。
ケン 会議の結論はいつごろ出るの。
――来年1月には最初の中間報告、国の予算の基本方針が決まる6月の前には2回目の中間報告、2008年初めに最終報告をまとめる予定。
ただ、報告書がまとまっても、すぐに実現できそうなものと時間のかかるものがありそう。たとえば、教員免許の更新制は、すでに文部科学省が法案づくりを進めているけど、再生会議メンバーからは「だめな先生をやめさせるには、これでは不十分」と見なおしをもとめる意見も出ていて、最終的にどう調整するのかも注目されているんだ。
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【きょうのポイント】
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▽安倍首相が重要課題とする教育改革について話し合う教育再生会議が、10月からスタートした。より早く具体的にするため、会議は文部科学省ではなく、首相官邸で行われる。
▽安倍首相のほか、学者や学校の先生、大きな会社の経営者、スポーツ選手ら民間人が17人参加している。まとめ役はノーベル賞を受賞した科学者の野依良治さん。
▽一番の課題は、国語や算数などの基礎学力を高めること。教員免許更新制、学校選択制、教育バウチャー制度、いじめの問題についても考える。最終的なまとめは2008年初めになる予定。 |
(2006年10月27日)
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