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益満 雄一郎記者(朝日新聞経済部)
国の借金がたくさんあって大変だと聞くけど、国も借金をするんだね?
そうだよ。国はみなさんのお父さんやお母さん、会社などがおさめる税金で運営されている。だけど、それだけではお金が足りないので、国民や金融機関などから借金をしておぎなっているんだ。
ぼくも買い物をするときに消費税をはらっているよ。子どもだって、税金をはらっているんだい!
ごめん、ごめん。子どももりっぱな納税者だ。だから国の財政について、きちんと勉強しなきゃいけないよ。
世界一の「借金大国」、消費税上がる可能性も
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イラスト・林美香誇
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ケン 借金ということは、いつか返さないといけないんだよね?
――もちろん。政府は国の借金をへらそうと努力しているけどふえるばかり。きみたちが大人になったとき、いろんな問題が出てくる。
ジャン そもそも国の借金はいくらあるの?
――約827兆円だよ。借金は年々ふえていて、ことし六月末時点で過去最高を更新した。日本は世界一の「借金大国」なんだ。だけど、税金などの収入は約46兆円しかないから、毎年、それを全部返済(返すこと)に使ったとしても、借金をゼロにするためには18年近くもかかるんだ。
ポン うーん、数字が大きすぎて、よくわからない。
――1万円札でつみ上げると高さは約8270キロ。横にたおして赤道上にならべると、地球一周の約5分の1にあたる。お年よりから子どもや赤ちゃんまで国民ひとりあたりの借金は、約647万円なんだ。
ケン えっ、ぼくのおこづかいは月800円なのに……。どうして、こんなにふえたの?
――理由は大きく分けると、ふたつある。日本はこの10年ほど景気が悪かった。たくさんの会社がつぶれたうえに、従業員の給料もへったから税金の収入(税収)がへった。一方で、お年よりが長生きをするようになったので、医療や年金に必要なお金もふえた。
ジャン つまり国に入るお金はへったのに、出ていくお金がふえたということね。
――その通り。政府が借りているのは現金(実際のお金)より「国債」が多くて、全体の約8割をしめるんだ。国債とは、政府が将来、利子をつけて返すと約束した証明書のこと。これを国民や銀行などの金融機関に買ってもらって、お金を集めている。期限をむかえると、お金を返さなきゃいけない。
ケン 国の借金がふえると、国民はどうしてこまるの?
――借金を返すのにあてるお金がふえてしまうので、教育や福祉、道路の整備などに使えるお金が少なくなってしまう。それに、老後に国からもらえる年金がへるんじゃないか、と心配する人がふえ、お金をできるだけ使わずに貯金する傾向が出てくる。その傾向が強くなると、物が売れなくって、景気が悪くなる。
ポン 国はどうやって借金をへらそうとしているの?
――国の赤字は年間約30兆円ある。政府はまず、公共事業など出ていくお金をおさえることを決めた。そのうえで税収をふやすつもりだ。でも借金があまりにも多いので、目標の達成はかんたんじゃないんだ。
ジャン えっ、消費税も上がるの? いやだな。
ポン お菓子や文房具が高くなると、こまるよ。
――来年七月に参議院の選挙がある。多くの政治家は、選挙で負けたくないので、消費税の議論を先送りしたいと思っている。選挙後に税率を何パーセント(%)に引き上げるか議論するけど、いまの5%が10%に上がるという見方もあるよ。
ケン おこづかいはふえないのに、税率が2倍になると大変だ。
――みんなのような子どもや給料が少ない人ほど、税率引き上げの影響は大きい。増税前に国が税金のむだづかいをしていないか、しっかりチェックするべきだね。
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【きょうのポイント】
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▽国は税金で運営されているが、足りない分は、国民や銀行などから借金をしておぎなっている。国の借金は約827兆円。お年よりから赤ちゃんまで国民ひとりあたりの借金は約647万円になっている。
▽借金がふえたおもな理由は、この10年ほど景気が悪く、たくさん会社がつぶれたことや、お年よりが長生きするようになって、医療や年金に必要なお金がふえたこと。
▽借金がふえると、教育や福祉などに使えるお金が少なくなるし、貯金する傾向が強くなって物が売れなくなる。国は税収をふやすなど対策を考えているが目標の達成はむずかしい。 |
(2006年10月7日)
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