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坂上 武司記者(朝日新聞名古屋報道センター)
トリノ五輪が二月十日から始まるね。
わたしはフィギュアスケートが楽しみ。とくに女子。日本は強い選手ばかりで、代表をえらぶのがたいへんだったんでしょう。
浅田真央、安藤美姫といった人気選手以外にも、じょうずな選手が何人もいることにおどろいたでしょう?
でも、真央ちゃんは五輪には出られないんだよね。
五輪には、だれが出場するの?
強化合宿で才能ある子をじっくり育てる
――トリノ五輪に出場する女子フィギュアの選手は三人。荒川静香選手と村主章枝選手は二度目、安藤選手は初めての出場だ。今回は、一九九二年にアルベールビル五輪(フランス)で伊藤みどり選手が銀メダルをとって以来のメダルの期待がかかっているんだ。
ケン 何でこんなに強くなったの?
――日本の強さの秘密のひとつは「日本スケート連盟」が夏に行う長野・野辺山での強化合宿にあるといわれている。始まったのは九二年。九八年の長野五輪に向け、才能のある子どもを見つけてじっくり育てようということで始まった。
その最初の世代がトリノにも出場する荒川選手。今回代表をあらそったほとんどの選手がこの合宿を経験し、その後は国内外の優秀なコーチのもとで強くなっている。女子の代表三人はいずれも外国のコーチの指導を受けた経験がある。
ポン その合宿のおかげなの?
――もともとフィギュアはアジア系の女性に向いているという意見もある。大柄なヨーロッパやアメリカの人にくらべて、日本人は小柄だよね。氷の上をとんでクルクル回るジャンプをするには「ちょうどバランスのとれた体」と話す外国人コーチもいるぐらいなんだ。
トリノ五輪に出場するアメリカのエース、ミシェル・クワン選手は中国系、アルベールビル五輪金メダルのクリスティ・ヤマグチ選手は、アメリカに住む日系人だったね。
ジャン わたしは真央ちゃんファンなの。何で五輪に出られないの?
――そう、浅田選手は世界のトップが集まるグランプリファイナルで優勝したが、五輪には出られない。十五歳という「年齢」が引っかかるんだ。
ケン どういうこと?
――スケートのルールを決めているのが「国際スケート連盟(ISU)」という団体。そのISUが、五輪の出場年齢を決めている。スケート界は七月一日がシーズンの始まりで、その前日までに十五歳になっていない選手は、そのシーズンの五輪と世界選手権には出場できない、としているんだ。
浅田選手は九〇年九月二十五日生まれ。あと八十七日早く生まれていれば、トリノに出場できたかもしれないんだ。
ジャン 何でそんなきまりがあるの?
――年齢制限はいろいろな理由があってつくられている。たとえば、ものすごく才能のある小学生がいたとするよ。五輪のために毎日毎日はげしい練習がつづく。そうすると、のびざかりの体に大きな負担がかかって、けがをするかもしれない。世界中が注目する五輪では精神的にも負担がかかる。ISUはこうした健康上の問題をなくしたい、という考えなんだ。
ポン 残念だね。
――でも、浅田選手の実力は世界中でみとめられていて、海外でも「トリノへ出すべきだ」という意見は多い。浅田選手は「少しは出たいけど、あまり気にしません。二〇一〇年のバンクーバー冬季五輪(カナダ)を目指します」と話しているよ。
ジャン トリノ五輪は、三選手のどんなところに注目したら楽しめるかしら。
――まずは安藤選手。世界で彼女だけがとべる四回転ジャンプを成功できるかどうか。今大会の採点は演技全体の印象ではなく、技のひとつひとつに得点をつけて足していく「足し算方式」。中でも四回転ジャンプは高得点だから、もし決まったら有利だね。
荒川選手、村主選手のふたりは、世界選手権で上位に入る実力者。とくに荒川選手は〇四年世界選手権のチャンピオン。安藤選手がジャンプなら、このふたりは総合力で勝負する。美しいすべりと迫力あふれるスピンに注目してほしい。
ケン 楽しみだなあ。
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【きょうのポイント】
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▽トリノ五輪女子フィギュアスケートに出場するのは、荒川静香選手、村主章枝選手、安藤美姫選手の3人。
▽浅田真央選手は年齢制限で出場できない。年齢制限は、体や精神の負担を考えてもうけられている。
▽1992年から始めたジュニア選手の強化合宿がいまの強さの秘密のひとつ。ジャンプなどがあり、もともと小柄なアジア系選手に有利な種目という意見も。 |
(2006年1月21日)
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