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総選挙はなぜ注目されるの?

津川章久記者(朝日新聞政治部)
ジャン

総選挙のニュース一色ね。

嘉幡 記者

 国民の代表である新しい衆議院(衆院)の議員四百八十人をえらぶ選挙だよ。今月十一日に投票があるんだ。

ケン

 暑いのにみんな大変そう。どうして選挙をするの。

 

投票の結果で政治の方向が決まる

有権者に支持をうったえる候補者=京都府城陽市で(画像を一部、修正)

自民・公明は「郵政」を重視
「他にも大事な課題」と野党

 

 

 ――小泉首相がずっと前から実現したかった郵政民営化法案が参議院(参院)で否決されたため、「国会で否決された法案に国民は賛成かどうか直接問いたい」と衆院を解散したんだ。

 ポン じゃあ、選挙に出る人たちは郵政民営化に賛成か反対かで国民にえらんでもらうの。

 ――単純にそうともいえない。首相をささえる与党の自民党と公明党は「郵政民営化をすべきかどうか、判断してもらう選挙だ」という。でも、せっかく国民の代表をえらぶ機会だから、政党や候補者はもっとたくさんの「争点」をうったえる。

 ジャン どんなことをうったえるの。

 ――たとえば、日本はこれから子どもの数がへっていく。お年よりのくらしをささえる年金制度をどうするか。子育て支援をどうするか。野党第一党(政権をにぎっていない野党の中で一番多い議席を持つ党)の民主党はこの二点を大きな争点にあげている。

 ケン 争点は、ほかにもあるの

 ――たくさんあるよ。サラリーマンがおさめる税金をふやすべきか。借金がかさんでいる国の財政をどう立てなおすか。イラクに派遣されている自衛隊をそのままとどめるべきか、などだ。各党はこうした争点についての考えを「マニフェスト」(政権公約)にまとめている。

ジャン いままで聞いたことのない政党の名前も聞くけど……。

 ――郵政民営化に関係してくる。ふつう政党は自分の党のなかまを「公認候補」として選挙に出すけど、小泉首相は自民党の議員なのに法案に反対した人をゆるさず、自民党の公認候補にしないと決めた。反対した人たちは無所属(政党に属さないこと)になったり、国民新党、新党日本という新しい政党をつくったりして選挙に出た。
 首相はその人たちに対して、自民党から対立候補を立てたんだ。いわばなかま同士のあらそいになるので「分裂選挙」という。全国三百の小選挙区のうち、郵政反対組と与党の分裂選挙は三十三選挙区になる。

「二党で過半数」自民・公明
「政権交代をめざす」と民主

 

 

ポン どっちが勝つの。。

 

 ――わからない。選挙には野党の民主党や共産党、社民党の候補者もいる。特に民主党の岡田代表は「自民党に勝って政権交代をなしとげる」と小選挙区に二百八十九人の候補者を立てた。焦点は分裂選挙の勝敗よりむしろ、自民と民主のどっちが勝つかにあるんだ。

 ケン どちらが強いの。

 ―― これもわからない。衆院が解散したとき、自民党は二百四十九人のなかまがいたけど、郵政法案の反対組三十七人をはずしたから二百十二人になった。いっしょに政権を組む公明党の三十四人と合わせてなかまは二百四十六人。衆院の定数は四百八十だから、いまから六議席以上へると過半数の二百四十議席を切ってしまい、政権をたもてなくなる。

 ポン じゃあ、民主党が有利なの?

 

 ――そうともいえない。民主党は選挙前、百七十七人のなかまがいたが、民主党だけで過半数を取るには六十四議席ふやさないといけない。

 ジャン 自民党の方も、民主党もどっちも勝てないこともあるかもね。

 ――小泉首相は「自民と公明の与党で過半数を維持できなければ退陣する」とはっきりいっている。単独で過半数をめざす民主党の岡田代表も「政権交代できなければ代表をやめる」と話す。どちらも過半数に達しないと、それぞれ新しいなかまをふやして過半数を確保しようとする動きがはげしくなるね。

 

【きょうのポイント】
 ▽政権をになっている与党は、自民党と公明党。そのほかの野党は、民主党、共産党、社民党、国民新党、新党日本。
 ▽総選挙の争点を、与党の自民党と公明党は「郵政民営化に賛成か反対かを問う」といい、野党各党は年金制度や子育て支援など重要な課題はほかにもあるとうったえている。
 ▽自民党は公明党と過半数の議席かくとくをめざし、野党第一党の民主党は政権交代をめざしている

 ポン なんだか大変そう。

 

 ――いずれにしても、総選挙の結果でこれからの日本の政治の進み方が決まるんだ。各政党や候補者が何をうったえ、投票する権利を持つ大人(有権者)がどんな判断をするのか、注目しようね。

 

(2005年9月4日)


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