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日本はなぜ地震が多いの?

 

嘉幡久敬記者(朝日新聞科学医療部)
ケン

八月十六日に宮城県沖で強い地震があったね。けが人も出たよ。

嘉幡 記者

 気象庁は震度6弱と発表した。去年十月には新潟県中越地震、ことし三月には福岡沖地震などもあったし、気をつけないとね。

ジャン

 地震はどうして起きるのかしら?

 

四枚のプレートの境目が集まっているから

8月16日の地震で、天井のパネルが落ちたスポーツ施設の屋内プール。たくさんのけが人が出ました=宮城県仙台市泉区で

世界でもめずらしい地形
ひずんで戻る力が震源に

 

 

 ――地球の一番外側の地面や海底は、十数枚のプレート(岩板)でおおわれているんだ。プレートは年に一〜十センチぐらいずつ動いていて、たがいにぶつかりあったり、となりのプレートの下にもぐりこんだりしていて、このときプレートのはしっこに力がかかって、ひずむ(ゆがみができること)。この力がもとになってプレートの弱いところがこわれて起きるのが地震だ。過去に大地震が起きた場所を世界地図にかきこむと、多くがプレートの境界線にそって起きたことがわかるんだよ。

 ジャン 何で日本に多いの。

 ――太平洋プレート、北米(米はアメリカのこと)プレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレートという四枚ものプレートの境目に位置しているからだ。こんな場所は世界でもめずしい。

海のプレートが陸のプレートの下にもぐりこむとき、陸のプレートが引きずられてひずみができる。このひずみをなくそうとプレートがはね返って起きるのがプレート境界型地震

 ケン 宮城県沖での地震もプレートの境目で起きたの?

 ――そう。海のプレート(太平洋プレート)と、日本列島ののった陸のプレート(北米プレート)の境目で起きた。太平洋プレートがもぐりこむにつれて北米プレートのはじが引きずられ、ひずみがどんどん大きくなり限界がくると元にもどろうとして、はね返る。それで地震が起きる。このようなタイプを「プレート境界型地震」というんだ。ほかに、内陸で起きる「活断層型」の地震もある。活断層は陸地に入った古傷で、十年前に起きた阪神大震災などはこのタイプだった。

 ジャン 今回のは大きな地震だった?

 ――地震の大きさをあらわす数字にマグニチュード(M)があり、地震そのもののエネルギーをあらわしているんだけど、今回はM7・2だった。日本では過去にM8以上の地震が何度も起きている。数字が1ちがうと、エネルギーはおよそ三十二倍もちがうんだよ。

 

津波や「液状化」でも被害
予知は難しく備えが大切

 

日本のまわりには4つのプレートの境目がある。このため地震が起きやすい
 

 ケン 震度6弱ってどのくらいのゆれなんだろう。

 ――マグニチュードが地震そのもののエネルギーの大きさをあらわすのに対して、震度はゆれの大きさをあらわすんだ。同じ地震でも、震源に近いほど震度は大きくなる傾向がある。ほかに、地盤がかたいかやわらかいか、などでも震度はかわるんだ。
 気象庁はゆれの大きさを震度0から震度7まで十段階に分けている。今回の地震の震度6弱は、立っていることがむずかしく、家具がたおれたり、ドアが開かなくなったりするぐらいのゆれだ。震度7になると、木造の家の三〇パーセントがつぶれる。阪神大震災がそうだったよ。

 ポン 震度が大きいほど被害も大きいんだね。

 ―― 一般にはそういえる。だけど、被害の原因はゆれ以外にもあるんだ。たとえば津波。プレート境界型の地震では、海のプレートがはね返るときに海面が持ち上げられ、津波が起きる。ほかに、水分をふくんだ土砂が、ゆれとともにまるで液体のようにどろどろになる「液状化現象」もある。家や大きな建物がかたむいたりするんだ。

 ジャン このごろ、日本では地震が多いような気がするんだけど。

 

 ――首都圏では七月、千葉県北西部を震源に最大震度5強の地震があったばかりだし、そんな印象はあるよね。でも、実際にふえているかどうかは、研究者の間でも意見がわかれている。震度計の数がふえてきて、むかしだったらわからなかった場所で起きたような大きな地震も記録されるようになってきた、という事情もあるんだよ。

 

【きょうのポイント】
 ▼地震にはプレート境界型と活断層型 地球の表面をおおうプレートが、ぶつかったりもぐりこんだりする場所で起きるのがプレート境界型。陸地にある「古傷」で起きるのが活断層型
 ▼地震は日本になぜ多い 太平洋、北米、ユーラシア、フィリピン海という、4つのプレートの境目にあるから。こんな場所は世界でもめずらしい
 ▼マグニチュード(M)と震度 マグニチュード(M)は、地震そのもののエネルギーの大きさをあらわす。ゆれの大きさをしめすのは震度。震源に近いほど震度は大きくなるが、地盤のかたさも関係する

 ポン いつ地震が起きるかあらかじめわかるといいね。

 

 ――科学者たちはむかしから、地震を予知しようと努力してきた。いまも、地盤のごくわずかな動きをはかったり、地下水の水位や動植物の変化などを観察して地震が起きるきざしを見つけようとしているけれど、むずかしいんだ。だから、いつ地震がきてもいいように、建物を補強したり、家具などがたおれないようなくふうをして、被害を出さないようにふだんから気をつけておく必要があるよ。

 

(2005年8月28日)


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