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スペースシャトル飛行の目的は?
野口さんたちが活躍

福島慎吾記者(朝日新聞科学医療部)
ジャン

 スペースシャトル・ディスカバリーで宇宙へとんだ日本人宇宙飛行士の野口聡一さんたちが活躍したね。

福島 記者

 打ち上げから帰ってくるまで二週間、史上初めて宇宙空間でシャトルを修理したり、打ち上げのときも帰ってくるときも故障や天候の影響で予定がおくれたりしたから、何かと注目を集めたね。

ポン

 そもそもスペースシャトルは、何をしに宇宙に行っていたの?

 

宇宙空間で安全点検するのが第一

国際宇宙ステーション(ISS)で、船外活動を行う野口さん(NASA提供)

事故のあと初めて飛び注目
ステーションの部品も運ぶ

 

 

 ――スペースシャトルの仕事を説明する前に、二〇〇三年二月に起きたスペースシャトル・コロンビアの事故を知っているかな?

 ジャン 七人の宇宙飛行士が亡くなった事故だよね。宇宙から帰る途中に爆発したって。

 ――そう。今回はその事故の後、初めての打ち上げだった。大きな目的は、宇宙空間でシャトルの安全点検をすることだったんだよ。打ち上げのときは地上のカメラ、空の飛行機、シャトルのあちこちに取りつけられたカメラがシャトルを撮影しつづけた。

スペースシャトル・コロンビアの事故から約二年半ぶりに打ち上げられたスペースシャトル・ディスカバリー=七月二十六日、アメリカ・フロリダ州で

 ポン シャトルの写真をテレビでたくさん見たもんね。

 ――宇宙では、国際宇宙ステーション(ISS)にいる宇宙飛行士が、シャトルの裏側の写真も撮った。シャトルも、長い棒の先にカメラやセンサーをとりつけたロボットアームという機械で、機体が傷ついていないか、あちこち点検したんだよ。

 ケン ほかにはどんな目的があったの?

 ――無重力の宇宙での実験に使う設備など、ISSにとりつける部品がシャトルにつんであった。ISSはまだまだ組み立ての途中なんだ。ISSで生活しているふたりの宇宙飛行士のために、食料や水、服なども持って行った。シャトルが地球に帰ってくるときは、ISSにあったごみを持ち帰った。約二・三トンもあったそうだよ。

 

宇宙用の修理道具もテスト
断熱材またはがれ落ちて…

 

【ディスカバリー飛行中のできごと】
7月26日 打ち上げ。断熱材がはがれ落ちる
  28日 次回打ち上げの延期を発表
     ISSとドッキング
  30日 1回目の船外活動。修理の技術の
     確認などを行う
8月1日 2回目の船外活動。ISSの姿勢
     をたもつ装置を交換
  3日 3回目の船外活動。はみだした接
     合材をとりのぞく
  6日 ISSから切りはなし
  8日 天候の関係で地球への帰還を延期
  9日 帰る場所を変更して、エドワーズ
     米軍基地に着陸
           (すべて日本時間)
 

 ケン 野口さんは三回も宇宙に出て作業をしたんだよね。

 ――ISSが正しい姿勢をたもつための装置が故障するなどしていて、野口さんたちが直したんだ。そのほか、シャトルが傷ついたときに宇宙で修理する道具が宇宙空間でちゃんと使えるか、実際に使ってみる実験も大切な仕事だったね。

 ジャン 野口さんたちは帰ってきたけど、次の打ち上げをしばらくやめるって聞いたわ。どうしちゃったの。

 ――ディスカバリーを打ち上げるときに、機体の下にある茶色くて太い外部燃料タンクの表面から、断熱材というものがはがれ落ちたのが理由だ。次のシャトルは九月に打ち上げる計画だったけど、とりやめになったよ。

 ケン 断熱材がはがれ落ちたのは、そんなに大変なことだったの?

 

 ――コロンビアの事故原因が、まさにこれだった。はがれ落ちた断熱材が翼の耐熱パネルというものを傷つけていた。シャトルが大気圏に突入するとき、一〇〇〇度以上の高熱からシャトルを守るものだけど、こわれた部分から高熱が入りこんで爆発事故につながった。アメリカ航空宇宙局(NASA)は事故の後、断熱材が落ちないよう対策をとったはずだったんだ。

 

【スペースシャトル】
 1981年に世界で初めて、宇宙との間を何回も往復できるように開発されたロケット。コロンビア、アトランティス、チャレンジャー、ディスカバリーの4機が交代で使われましたが、86年に発射直後の事故でチャレンジャーをうしない、新たにエンデバーがつくられました。2003年にはコロンビアの事故もありました。シャトルで宇宙にとび立った日本人飛行士は、1992年の毛利衛さんが最初。野口さんは、毛利さん、向井千秋さん、若田光一さん、土井隆雄さんにつづき5人目です。

 ポン シャトルがとばなくなったら、どうなるの?

 

 ――ISSの部品を運ぶおもな手段はシャトルだ。シャトルがとばないと、二〇一〇年の完成予定がおくれるかもしれない。日本も「きぼう」という実験用の部品を運んでもらうことになっているけど、予定している実験や研究ができなくなるかもしれないんだ。

 

 ジャン 予定通りに進んでほしいけど、スペースシャトルが安全にとぶことも大切だし……。

 ――NASAは十八日、次回の打ち上げを来年三月四日以降にすると発表した。いつ再開されるかに注目だね。

 

(2005年8月20日)

 


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