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国連改革ってなんなの?

松井 健記者(朝日新聞外報部)
ジャン

 最近、国連のニュースをよく聞く。国連って国際連合のことだよね。

松井 記者

 そうだよ。日本も関係する改革が国連で進められているんだ。G4とかAU、コンセンサス連合といったグループが毎日のように話し合っている。

ポン

 何、それ?

国連のマーク
世界地図を、平和をあらわすオリーブの枝がかこみます

新しい国際社会にふさわしい組織づくり

テロや環境破壊などの難問
改革の中身でいろんな意見

 

 

――まず、国連から説明しよう。国連は、平和をめざしたり、まずしい人をへらしたりする目的で、六十年前に世界の国々が集まってつくった組織だ。もともとは、第二次世界大戦で日本やドイツと戦争して勝ったアメリカやソ連(いまのロシア)、中国などの連合国が中心で、最初は五十一か国だった。その後、アジアやアフリカで多くの国が独立して加入し、いまは百九十一か国が加盟している。

常任理事国入りをめざす4か国とアフリカ各国との外務大臣らの会議が、7月に開かれました。会議後、記者会見をする町村信孝外務大臣(右はし)ら=アメリカ・ニューヨークで、代表撮影

 ケン どんな組織なの?

 ――独立した国家の集まりだから、全加盟国が話し合う総会が中心になる。でも、紛争の起きた地域に平和維持軍を送るなどの重要なことを決めるのは、安全保障理事会だ。

 ジャン 略して安保理ね。

 ――そうだよ。よく出てくる名前だからおぼえてね。ほかに、災害や戦争で苦しむ子どもを助ける国連児童基金(ユニセフ)や、伝染病をなくすなどの活動をする世界保健機関(WHO)など、たくさんの機関がある。世界をより平和で安全にくらせる場所にしようという努力をつづけてきたんだ。

 ケン でも、イラクでは戦争があったし、この間は、イギリス・ロンドンの地下鉄で爆弾テロもあった。

 ――そうだね。世界から戦争やテロはへらないし、病気で亡くなる子どももまだ多い。世界で一番力が強く、安保理の中心メンバーでもあるアメリカが、国連とうまくいっていないという問題もある。そういうこともあって、国連を改革しなくてはという声が出てきたんだ。

 ジャン どういうふうに改革するの?

 ――そこが問題なんだ。改革が必要だという点で多くの国は一致しているけど、中身にはいろんな意見があって、なかなかまとまらない。テロや環境破壊など新しい問題に対応できるようにしようとか、もっと多くの国が決定にくわわるようにしようとか、もっと効率的に決定できるようにしようといった意見だね。

常任理事国入りめざす日本
四か国で活動中…でも多難

 

ポン 日本はどんな意見なの?

――日本政府が必死に取り組んでいるのは、安保理の拡大だ。安保理のメンバーは現在、十五か国。ここで決まったことは、すべての加盟国が守らなければならない。中でも、アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスの五か国は常任理事国といって、ずっとメンバーに入っている。常任理事国は、どこか一か国でも反対すれば国連は何も決められないという強い権限(拒否権)を持っている。ほかの十か国は、二年の任期でえらばれる非常任理事国だ。日本はメンバーをふやして、自分も常任理事国の仲間入りをしたいと考えている。

 ジャン なぜ常任理事国になりたいの?

 ――世界のいろいろなできごとにどう対応するか決める安保理で、大きな役割を果たしたいんだね。それに、国連は各国が支はらう分担金で運営されているんだけれども、日本はアメリカについで二番目に多いお金をはらっているから、それに見合う権限がほしい。

 ポン 仲間入りできるの?

――まだわからないが、いまの状況ではかなりむずかしい。常任理事国になって拒否権を持てば、ほかの国にくらべて特権を持つことになる。だから、ライバルの国が常任理事国になるのをよく思わない国もある。日本の仲間入りには賛成しているアメリカも、メンバーがふえれば決定に時間がかかると、拡大にはあまり乗り気ではないんだ。

 ケン 常任理事国にくわわりたい国は日本だけ?

 ――いや。日本は、同じように常任理事国入りをめざすドイツ、インド、ブラジルとG4というグループをつくって活動している。でも、アフリカの国々でつくるアフリカ連合(AU)と、ふやすメンバーの数などをめぐって意見の調整に苦労している。韓国やイタリアなどはコンセンサス連合というグループをつくって、常任理事国ではなく、非常任理事国をふやすべきだといっている。拒否権という制度をなくすべきだと考えている国もある。

ケン どうなるのかな?

 ――国内の政治で政治家たちが話し合ってものごとを決めるように、国連でも各国が意見を出し合い、交渉を進める。日本のメンバー入りばかりが注目されるけれども、国連を世界のさまざまな問題にもっとうまく取り組めるような組織にすることが一番大切だ、ということをわすれてはいけない。

 国際連合(国連)第2次世界大戦の終わった1945年に、世界の平和を守るためにつくられた国際的なしくみ。日本は56年に加盟。本部はアメリカ・ニューヨーク。基本的に毎年9〜12月、すべての加盟国が参加する国連総会を開きます。いまの事務総長は、アフリカ・ガーナ出身のアナンさん。
 安全保障理事会(安保理)国連の重要な機関のひとつ。15の理事国でつくられ、平和について話し合います。安保理で決まったことは、すべての加盟国が守らなければならず、大きな力を持ちます。
 常任理事国 安保理の固定のメンバーである、アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスの5か国。特別な権利「拒否権」を持っています。
 非常任理事国 常任理事国以外の安保理のメンバー10か国。アジア2か国、アフリカ3か国など、地域で配分が決まっています。任期は2年で、総会でえらばれます。

 

(2005年7月30日)


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