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次世代DVDめぐる争いって?

斉藤 徳彦記者(朝日新聞経済部
ジャン

  最近、「次世代DVD」ということばをよく聞くわ。

ケン

  なにか、もめごとがあるらしいね。

斎藤記者

  DVDの映画は見たことあるよね。次世代DVDというのは、いまのDVDよりすごいものをつく ろうとしているんだよ。でも、その製品が二種類出てしまいそうなんだ。

ポン

  二種類出たらこまるの?

斎藤記者

  きみたちが家で映画などを楽しむのにも影響する話だから、くわしく説明するね。

 映像記録ディスクの規格で2グループが対立

「安くできる」HD方式か
「大きな容量」のBD方式

 ケン 次世代DVDは何がすごいの。
 ―DVDはDigital Versatile Diskの略で、多様なデジタル情報がおさまるディスクの意味。大きさ(直径12センチ、厚さ1.2ミリ)や丸い形はいまのままだけど、次世代DVDは記録できる時間がうんと長くなるんだ。地上デジタル放送みたいなきれいな映像もたっぷり録画できるようになる。

店頭にならぶブルーレイ・ディスク・レコーダー=東京都新宿区で

 ポン どうやってできるの?
 ――ディスクを紙に、録画する映像の量を鉛筆で書いた文字にたとえてみよう。同じ大きさの紙に、できるだけたくさんの文字を書く
にはどうしたらいい?
 ジャン 鉛筆のしんを細くするのかしら。小さい文字をたくさん書けるわ。

 ――正解! いまのDVDと次世代DVDの関係もこれと同じだよ。ディスクに映像を書きこむときはレーザー光線を使うけど、DVDは赤い光線を使うのに対して、次世代DVDは青い光線を使う。青の方が赤よりビームが細くて、たくさん書けるんだ。

 ケン それはいいね。メーカーはどんどんつくって早く売り出せばいいのに。

 ――そうかんたんにはいかないんだ。いろいろなメーカーがDVDのプレーヤーやレコーダーをつくるよね。でも自分の家で録画した映像が、よそではメーカーがちがうからといって見られなかったら、みんながこまる。そうならないように、メーカーどうしグループをつくって、ディスクや機械の仕組みを同じにする約束ごとをつくるんだ。これを「規格」とよぶよ。
 ジャン 次世代DVDの規格がふたつできたのね。
 ――そう。3年前にソニーや松下電器産業が「ブルーレイ・ディスク(BD)」という規格をつくった。「ブルーレイ」というのは英語で「青い光線」という意味。同じ年に東芝やNECも規格をつくった。名前は「HD(高精細の)―DVD」というんだよ。
 ケン 日本の大きな会社ばかりだ。どうちがうの?
 ――青色光線でディスクのどこに情報を書きこむかがちがう。BDはディスク表面から0.1ミリ、HDは0.6ミリの深さの場所に書きこむ。HDの方式はいまのDVDと同じで、「いまの設備をそのまま使えるからディスクを安く
つくれる」と主張している。BDは新しい方式なんだけど、記録できる量がさらにふえるというんだ。 

ハリウッドにも共に味方
統一への話を始めたが…

 ジャン 以前に、ビデオテープの規格でもあらそいがあったんでしょう?
 ――「VHS」と「ベータマックス」のふたつの方式が出た。ベータマックスが競争に負けて生産されなくなったから、これを録画・再生する機器を買った人は大弱りだった。メーカーもその時のことを反省していて、ことし3月にソニーと松下電器、東芝の三社で規格をそろえるための話し合いを始めた。
 ポン よかった!
 ――うーん。残念ながら、いまの時点ではまとまることがむずかしそうなんだ。ディスク方式をどちらかが相手に合わせないといけないんだけど、何年も時間とお金をかけて開発した技術がむだになってしまうからね。

 ポン なんとかまとまってほしいけど…。
 ――どちらにも大勢の仲間がいることも、解決をむずかしくしているんだ。アメリカ・ハリウッドの映画会社でいうと、BD側をウォルト・ディズニーや20世紀フォックスなど、HD側を「ハリー・ポッター」シリーズをつくったワーナーやユニバーサルなどが応援している。交渉で相手にゆずると、仲間を裏切ることになる。
 ジャン でも、家で見られる映画と見られない映画ができたら、こまるのはわたしたちよ。
 ――話し合いをつづけることでは一致している。ソニーと松下電器はすでにBDのレコーダーを売り出しているけれど、東芝はことし年末にHDのプレーヤーを出すといっていて、それまでに統一したい考えだね。「ハリウッドの映画会社がそろってどちらかに決めてくれたら、それにしたがう」ともいっているよ。

(2005年5月28日)


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