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斎賀 孝治記者(朝日新聞社会部)
兵庫県尼崎市で先月25日に起きた電車の脱線事故はこわかった。
JR宝塚線(福知山線)の快速電車が横だおしになってマンションにつっこんだ。亡くなった人は107人。500人以上がけがをしている。100人以上の死者が出る鉄道事故は40年以上、なかったんだよ。
日本の電車は時間が正確で、安全と聞いていたのになあ。
いまのところ、スピードの出しすぎが一番大きな原因といわれているね。国土交通省は事故を起こしたJR西日本だけでなく、全国の鉄道会社に、安全対策を強めるよう指示することにしたよ。
一番の原因はカーブでスピード出し過ぎ
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遠心力で「方輪走行」…脱線
ミスで電車が遅れあせる
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ジャン 電車のスピードはどのくらいだったの?
――運転士も亡くなったし、車両もめちゃめちゃにこわれたので、よくわからないところもある。ただ、事故現場のカーブの制限速度は時速70キロなのに、100キロ以上出ていたのではないかと見られているんだ。
ケン カーブでスピードを出しすぎると電車は脱線しちゃうの?
――自動車に乗っていて、カーブで体が外側に引っぱられると感じたことはないかな。遠心力というのがはたらくのだけれど、スピードが上がるほど、遠心力も大きくなる。それで電車は、右側の車輪がういて、左側の車輪だけで走る「片輪走行」になって、さらに線路からはずれてしまったようなんだ。
ただし、ほかにも脱線の原因があるかもしれない。国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会と警察が、車両につんでいた装置にのこった記録やレールの状態をくわしく調べているよ。
ポン 車はブレーキをかければ止まるよ。
――事故を起こした快速電車は、ふつうのブレーキだけでなく、非常ブレーキもかけていたんだ。それでも止められないぐらい速かったことになるね。
ジャン どうしてそんなにスピードを出したのかしら。
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| 快速電車が脱線し、マンションにぶつかった現場 |
――運転士は前の駅で、止まる位置より60メートル先まで進んでしまうミスをしていたという。1分30秒のおくれが出たので、スピードを出して、おくれを取りもどそうとしたらしいよ。カーブの手前の直線でも、制限速度を上回る123キロが出ていたようなんだ。
ケン おくれが出ると、きびしいペナルティー(罰)があるって聞いたけど。
――窓ふきをさせられたり、給料をへらされたりすることもあるというよ。快速が走っていたのは関西の中心部で、電車の本数も多いんだ。おくれが出ると、ほかの電車との乗りつぎにもひびくよね。だからJR西日本はふだんから電車のダイヤ(運行時刻)を守るようにきびしくいっていたんだって。
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ATSが旧型で制御できず
事故防止へ新型など義務化
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ポン スピードは運転士さんしか落とせないの?
――赤信号で行きすぎないようにする自動列車停止装置(ATS)というのはあったんだ。でも旧型で、事故現場のカーブには対応できない仕組み。新型のATSや、新幹線についている自動列車制御装置(ATC)だったら、自動的にブレーキをかけて、事故をふせぐことができたかもしれないといわれている。
ジャン それなら、旧型は全部やめればいいのにね。
――新しい機械にかえるには、鉄道会社によっては何億円もかかるらしくて、かんたんではないんだ。でも、今回の事故がきっかけで国土交通省は、スピードが出すぎてしまいそうなカーブは新型の装置にするか、旧型でも、ちゃんと事故をふせげる改良した型にするよう、鉄道会社に命じるんだって。国はお金の援助も考えるって。
ケン 宝塚線は当分、電車の運転ができないんでしょ。
――国土交通省は新型ATSをとりつけることを運転再開の条件にしている。悲しい事故を教訓に、宝塚線にかぎらず、鉄道の安全対策をしっかり見直してほしいね。
【最近起きたおもな列車事故(警察庁まとめ)】
1988年12月 東京都中野区の中央線東中野駅で停車中の電車に後続電車が追突。2人死亡、113人がけが
91年5月 滋賀県の信楽高原鉄道で列車同士が正面衝突し、42人が死亡、600人以上がけが
2000年3月 東京の営団地下鉄(当時)日比谷線で、最後尾車両が脱線して対向車両と衝突。5人が死亡 |
(2005年5月14日)
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