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松井 健記者(朝日新聞外報部)
ローマ法王という人のお葬式をテレビで見たよ。アメリカのブッシュ大統領とか世界の有名な人たちが大勢きていた。
葬儀に参列するために、世界中から約400万人がイタリアのローマに集まったというね。
へえ。すごい人なんだ。でも、ローマ法王ってどんな人なの?
カトリック信者の頂点、世界に大きな影響力
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世界巡ったヨハネ・パウロ2世
平和を訴え冷戦終結に貢献
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――キリスト教という宗教があることは知っているよね。キリスト教にはいくつかの宗派があるんだけれど、ローマ・カトリック教会というグループの最高指導者がローマ法王だ。法王はイエス・キリストの弟子だった使徒ペテロの後継者とされ、世界中に約11億人いるカトリック信者の頂点に立つ。
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| 1981年に来日したヨハネ・パウロ2世。東京・日本武道館で行われた「若者との対話集会」では、子どもたちのおどりの輪に入って歌いました |
ポン やさしそうなおじいさんに見えたけれど。
――亡くなった法王はポーランド出身のヨハネ・パウロ2世という人で、84歳だった。1978年にえらばれてから約26年間、法王だった。葬儀にたくさんの人が集まったように、たいへん人気があった。ぼくもバチカンで、集まった大勢の信者にヨハネ・パウロ2世が語りかけるのを見たことがあるよ。
ジャン バチカンって何?
――イタリアのローマ市内にある小さな国の名前だ。正式にはバチカン市国というよ。
ケン 国なの?
――そう。面積が0.44平方キロメートルで、人口は約1000人。世界で一番小さい独立国だ。ローマ法王はその国の元首でもあるんだ。国は小さいけれども、教会と信者は世界中に広がっているので、法王の活動は世界に大きな影響をあたえてきた。
ポン どんなことをしてきたの?
――ヨハネ・パウロ2世は、26年の間に世界の129か国を訪問した。特に、世界がアメリカを中心とする西側陣営とソ連(いまのロシアなど)を中心とする東側に分かれてあらそっていた冷戦の時代に、出身国のポーランドを訪問して、自由をもとめるポーランドの国民を激励したことが、冷戦を終わらせるのに役立ったといわれる。また、つねに世界の平和をうったえ、イラク戦争にも強く反対した。
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ほかの宗教とも対話や和解
投票でつぎの法王をえらぶ
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ケン ちがいはよくわからないけれど、世界にはいくつもの宗教があるよね。
――その通り。キリスト教のほかに、イスラム教や仏教などがある。キリスト教の中でも、カトリックのほかにプロテスタントや東方正教会といった宗派がある。残念ながら、宗教がちがうことが原因であらそいが起きることはこれまでにたくさんあった。ヨハネ・パウロ2世はことなる宗教との対話や和解にも熱心だった、と評価されているよ。一方で、女性の司祭をみとめないなど、教会の約束事にはきびしく、不満を感じる人たちもいた。
ジャン ヨハネ・パウロ2世が亡くなって、法王はいなくなってしまうの?
――新しい法王をえらぶんだ。ヨハネ・パウロ2世は264人目の法王だったから、つぎの法王は265人目になるね。
【コンクラーベ】「かぎでしめられた場所」という意味。バチカンのシスティーナ礼拝堂で、今回は80歳未満の52か国117人(予定)の枢機卿(すうききょう=法王に次ぐ地位にある聖職者)が投票でつぎの法王をえらぶ。日本人の枢機卿ふたりも参加する。
決定には3分の2以上の票が必要。参加者は外部の人と会わないようにし、決まるまで毎日2回投票を行う。13世紀に法王えらびに2年以上かかり、住民が枢機卿らを選挙会場にかんづめにして早く決めるようもとめたのが始まり。 |
ケン そんなにたくさんいたんだ。
――18日に世界中からカトリック教会の指導者たちがバチカンに集まって、投票でつぎの法王を決める。「コンクラーベ」=メモ参照=といい、ミケランジェロの「最後の審判」という有名な壁画のあるシスティーナ礼拝堂で開かれる。
指導者たちは法王が決まるまで礼拝堂にこもって投票をくり返し、新しい法王が決まると、礼拝堂のえんとつから白いけむりを出して、外の人たちに決まったと知らせるんだ。
ポンおもしろそう。
――さっき説明したように、ローマ法王は一宗教の指導者というのにとどまらず、世界に影響をあたえる人なので、つぎにだれがえらばれるか世界中の人が注目しているんだよ。
(2005年4月17日)
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