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冨岡史穂記者(朝日新聞科学医療部)
最近、大きい地震が多くない? インドネシアでもまた大地震があったというけれど、その一週間前には、福岡市などで震度6弱の地震が起きたでしょ?
地震の規模をあらわすマグニチュードは7・0。ひとりが亡くなり、七百人以上がけがをした。日本で、福岡みたいな大都市を地震がおそったのは一九九五年の阪神大震災以来だね。
「福岡では大地震が起きないと思っていた」って、びっくりした人が多いみたいだけど、予想外の地震だったの?
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| 地震でくずれた玄界島の民家=3月20日、朝日新聞社のヘリから |
同じ規模、日本のどこでも発生の可能性
――まず、この地震のおさらいをしておこうね。震源は、福岡市の約20キロ沖の玄界灘の底。だれも知らない海底の活断層が下の図のように動いて、今回の地震を起こしたといわれているよ。
ケン 活断層ってよく聞くけど何なのかよくわからない。
――地球の表面は十数枚の動く岩の板でおおわれている。断層というのは、その岩の板についた傷やわれ目のこと。ときどきそのわれ目がずれて動いて、地震を起こすの。特に、過去200万年くらいの間に動いたことがわかるものは、将来も動く可能性があると考えて、活断層とよぶんだよ。
ポン 200万年! どうしてわかるの?
――地表から、ずっと深いところの土までをくりぬいて取り出すと、いろんな種類の土の層の重なり方で、動いた跡がわかるんだ。人間の歴史で考えると200万年前はずっとむかしだけれど、地球にとっては最近のこと。日本の陸地では2000か所以上の活断層が確認されているよ。阪神大震災や去年10月の新潟県中越地震も、陸地の活断層が動いて起きた。
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◆地震の経過◆
福岡県の西方沖を震源とする強い地震が3月20日に発生、福岡市や福岡県前原市、佐賀県みやき町で震度6弱を記録した。
被害が大きかった玄界島(福岡市西区)の住民はほぼ全員が島から避難。福岡市によると市内では3月31日現在、561人(うち玄界島の住民は454人)が体育館などに避難している。玄界島の玄界小、中学校の子どもたちは、避難先の近くの学校で5日に新学期をむかえる予定。避難住民向けの仮設住宅の建設が3月29日に始まった。計200戸で、完成は4月末の見こみ。 |
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ポン ふーん。
――活断層は海底にもある。海上保安庁は東京湾や伊勢湾、今回の震源に近い博多湾など計13海域で活断層を調べているよ。
ジャン 今度の地震を起こした活断層が知られていなかったのはなぜかしら?
――それは、陸上よりも海の底の方が調査がむずかしいから。海底の土を深くくりぬいて調べるには専門の船が必要だし、お金もかかる。
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「阪神」の教訓生かされず
多くの地域で対策おくれる
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ケン だれも知らない活断層がたくさんあるんだったら、心配だよ。
――今回の地震と同じくらいの規模の地震は、日本ではいつ、どこで起きてもおかしくない。心がまえをしておく必要があるね。
ケン そうだったのか……。でも、あの島の人たちみたいに住んでいる家がこわれちゃったら悲しいだろうなあ。
ジャン 玄界島でしょう? どうして、あの島は被害が大きいの?
――急な斜面にそって、木造の家がぎっしり立っていることは原因のひとつだろうね。それに専門家の調査では、今回ずれた活断層の向きの影響で、福岡市の中心部より玄界島の真下の方が、ゆれが強かったらしい。
ジャン 都市の方では、阪神大震災の教訓が生かされたのかしら。
――十分に生かされたとはいえない。地下鉄には数百人が約1時間、閉じこめられた。福岡市営地下鉄は、乗客を上手ににげさせる手順を決めていなかった。
ブロック塀の下じきになって、女性がひとり亡くなった。福岡市役所の人たちは、地震でたおれそうな塀や建物の調査をしてこなかった。福岡だけではなく、古い木造の家が密集する、地震対策がおくれている地域はまだたくさんあって、心配されている。
ポン 窓ガラスが落ちたビルの写真を見たよ。道路にガラスが散らばってた。
――窓ガラスは、わくをコンクリートなどでガッチリかためてしまうと、ゆれたときにガラスがゆがんでわれる。新しい建物は、やわらかい材料でガラスを止めて、ゆがみにくい構造にしてあるけれど、1961年完成のあのビルは、古い構造のままだった。
やっぱり、どこでも地震が起きる可能性があると思って、十分な備えをしておくことが大切だよ。
(2005年4月2日)
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