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会社の株ってなんなの?

宮崎知己記者(朝日新聞経済部
ジャン

 ニッポン放送の株をめぐる裁判で11日、ライブドアの主張がみとめられた、とニュースでいっていたわ。大さわぎになっているけど、どうして?

宮崎 記者

 そうだね。まず、会社って何か、株って何かというところを説明しなければならないね。ところで、ケン、会社ってだれのものか知っているかい?

ケン

 社長さんかな。なんとなくえらそうだから。

宮崎 記者

 会社はそこで働いている人、お客さん、社会全体のものでもあるけれど、法律では株主のものと決められているんだ。

ポン

 株主って?

 会社にお金だした証拠、多く持つほど影響力

会社の成績で値段が動く
売買で得したり損したり

 ――株式会社っていうことばを聞いたことがあるよね。日本には百万社ぐらいあるんだ。人から集めたお金を元手にしてもうけを生み出し、お金を出してくれた人に、年に一度か二度、その一部を配るのが株式会社。お金を出してくれた人を株主といって、その証拠として株主にわたす紙が株だ。株券ともいうよ。

記者会見するライブドアの堀江貴文(ほりえ・たかふみ)社長(左)と、フジテレビの日枝久(ひえだ・ひさし)会長(右)

 ケン 社長さんは?

 ――株主から、もうけを最大限生み出すようにと会社の運営をまかされている人を取締役といい、その中で一番責任が重い人が社長だよ。

 ジャン でも、その株を別の人が買うってどういうこと?

 ――株式会社の中には、毎日、だれでも、株をかんたんに売ったり買ったりできる会社がある。百万社のうちの三千数百社だけどね。株式市場で株が売買される会社という意味で、上場企業とよばれている。企業とは会社のこと。上場企業は、大きい会社が多いよ。

 ケン 角のお店のおじちゃんが株でもうけたっていってたよ。

 ――それはすごいね。上場企業の株の値段は毎日かわるんだ。将来もうけがふえそうな会社の株は、たくさんの人が買いたがるので値上がりし、もうけがへりそうな会社の株は、ぎゃくに売る人がふえて値下がりするんだ。そのおじちゃんは安い時に買って、高い時に売ったんだね。でも、株はもうかるばかりじゃない。その会社がつぶれたら出したお金が返ってこなくなるよ。

 ポン 大人はみんな株を売ったり買ったりしているんだ。

 ――みんなではないけど、日本最大の東京証券取引所では毎日十億株以上、売ったり買ったりされているよ。ニッポン放送も上場企業だからだれでも株を買えるよ。

 ジャン じゃあ、そんなにさわぐことないのに。

 ――ほとんどの人は、そのおじちゃんのように値上がりを期待して、少しの株を買っている。でも、株には支配権というもうひとつの顔があって、こっちを目的にたくさん買い集める人もいるんだよ。

 ポン 支配権? もうひとつの顔?

 ――学級会で多数決をやったことはあるかな。クラスのひとりひとりの権利はみんな同じひとり一票で、半分をこえる人が賛成した方に決まるよね。でも会社が物事を決めるときは、ひとりひとりじゃなくて、一株一株が同じ権利を持っているんだ。かんたんにいうと、多くの株を持っている人の方がいろいろな面で強いんだ。

 
ニッポン放送株買い集め
二社があらそい大株主に

 ケン 強いって?

 ――たとえば、三分の一より多い株を持っていると、会社のルールをかえたり、ほかの会社とくっついて大きな会社になろうとしたり、といった会社にとってとても大事な決定を、自分ひとりの反対でやめさせることができるんだよ。半分より多い株を持っていれば、自分がいいと思う人を取締役にすることができる。三分の二以上持っていると、だめだと思う取締役をやめさせることや、大事な決定を自分だけで決めてしまえるんだ。

 ポン すごーい。

 ――今回さわぎになったのは、ニッポン放送と同じグループのテレビ会社フジテレビジョンがニッポン放送の株を半分より多い数まで買い集めようとしている時に、ライブドアが突然、ニッポン放送が出している株の三分の一より多い数まで買ったからだよ。

 ケン ライブドアといえば、去年、プロ野球に新しく参加したいと最初に名乗りをあげた会社だね。

 ――そう、そのライブドアとフジテレビがニッポン放送の株を集める競争を始めて、両方が三分の一より多い株を持つ結果になった。おたがい、会社にとって大事な提案をしても、相手にその提案をつぶされる状態になった。いいかえると、ニッポン放送は重要なことが何ひとつ決められなくなった。

 ケン 大事なことが決められないニッポン放送はどうなっちゃうの?

 ――いま、将来発行する株を決まった値段で買い取る権利(新株予約権)をフジテレビだけに大量にあたえようとしているニッポン放送のやり方をめぐって裁判になっている。地方裁判所の決定は出たけれど、裁判がどう決着するかによって話がちがってくる。けれど、やはり、大きな株主になったフジテレビとライブドアは、おたがいきちんと話し合わないと物事は進まないだろうね。ほかの株主にも相談して、ニッポン放送をどうするか考えないといけないね。

(2005年3月12日)


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