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石田 勲記者(朝日新聞科学医療部)
H2Aというロケットがもうすぐ打ち上げられるって、ニュースで見たけど。
わたしも知ってる。ロケットには、天気予報などに役立つ気象衛星をのせるんだって。
その通り。打ち上げは24日の予定で、2003年11月以来、1年3か月ぶりなんだ。前回の打ち上げは残念ながら失敗しているから、今度はぜひとも成功してほしいね。
H2Aロケットって、どんなロケットなの?
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移動発射台にのせ、発射地点に向かう国産ロケットH2A七号機
=5日、鹿児島県種子島の種子島宇宙センターで |
天気予報や台風情報に役立つ衛星積む
――日本国産の大型ロケットで、太さ(直径)が4メートル、高さは53メートル。ちょうど、17階建てのビルの高さだよ。重さは285トンもある。
ポン へえーっ。
――ロケットはね、宇宙ステーションという宇宙の基地に物資を運んだり、人工衛星を打ち上げたりするために重要な手段になるんだ。宇宙に人や物を運ぶんだから、宇宙の開発には絶対に必要だね。H2Aロケットは4トンの人工衛星をのせることができるんだよ。
ジャン これまで何回、打ち上げられたの?
――2001年8月に初めて成功してから、5回連続してうまくいったんだ。地球を観測する衛星や、ほかの国の情報を集めたりする衛星などを、宇宙に打ち上げたんだ。でも、03年11月の6回目で失敗してしまった。
ポン なんで失敗しちゃったの?
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| H2Aロケットのエンジン部分 |
――ロケット本体を打ち上げるために、本体の横に固体補助ロケットという小さいロケットが2本くっついているんだよ。おしりから燃焼ガスをふき出して、重いロケットの打ち上げを加速させる役目があるんだ。この小さいロケットに問題があったんだ。
ケン どんな問題?
――補助ロケットで燃焼が終わったのに、ロケット本体からはなれなくて、その重さで飛行ルートからはずれてしまったんだ。形を決める設計にミスがあって、燃焼ガスがふき出る噴射口という部分に穴が開いてしまった。穴から2000〜3000度のすごく熱いガスが出て、固体ロケットを切りはなすための導火線が焼けてしまったみたいなんだ。
ジャン 今度はだいじょうぶなの?
| H2(H2Aの前のロケット)、H2Aの開発の歴史 |
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(○は成功、×は失敗)
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| H2ロケット |
H2Aロケット |
1994年2月 ○ 1号機(試験機)の打ち上げに成功
8月 ○ 2号機も成功
95年3月 ○ 3号機で気象衛星などの打ち上げに成功
96年8月 ○ 4号機で地球観測技術衛星の打ち上げに成功
97年11月 ○ 6号機で熱帯降雨観測衛星などの打ち上げに成功
98年2月 × 通信放送技術衛星をのせた5号機が失敗
99年11月 × 運輸多目的衛星をのせた8号機失敗
12月 宇宙開発事業団が7号機の打ち上げとH2の開発の中止を決定 |
2001年8月 ○ H2を改良した1号機(試験機)で成功
02年2月 ○ 2号機の打ち上げに成功。ロケットと高速再突入実験機との分離には失敗
9月 ○ 3号機でデータ中継技術衛星などの打ち上げに成功
12月 ○ 4号機で環境観測技術衛星の打ち上げに成功
03年3月 ○ 5号機で情報収集衛星の打ち上げに成功
11月 × 情報収集衛星をのせた6号機が失敗 |
――失敗から一年以上かけて、専門家たちが話し合って、補助ロケットの噴射口の壁を厚くしたり形をかえたりして、穴が開かないように工夫したよ。ほかにも問題がないか、ロケット全体でも点検して77か所も直したんだ。だから、今度は成功してほしいね。
ケン 今度の打ち上げにはどんな目的があるの?
――天気予報などに役立つMTSAT―1Rという人工衛星をのせるんだ。この衛星は、宇宙からアジアや太平洋の上空の雲の動きを監視して、そのようすを地球に送ってくる。これを分析すると、陸地や海の温度、風のようすなどを知ることができて、天気予報とか台風などの気象災害の対策にも力を発揮するんだ。衛星の寿命は5年ぐらいだよ。
ジャン そんなに大切な衛星なら、絶対に成功してほしいわ。
――そうだね。「ひまわり5号」という前の衛星がもう古くなって引退してしまった。だから、いまは天気予報などは、アメリカの衛星にたよっているんだ。この衛星も古くて、いつ故障してもおかしくないから、天気予報をする気象庁は「何としても、成功してほしい」って、いのっているよ。打ち上げは24日の夕方、鹿児島県の種子島宇宙センターから。みんなも成功するようにいのりながら、注目していてね。
(2005年2月19日)
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