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特定外来生物って何?

清水 弟記者(朝日新聞科学医療部
ケン

 土アライグマやカミツキガメが、日本の自然に被害をあたえているって、パパがいってた。

ジャン

 たしか、「特定外来生物」にえらばれたとか。オオクチバスという魚も入ったと聞いたわ。

ポン

 トクテイガイライ……???

清水 記者

 外来生物というのは、外国から日本につれてこられた生き物のこと。なかでも特に日本の動植物や人間に被害をあたえるのを、環境省が「特定外来生物」にえらぶのさ。今回は第一陣の候補で、37の動植物がえらばれたよ。

 日本の動植物に有害な外国産の生物

まず37の動植物が候補に
決まれば輸入や飼育禁止


 ケン 特定外来生物にえらんでどうするの?

特定外来生物の候補リストに入ったカミツキガメ(写真上)、オオクチバス(写真中)、アライグマ(写真下)=鎌倉市提供

 ――6月にスタートする外来生物法という法律で、輸入や飼育を禁止する。ほかの場所に運ぶのも野外に放すのもダメ。野山にいるものはつかまえる。
 つれてきた人間が悪いのに、つかまえられるなんて、動物たちはかわいそうだね。でも、外来生物に追われる日本の動物たちを守るのは人間しかいない。

 ジャン 大仏がある古都・鎌倉(神奈川県)にもアライグマがたくさんいるって本当?

 ――ペットがにげ出したんだ。北アメリカ原産のアライグマはテレビアニメで人気が出た。小さいときはかわいいけれど、大きくなると凶暴で手におえない。すてられたアライグマが、住宅の屋根裏にすみついてたいへんらしい。

 ポン 屋根裏に?

 ――北海道ではメロンやサトウキビが食べられ、ひな鳥がおそわれ、タヌキも追い出された。

 ケン 友だちのお兄さんは、オオクチバス(ブラックバス)釣りができなくなると心配しているよ。

 ――オオクチバスは、釣り愛好家の団体や業界から「特定外来生物にしないで」と運動があったけど、環境大臣の決断で結局、リストに入ったんだ。

 ケン 釣りは禁止になるの?

 ――釣りはできるよ。とった魚を元の場所に放す「リリース」もOKだ。でも、ほかの池や湖に放す密放流は絶対ダメ。違反すると罰金は最高300万円さ。

 ポン ヒェーッ。

魚や貝、トンボ犠牲に
責任持って飼い続けて
 外来生物法
 日本にもともといなかった生物のうち、生態系に悪い影響をおよぼしたり、人に危害をあたえたりする生物を「特定外来生物」に指定し、輸入や飼育を制限する法律。ことし6月に施行(法律がきき目を持つこと)されます。環境省は1月31日、特定外来生物に指定する候補のリスト(第1陣)を発表。国民の意見を聞いたうえで5月に最終的に決定します。リストはこれからも追加されます。

  ――だって、全国の池や湖ではオオクチバスのせいで、魚だけでなくエビや貝、トンボなどが犠牲になっている。日本の動植物や自然は何十万年もかけていまの形になったのに、それをこわしてしまう。
 動物たちは、おたがいに相手を知っていると、おそわれても反撃したり、にげたりできる。でも、外国の見知らぬ動物だと反撃できずに全滅させられるんだよ。

「特定外来生物」指定候補リスト
分類群
生物名
ほにゅう類 タイワンザル、カニクイザル、アカゲザル、アライグマ、カニクイアライグマ、ジャワマングース、クリハラリス(タイワンリスふくむ)、トウブハイイロリス、ヌートリア、フクロギツネ、キョン
鳥類 ガビチョウ、カオグロガビチョウ、カオジロガビチョウ、ソウシチョウ
はちゅう類 カミツキガメ、グリーンアノール、ブラウンアノール、ミナミオオガシラ、タイワンスジオ、タイワンハブ
両生類 オオヒキガエル
魚類 コクチバス、ブルーギル、チャネルキャットフィッシュ、オオクチバス
昆虫類 ヒアリ、アカカミアリ、アルゼンチンアリ
むせきつい動物 ゴケグモ属の4種、イトグモ属の3種、ジョウゴグモ科の2属全種、キョクトウサソリ科全種
植物 ナガエツルノゲイトウ、ブラジルチドメグサ、ミズヒマワリ

 ジャン 沖縄にいるマングースは、毒ヘビのハブ対策でつれてきたんでしょ。

 ――本当は、マングースは昼間活動するのに、ハブは夜行性だから、出あうことはほとんどない。ハブがへったかどうかはだれも調べなかった。どんどんふえたマングースは、天然記念物のとべない鳥・ヤンバルクイナをおそっている。


 ポン ヤンバルクイナ、かわいそう。

 ――マングース対策をしている環境省の自然保護官がいってたよ。「マングースは何も悪くない。すべて人間の責任だ」とね。
 日本やアメリカ、中国、インドにも、そこにしかいない動植物(固有種)がいる。それを守ることが、地球全体の生き物たちのにぎわい(生物多様性)を守ることにつながるんだよ。

 ケン ぼくらにできることはあるの。

 ――飼っているカメや鳥、外国産クワガタなどを絶対、野外に放さない。死ぬまで責任を持って飼うことだね。ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)も、大きくなると甲羅が30センチもあって、攻撃的で注意が必要な動物なのさ。

(2005年2月5日)


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