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山田史比古記者(朝日新聞生活部)
最近、病院に行ったことあるかな? お金はいくらはらっただろう。
カゼで病院に行ったとき、お母さんが千円ぐらいはらってたよ。
千円や2千円でなおるなら、安いものなのかな。
でも、本当は、治療にはもっとお金がかかっているんだよ。
どういうこと?
医療保険があるから安くすむんだ。でもいま、その制度がかわろうとしている。ちょっと勉強してみようか。
少子高齢化でふくらむ医療費への対策
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国民みんな医療保険に加入
医療費は本人と保険で払う
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――みんなは医療保険に入っているから、治療にかかったお金のうち、自分ではらうのは3割だけでいいんだよ。
ジャン のこりはどうなるの? それにわたし、そんな保険に入ったおぼえはないわ。
――医療保険のしくみから説明しよう。お父さんは、お仕事は何しているの?
ジャン 会社員よ。けっこう大きな会社なんだって。
――ならば会社の健康保険組合に入っているはず。お父さんたち社員はそこに保険料をはらっているし、同時に会社も同じぐらいの額をはらっている。社員のだれかが病院に行くと、その人は治療にかかったお金の3割を病院ではらう。のこり7割は健康保険組合が、みんなから集めた保険料ではらうんだ。きみたち子どもも、お父さんと同じように組合がはらってくれる。
ポン へえ。だから安くすむんだね。
――日本は「国民皆保険」といって、みんな何かの医療保険に入っているんだ。小さな会社の社員だと政府管掌健康保険というのがあるし、自分でお店を開いている人や無職の人は、国民健康保険という市町村が運営する保険に入っている。このふたつは、国もお金を出してるんだよ。
ケン でも、医療制度がかわるんだよね。何で?
――「少子高齢化」って前に勉強したことがあったね。
ジャン 子どもの数がへる一方で、だんだん長生きできるようになったから、お年よりの割合がふえることだったかしら。
――そうだよ。お年よりはどうしても病気になることが多いよね。しかたないことだけど、70歳以上の人は70歳未満の人とくらべ、医療費が4倍以上かかっている。今後お年よりがさらにふえると、いままでのやり方では、お金が足りなくなりそうなんだ。
2004年度に医療にかかったお金は総額32兆円だったんだけど、このままだと約20年後には65兆円になると国は予想している。
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ふえていくお年よりの負担
75歳以上の人に新しい制度
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ケン じゃあどうするんだろう。
――お年よりにもっとお金をはらってもらうことを、国は考えているんだ。
ポン いまははらってないの?
――医療ではらうお金には、本人が病院ではらうお金と、保険料からはらうお金があることはわかったよね。病院ではらうのは、お父さんやきみの場合は本当にかかったお金の3割だけど、70歳以上の人は1割、収入が多いお年よりも2割でいいことになっている。これを収入が多い70歳以上の人は3割、それ以外の70〜74歳の人も2割を負担することになるんだ。
ケン 保険料は?
――年をとって、自分の子どもに生活のめんどうをみてもらう場合も多いよね。いまは、お年よりが子どもの収入にたよっている場合、自分で保険料をはらわなくても、子どもの保険からお金をはらってもらえる。でも、08年度からは75歳以上の人を対象に新しい保険制度をつくり、全員から保険料を集めることになる。
ポン おじいちゃんやおばあちゃん、かわいそう。
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【きょうのポイント】
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▽日本では国民全員が、何らかの形で医療保険に入っている。保険から医療費が出るため、本人が病院ではらうお金は少なくてすむ。
▽お年よりがふえ、医療費がふくらんできたために、医療制度の改革が考えられている。
▽改革によって、お年よりの負担はふえる。お年よりが病院ではらう金額がふえ、保険料もはらうことになりそう。
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――お年よりの負担がふえるのはまちがいない。でも医療費はだれかがはらわないといけない。若い人の負担をふやすか、国がはらうお金をふやすか。どちらもこれ以上はむずかしいと国は考えているんだ。
ジャン ほかには何がかわるの?
――きみたちにはまだ関係ないかもしれないけど、食事や運動不足などが原因でかかる生活習慣病をへらすため、40歳以上の人は健康診断を受けるよう義務づけられる。一定以上の額を病院ではらったとき、あとでお金を返してもらえる制度も、返してもらえる額が少なくなる。
ケン ぼくたちが年をとったときにも、気軽に病院に行ける医療制度があるといいなあ。
(2005年12月17日)
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