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西川 迅記者(朝日新聞科学医療部)
ねえ、鳥インフルエンザが、ヨーロッパへ広がっているという記事を見たけど……。
東南アジアで流行している鳥インフルエンザが、ヨーロッパの鳥からも見つかったニュースだね。大さわぎになっているんだ。
人への感染も心配されているんでしょう。
そう。東南アジアの国々では、人への感染が確認されているんだ。世界的な問題になっていることから、各国は人に感染する新型インフルエンザの発生にそなえて対策を急いでいるんだ。
鳥インフルエンザが姿をかえるおそれ
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鳥インフルエンザが見つかった養鶏場で、卵の処分をする県職員ら=ことし6月、茨城県水街道市で、代表撮影
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渡り鳥がウイルスを運ぶ?
ヨーロッパ諸国にも広がる
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ケン 鳥インフルエンザはベトナムやインドネシアで流行していたよね。ヨーロッパへ広がったというけど、どうやってそんなに遠くへ行けたの。
――渡り鳥がウイルスを運んだらしい。最近になって、ロシアやカザフスタン、ルーマニア、トルコで見つかっている。
ジャン 六月に茨城県で起きたのとはちがうの。
――それは「H5N2型」といって毒性が弱いウイルス。ヨーロッパに広まったのは「H5N1型」といって鳥を次々に死なせる毒性が強い鳥インフルエンザだ。
ケン 人が鳥インフルエンザにかかることもあるんだね。
――ふつうは、ないと考えられている。それでも東南アジアでは百人以上が感染し約六十人が死亡した。
ポン こわい。
鳥インフルエンザ
ニワトリやアヒルなどがかかり、下痢などを起こす病気。病気のもとは鳥インフルエンザウイルスで、ウイルスがついたえさやふんを通じて感染が広がる。鳥から鳥ばかりでなく、まれに鳥から人へうつることもある。日本では2004年1月、山口県で79年ぶりに鳥インフルエンザが発生。その後も、大分県、京都府、茨城県などで見つかっている。
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――いま世界の国々が心配しているのは、この鳥インフルエンザが、人から人へうつる新型のインフルエンザに姿をかえることだ。新型のウイルスが発生すると、数週間で世界中に広がると心配されている。人間は新型インフルエンザに対して、免疫(病気のもとをやっつける体の働き)がないんだ。
ジャン どうして新型ウイルスができるの?
――鳥インフルエンザは、人から人にはふつう感染しないんだけど、人と鳥のインフルエンザウイルスがまじりあうと、新型が生まれる可能性があるんだ。また、鳥インフルエンザウイルスが突然変異して、新型にかわる場合もある。
ジャン そういうことが、これまでにもあったの。
――一九一八年〜一九年に世界で数千万の死者を出したスペインかぜは、人から人への感染力を持った鳥インフルエンザが原因と考えられている。
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新型にきく薬を備える国も
国際協力で対策を急ぐ必要
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きょうのポイント
▽毒性の強い鳥インフルエンザがヨーロッパで広がっている。
▽ふつう人から人には感染しないが、ウイルスが変異(性質をかえること)して人の間で流行する新型のウイルスになる可能性がある。
▽世界保健機関は、新型インフルエンザの発生にそなえて各国に対策を考えるようによびかけている。10月には、30か国が集まって会議を開き、新型インフルエンザの対策を急ぐことを確認した。
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ポン 心配だなあ。
――新型インフルエンザはこれまで十年〜四十年おきにあらわれ、それが毎年冬に流行しているインフルエンザになる。でも、鳥インフルエンザが、いつ新しい病気になるかはだれにもわからない。それに人がたくさん死ぬような強いウイルスかどうかも予想できない。
ジャン 新型インフルエンザにきくワクチンや薬はないの。
――ふつうのインフルエンザには予防ワクチンがある。でも、新型にはきかないからつくりなおす必要がある。ワクチンのほかには、「タミフル」という、ウイルスがふえるのを止める薬がある。ヨーロッパなどの国々では、新型が出たときのためにタミフルのそなえを始め、日本にも万一のときにそなえる計画がある。薬をつくっているスイスの会社には多くの注文が集まっている。
ケン 対策を急がないといけないね。
――世界保健機関(WHO)という国際機関は、発生にそなえて行動計画をつくるようによびかけている。海外で病気が出たり、国内で患者が見つかったりしたときに、段階ごとに対策を立てるんだ。日本でもこれをつくっている最中だ。
ジャン 対策を話し合う国際会議も開かれたんでしょ。
――よく知っているね。十月、カナダに三十か国が集まって、みんなで新型インフルエンザの対策を急ぐことを確認した。でも、多くの国にタミフルやワクチンが行きわたるためには、どうしたらいいかなど、まだ課題はのこっている。
新型は世界のどこで出るかわからない。人から人へうつるウイルスが出たら、どこで出たのか早く知ることが必要で、そのためには国と国が協力することも大事だね。
(2005年11月05日)
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