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中越地震から1年 復興は?

前多 健吾記者(朝日新聞新潟総局デスク)
ジャン

 新潟県中越地震から、二十三日で一年がたつのね。

前多 記者

 被災地は、少しずつだけど、もとの生活をとりもどしている。

ケン
  まだ、仮設住宅がたくさんのこっているって聞いたよ。

 
前多 記者

  地震で家がこわれたり、家に帰る道路がなおっていなかったりして、自宅にもどれない人たちが住んでいるところだね。いま、市町村が、こうした人たちを助けようと、公営住宅を建設中なんだ。

 

 

進みつつあるが九千人以上まだ仮設住宅に

一か月おくれでかりとったイネをほす、新潟県中越地震の被災地の農家
〓新潟県長岡市の山古志地区で、十月九日

千世帯が家の再建あきらめ
住む場所かえる集団移転も

 


 ジャン 仮設住宅で生活している人はどれくらいいるの。


 ――まだ九千人以上いる。中越地震でこわれた建物は、全部ダメになった「全壊」と、半分くらいの「半壊」を合わせて一万七千ほどある。一生懸命なおしているけど、「全壊」の家は、そうかんたんにはなおせない。


 ケン 家を建てかえる人に国や県から補助金が出るんだよね。


 ――最大、国から三百万円、県から百万円、合計四百万円を助けてもらえる。ありがたいことなんだけど、この額では家が建たない。特に、収入のないお年よりなどは、とてもむずかしい。再建をあきらめた世帯も千近くあるという調査結果があるんだ。


 ポン みんな、元の家に帰れるのかなあ。

  ――残念だけど、被害が大きかった地域で、住んでいた場所での再建をあきらめて、集落ごと移転するところが出ているんだ。「集団移転」というもので、地震で一番揺れの大きい震度7を記録した川口町の小高地区や、小千谷市の十二平地区などは、もう新しく住む場所も決まった。集団移転は、もっとふえると予想されている。


 ケン だれも、いなくなっちゃうの。


 ――そうだね。住民みんなで決めたことだけど、ふるさとをはなれるわけだから、やはりさびしいと思う。でも、近所の人もいっしょにうつるわけだから、心細くはないと思うよ。

 

コイの競り復活、コメも収穫
千人の子ら今も心の手当て

 

 

きょうのポイント
 ▽新潟県中越地震の発生から、10月23日でちょうど1年。
 ▽地震で「全壊」または「半壊」した建物は1万7000。いまも9000人以上が仮設住宅でくらしている。
 ▽被害が大きかった川口町や小千谷市の一部の地域は、建てなおしをあきらめ、集落ごとうつる「集団移転」を決めた。
 ▽子どもたちの心の負担をへらすために、先生をふやしたり専門の先生をおいたりしている。約1000人がいまもカウンセリングを受けている。

ジャン 地震が起きたところは、おいしいコメや、美しいニシキゴイの産地だったよね。どうなっているの?


 ――結論からいうと、みんなの努力もあって、かなりのレベルまでもどっている。地震でくずれたコイの養殖池や、水田を力を合わせてなおした。ニシキゴイを販売する「競り」も被災地で開かれるようになったし、コメも、田植えが一か月ほどおくれて、その分、稲刈りもずれこんだけど収穫できている。農家の人もよろこんでいる。


 ジャン 道路も地面がわれたり、くずれたりしていたけど。


 ――通行止めになっていた二百二十四か所のうち、百七十七か所は通れるようになった。ガスは一〇〇パーセント復旧したし、電気や水道もほぼ一〇〇パーセントが元通りになっている。


 ケン ずいぶん元通りになったんだね。


 ――地震前と同じ、とはいかないけど、被災地の人たちが「ふるさとを復興させよう」というがんばる気持ちが、そうさせたんだと思うよ。


 ジャン 小学生の友だちは、どうしているんだろう?


 ――みんなこわかったと思う。学校はもちろんだけど、県や、地震で被害が出た市町村の教育委員会が、地震で傷ついた子どもたちの心の負担を軽くしようと、先生の数をふやしたり、専門の先生をおいたりしている。


 ポン 元気になったのかなあ。


 ――地震直後は、暗い場所をこわがったり、とつぜん泣き出したりする子どもたちがいて、とても心配されたんだ。でも、先生やまわりの人があたたかくせっしたり、専門家が話をきいてあげるカウンセリングをつづけたりして、一年たって、そうしたことはへっている。


 ケン みんなでささえ合っているんだ。


 ――でも、いまも約千人の子どもたちがカウンセリングを受けている。いつもは普通に生活しているのに、ほかの場所で大きな地震が起きると、当時のことを思い出してしまう。仮設住宅での生活が長引くと、ストレスがたまる心配もあるし、これからも、注意深く、ようすを見守っていくことになっているんだ。


(2005年10月23日)

 


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