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アメリカ産牛肉どうなるの?

本多 昭彦記者(朝日新聞生活部)
ポン

 「牛丼がまた食べられるようになりそうだ」って、お父さんがよろこんでいたけれど、何があったの。

本多 記者

 牛丼屋さんが使うアメリカ産の牛肉が、また輸入できることになりそうだからだね。

ケン
  何で輸入できなくなっていたんだっけ?

 

12月にも輸入再開の見込み、まだ心配の声も

アメリカでBSEにかかったうたがいのある牛が見つかり、売り場からとりのぞかれるアメリカ産の牛肉=2003年12月24日、福岡市で

牛の病気で2年間ストップ
両方の国で約束ごと決める

 


 ――牛海綿状脳症(BSE)という病気の牛が二〇〇三年十二月にアメリカで見つかったのをおぼえてる? 牛の脳がスカスカになって死んでしまう病気なんだ。病気の牛の肉を食べると人にうつるかもしれないので、アメリカからの牛肉の輸入を日本の政府はそれ以来やめている。
 牛丼チェーン店の牛肉はアメリカ産だったので、去年二月から一部で牛丼が販売できなくなっていたんだ。それが、早ければことし十二月にも輸入を再開できる見通しが出てきたので、牛丼も復活しそうなんだ。

 ジャン どうしてそうなってきたの??

 ――食べ物が人の健康にどんな影響をあたえるのかを調べる政府の機関に食品安全委員会というのがあるんだ。この中で、BSEのことを調べている専門家たちが、日本と決めた約束ごとを守った牛肉ならば、「BSEを起こす病原体がまぎれこむ可能性はすごく少ない」という見方を今月四日に出した。それで政府は年内にも輸入再開を決める、と思われているんだ。

 ケン でもBSEの牛って日本でも見つかっているよね。日本の牛肉は売られているのに、なぜアメリカからの輸入は止められているの?

 ――日本では〇一年九月に初めてBSEの牛が見つかった。政府は翌月から、食肉にする牛すべてに対してBSEの病原体を持っているかどうかを調べる「全頭検査」を始めた。同時にBSEの病原体がたまりやすい脳や脊髄といった危険な部分も、すべての牛でとりのぞくことにしたんだ。

 ポン ふーん。

 ――アメリカは、牛肉を重要な輸出品としている。BSEが見つかってからもすぐに日本に輸入再開をもとめてきたが、日本は「全頭検査」など日本と同じかそれ以上の安全対策をもとめた。でもアメリカは「全頭検査は安全対策にならない」とこばんだ。

 ジャン それで輸入が止まってるの?

 ――そうなんだ。アメリカは、BSEの検査は病気の牛の数を推定するのが目的で、ごく一部の牛にしかやっていない。検査をしなくても「危険な部分さえとりのぞけば安全」と主張しているんだ。「検査済み」牛肉に安心感を持つ日本とは、安全対策の考え方がちがいすぎて輸入再開は難航しているんだ。

 

20か月以下の牛などに限定
再開されても牛丼には不足

 

 

きょうのポイント
 ▽BSEのため2003年12月から止められていたアメリカ産牛肉の輸入が、再開される見通しになった。
 ▽再開されれば、輸入されるのは、生後20か月以下、危険な部分をとりのぞいた牛肉。国内では引きつづき「全頭検査」を行う。
 ▽牛肉の約6割は輸入で、以前はその半分がアメリカ産だった。輸入停止は外食産業へ大きな影響をあたえた。

 ケン でも日本も対策をかえたよね?

 ――食品安全委員会も去年九月に「検査をしても、生まれてから二十か月以下の若い牛ではBSEにかかった牛は見つかりにくい」という報告書を出した。それをもとに政府は、検査の対象から二十か月以下の牛をはずす案を考え、アメリカとの間でも去年十月に二十か月以下の牛の肉なら検査なしで輸入をみとめる考えで一致した。

 ポン じゃあ、もう解決したんだ。

 ――ことし五月には日本の全頭検査見直しが決まったけれど、反対する人が多く、まだ三年間はそのままになりそうなんだ。アメリカ産牛肉の輸入は、二十か月以下の牛肉であることと、危険な部分を完全にとりのぞいている保証があればみとめる見通しになったんだけれど、「本当にこの条件が守られるの?」と心配する人も多いよ。

 ケン 今後どうなるのかな。 

 ――日本で食べられている牛肉は値段が安い外国産が約六割を占め、アメリカ産牛肉の輸入が止まる前までは、その半数がアメリカ産だったんだ。だから、安いアメリカ産の牛肉にたよっていた牛丼や焼き肉の店などは打撃を受けた。
 メニューをかえたり、オーストラリア産牛肉に切りかえたりして、何とかやりくりしてきている。アメリカ産の輸入が再開されても二十か月以下の肉だと、牛丼用のバラ肉や焼き肉用のタンは足りないらしい。アメリカの対策に消費者の不安もあり、どこまで元にもどるのかは、まだよくわからないんだ。

 


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