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6者協議で決まった大きな事って?

植村 隆記者(朝日新聞外報部)
ジャン

 「六者協議で合意」というニュースが流れたけど、何が決まったの?

ケン

 北朝鮮の核問題についての話し合いだったんだよね。

植村 記者

 九月中旬の第四回協議では、北朝鮮が核兵器やいまある核計画の放棄(手放すこと)を初めて約束したんだ。大きな進展といえるよ。

 

北朝鮮が核兵器や核計画を手放すと約束

会議を前にあく手する6か国の代表=9月13日、中国・北京で、代表撮影

アメリカを警戒しての開発
共に仲良くと思うが不信感

 


 ――過去にあまり例がない。自民党だけで過半数(半分以上)の議席をとったのは一九九〇年以来、十五年ぶりのことだ。

 ポン 核問題って何?

 ――北朝鮮は約二十年前に実験用の原子力発電所(原発)を完成させた。原発には、発電効率のいい「軽水炉」と効率の悪い「黒鉛炉」などのタイプがある。北朝鮮が開発したのは「黒鉛炉」だ。「黒鉛炉」からは発電後に、プルトニウムという物質をとり出すことができる。この物質を使うと核兵器がつくれるんだ。北朝鮮はことし二月に「核兵器をつくった」と宣言したから、まわりの国の緊張が高まった。

6者協議に参加した国

 ジャン 太平洋戦争の時、アメリカ軍が広島と長崎に核兵器の原子爆弾(原爆)を落として、たくさんの人が犠牲になったのよね。

 ――北朝鮮がつくったといっているのは、長崎に落とされた原爆と同じプルトニウムを使ったものだ。

 ケン なぜ、つくるの?

 ――アメリカとの対立が根っこにある。北朝鮮は「自分たちを守る核兵器があれば、アメリカも手出しができない」と考え、核開発をつづけてきたんだ。

 ポン 仲良くすればいいのに。

 ――北朝鮮もアメリカと国交をむすんで、仲良くしたいと思っている。しかし、アメリカも北朝鮮もおたがいに相手を信じていない。むかし戦争したことがあるからね。一九五〇年に北朝鮮が韓国を攻撃して、戦争になった(朝鮮戦争)。アメリカは韓国側について、戦争にくわわった。中国は北朝鮮を応援したんだ。

 ジャン でも、むかしの話じゃないの。

 ――五三年に「休戦協定」がむすばれた。でも、戦いを休んでいるだけで、北朝鮮と韓国の間では、いまも軍事的な対立がつづいている。アメリカ軍も韓国に駐屯(軍隊がとどまっていること)している。まだ戦争は完全に終わっていないともいえるんだ。

 ケン 今回の協議では、どんなことが決まったの?

平和解決に前進したけれど
約束実現めぐり再び対立も

 

 

きょうのポイント
▽北朝鮮の核問題について、韓国、中国、ロシア、日本、アメリカと北朝鮮が話し合う6者協議で、北朝鮮が「すべての核兵器と核計画の放棄」を初めて約束した。
▽アメリカは、北朝鮮に対し攻撃や侵略の考えはないことを確認。北朝鮮にとっても、エネルギー支援など核をすてたときの見返りがしめされたことは大きかったと考えられる。
▽核をいつ、どうやって放棄するか、具体的なことは決まっていない。11月に予定されている第5回協議で、北朝鮮とアメリカの意見がふたたび対立する可能性もある。

 ――合意の内容は六つある。おもな約束は、次のような内容だよ。

北朝鮮は核兵器だけでなく、「黒鉛炉」などいまある核計画をすべて放棄することを約束。国際的な検査を受ける。
ほかの国は適当な時期に、プルトニウムをとり出しにくい「軽水炉」を北朝鮮に提供する問題を話し合う。
アメリカは北朝鮮に対し、攻撃や侵略をする考えがないことを確認。アメリカと北朝鮮は、関係をよくするための措置をとる
 ――などだ。

 ケン うまくいったね。

 ――合意には、北朝鮮に対するエネルギー支援の考えなどもふくまれている。北朝鮮にとっては核をすてた時の見返りがしめされたことが大きかった。 アメリカもイラク戦争で苦しんでいるだけに、平和解決の道を進もうとしているようだ。この協議が進展すれば、朝鮮半島に本当の平和がおとずれると期待されているんだ。

 ポン よかった。

 ――よろこぶのは早いよ。いつ北朝鮮が核を手放すか、どうやってそれを確認するのかなど具体的なことはまったく決まっていないんだ。

 ケン これからどうなるの。

 ――北朝鮮は「軽水炉提供と核放棄は同時だ」と主張しているし、アメリカは「核放棄を先に行うべきだ」といっている。このため、十一月に予定されている第五回協議では約束を実現する方法をめぐって、ふたたび意見が対立する可能性が高い。最終的な解決まではまだ長い道のりになりそうだ。

 

(2005年10月02日)

 


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