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地球に似ている?土星の衛星タイタン

佐藤 久恵記者(朝日新聞科学医療部
ジャン

 土星の「タイタン」っていう衛星に探査機が着陸して、写真をいっぱいとったんだって。どんなところなんだろう?

ケン

 見た見た。人も動物もいないし草木もなさそうで、岩みたいなのがころがってたよ。

佐藤 記者

 アメリカとヨーロッパが協力して探査機をとばして、土星やその周りのようすを調べているの。探査機から地球に送られてくるデータを調べると、いろんなことが分かってきたよ。

ポン

 タイタンは地球に似ているって聞いたけど本当なのかなあ。

 生命誕生のなぞに迫るかぎになるかも

7年飛んで探査機が着陸
そこは35億年前の地球?

  ――今月14日にタイタンに着陸した小型探査機ホイヘンスはヨーロッパ宇宙機関(ESA)が開発したもの。土星まではアメリカ航空宇宙局(NASA)のカッシーニという探査機にのせてもらって、上空で切りはなされた。ホイヘンスは、これまででもっとも遠い天体におり立ったことになるよ。
衛星タイタンの川や尾根のような地形=ESA提供
タイタンに着陸する小型探査機ホイヘンスのイメージ図=ESAなど提供

 ケン どのくらい遠いのかな。

 ――地球からおよそ12億キロ。カッシーニは1997年10月に打ち上げられて、去年7月に土星をまわる軌道にたどりついた。その間、地球や金星、木星の重力を利用して進路変更をくり返しながら、約35億キロを七年近くかけて飛行したのよ。

 ポン なぜタイタンを調べるの?

 ――土星最大の衛星で、大きさは月の直径の1.5倍。あつい大気におおわれていて、35億〜38億年前に生命が誕生する前の地球に似ているといわれる。タイタンを調べることで、生命誕生のなぞにせまる手がかりがつかめるかもしれない。探査機にはカメラのほかに、大気や地表の成分などを調べる装置をつんでいるよ。

 ジャン タイタンにはメタンが多いって、お父さんがいってた。くさいのかな?

 ――タイタンの大気にはメタンが1〜6パーセントふくまれていて、地表にはメタンの海があるかもしれないといわれている。地球上ではメタンはガスだけど、タイタンの表面は零下179度の低温なので液体になってしまう。でも、メタン自体はにおいがないから、大気がくさいかどうかはわからないの。

液状メタンが流れた跡?
川や海岸線のような地形

 ケン 着陸して何がわかったの?

 ――タイタンにおりていく途中の映像には、山の間を川が流れたような跡や海岸線のような地形もあった。科学者たちは「山にふった雨が谷をつたって流れ、岩石がけずられて地形ができるようすは地球と同じ。地球ではそこに水が流れているが、タイタンでは液状のメタンが水の役割をはたしているのかもしれない」とおどろいているよ。

太陽系の九つの惑星(ならび順をしめしたもので、惑星間の距離は正確ではありません)=宇宙航空研究開発機構(JAXA)提供

 ポン メタンの海は本当にあったの?
 ――探査機が着陸した地点は、メタンの雨でしめったところといわれる。短い時間の調査で、液体そのものは見つからなかったけど、流れた跡などから海はあったと考えられている。海があれば、そこにとけこんだ生命のもとになる材料(有機物)が複雑な化学反応をへて、生命にまで進化する可能性はあるといえるの。

 タイタン 1655年、オランダの物理・天文学者ホイヘンスが手製の望遠鏡で発見しました。直径5150キロ。大気の成分は窒素が中心で、メタンが1〜6パーセントほどふくまれます。太陽から15億キロもはなれているため、地表近くの温度は零下179度しかありません。

 ジャン 海といえば、火星にもあったと聞いたことがある。

 ――よく知ってるね。いまNASAの2台の火星探査車が、海があった証拠や生命の跡をさがしている。わたしたち人類は長く地球の外の生命をさがしもとめてきた。土星や火星を調べに行くのも、生命が生まれる条件はなんなのか、どうして宇宙が誕生したのかを知りたいからなの。

 ケン すごいね。なぜぼくたちが生まれたのかって、わかってなかったんだ。

 ――そう。世の中にはまだまだわかってないことの方が多い。それをとき明かす力をもっているのは君たち。期待しているよ。

(2005年1月29日)


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