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スマトラ沖大地震と津波のこわさ

冨岡 史穂 記者(朝日新聞科学医療部
ケン

 インドネシアの方で起きたすごい津波の被害で、国連は、犠牲者の半数が子どもとの推定を出したよ。

ジャン

 これまでに死者と行方不明者が18万人をこえたって。

冨岡 記者

 インドネシア、タイ、スリランカ、インドなど被害国は10か国以上。本当に大きな津波だったね。インドネシアから遠くはなれた東アフリカでも130人以上が亡くなったというよ。

ケン

 津波がこんなにこわいなんて思ってなかったな。

 ジェット機なみの速さに10メートルこえる大波

陸でも全速力の人と同じ
地震の規模は100年に1回

 ジャン 津波が起きる仕組みは?

 ――日本時間の12月26日午前10時ごろ、インドネシア・スマトラ島の北のはし、西側の海で地震があった。海で地震が起きると、海底がもり上がったり、しずんだりすることがあり、大量の海水が動いて波が生まれる。それが陸に向かって押しよせる津波になる。海が深いほど押しよせる速度は速くて、水深約4000メートルのところでは時速約720キロというジェット機なみのスピードになる。

 ポン そんなに速いの!

津波におそわれたタイ南部の村

 ――あさいところまでくるとおそくなるかわりに、波は高くなる。湾や入り江などせまくなったところでは、さらに高くなりやすい。おそくなるといっても、陸にたっした時点で全速力で走る人間と同じくらい。だから助かるには、津波の発生に早く気づいて、高いところへにげることが大切。何時間も後でつぎの波がくることもある。

 ケン 今回はどうして、あんな大きな被害になったの?

津波の被害にあった国々

 ――地震の規模がマグニチュード(M)9・0と、ものすごく大きかったことが原因のひとつ。1900年以降、世界で起こったM9・0以上の地震は、今回もふくめて5回だけ。去年10月23日の新潟県中越地震はM6・8、95年1月17日に起きた阪神大震災はM7・3だった。
 被災地を調べた日本の調査団によると、タイのカオラックでは最大で高さ11メートルの津波が押しよせたらしい。

 ポン 日本で地震が起きると、お母さんはいつも「津波は大丈夫?」ってニュースを見るよ。

発生を予測し危険伝える
システムがなく大被害に

 ――今回被害にあったインド洋沿岸の国々には、日本のように地震から津波の発生を予測できるシステムを持っていなかった。津波の危険がわかるだけではなく、その情報を多くの人につたえる方法がなければ、にげられない。
 震源から遠いインドやスリランカではほとんどゆれを感じなかった。津波が到達したのは、地震から2〜3時間も後だったんだ。

 ケン ぼくだってもうだいじょうぶと思っちゃうかも。

イラスト・きくち ろう

 ――それに多くの人たちは、津波がどんなものかさえ知らなかった。津波は英語でもフランス語でも「TSUNAMI」として日本語がそのまま使われている。日本以外の国では、それほどなじみのないことばだし、警戒心もうすかった。

 ジャン それにしても、インドネシアで起きた津波がアフリカまでたっするなんて。

 ――メキシコや南極にも行っていたんだよ。六〇年に起きたチリ地震では、約1日かけて、地球の反対側にある日本まで津波がたっし、三陸(東北地方の沿岸)や志摩半島(三重県東部)で142人が亡くなった。その後、日本をふくむ太平洋地域は津波情報を国際的につたえるシステムをつくったんだよ。

 ケン インド洋でもできるといいのに。

 ――六日に開かれた国際会議で、国連を中心に日本もくわわって準備を進めることが決まったよ。被害にあった人たちの生活を立て直す支援と合わせて、予報システムづくりと、それを効率よくつたえる方法も考えていくことが重要だね。

(2005年1月15日)


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