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大矢 雅弘記者(朝日新聞編集委員)
沖縄でアメリカ軍(米軍)のヘリコプターが墜落する事故があったって聞いたけど。
えっ、アメリカからとんできたの?
ちがうわよ。沖縄にある米軍基地のヘリコプターよね。
そう。沖縄県宜野湾市にある普天間飛行場のヘリコプターが、すぐとなりの沖縄国際大学の敷地に墜落してもえ上がったんだ。
こわいな。
普天間飛行場のフェンスぞいには、保育所や小・中・高校、住宅、商店なども立ちならんでいて、「万が一、街の中に落ちたらどうするんだ」と心配する声が、ずっと前からあったんだ。
「街に落ちたら・・・」住民の心配が現実に
普天間飛行場の離陸回数
一か月間で2500回にも
ポン 普天間飛行場って、どんな基地なの?
――広さは481ヘクタール。東京ドーム100個分の広さで、宜野湾市の面積の四分の一をしめているんだよ。戦争が起こった時、真っ先に戦地に乗りこんでいく海兵隊の飛行機が約70機あって、毎日、訓練をくり返しているんだ。
ケン どれくらいとんでいるの?
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| 沖縄国際大学の構内に墜落したヘリの機体を回収する米兵や関係者=16日、沖縄県宜野湾市で |
――離陸したり、着陸したりする回数は1か月間(午前7時〜午後7時)で2500回にもなるというから、すごい回数だよ。
ジャン 米軍の飛行機が落ちる事故はこれまでも起きているの?
――1959年に沖縄県石川市の小学校に戦闘機が墜落して、小学生をふくむ17人が亡くなった。第2次世界大戦後、米軍による占領がつづいた沖縄が72年に日本に復帰してからも、去年末までに、ヘリコプターの事故は15件、飛行機が25件もあるんだ。
日本の国土の0.6パーセントの中に
米軍基地の4分の3が集中
ポン どうして日本に米軍の基地があるの?
――「日米安全保障条約」があるからなんだよ。この条約は「もし日本がどこかの国から攻撃されたら、アメリカが助けてあげる。その代わり、米軍の基地をおかせてもらう」という、日本とアメリカの約束なんだ。
ケン 事故の後、沖縄の警察官が事故の原因を調べようとしたのに、調べられなかったと聞いたけど、どうして?
――「日米地位協定」のためなんだ。米軍は日本のために日本にいるので、いろいろと活動しやすいように、その地位を守るという約束だ。アメリカにとって都合がよく、便利な法律になっている。日本で起きた事故なのに、警察官が事故があったヘリコプターにふれることもできなかったのは、この約束が障害になったからなんだ。
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| 普天間飛行場と米軍ヘリが墜落した沖縄国際大学(右下)=1998年3月、朝日新聞社のヘリから |
ジャン 沖縄って、すごく広い土地が基地になっているのよね。
――日本の国土全体に占める沖縄の面積は0.6パーセントしかない。その小さな沖縄県に、日本にある米軍基地の4分の3が集中しているんだよ。日本に住んでいるアメリカ兵は約4万人で、うち65パーセントにあたる約2万6千人が沖縄にいるんだ。だから、沖縄では、「基地の中に沖縄がある」といういい方さえあるんだよ。
ポン 基地があることで沖縄の人たちはいろいろ苦労してるってこと?
――沖縄の人たちは日ごろから、基地の騒音などになやまされているんだ。でも、アメリカは「アジア地域ではいまも、さまざまな紛争が起きる可能性がある。沖縄にある基地は重要だ」という立場で、なかなか沖縄の基地を小さくしようとはしないんだ。
ジャン 今回みたいな事故が起きないように、なんとかできないの?
――二度とこういう事故がくり返されないよう、基地をなくしていく道すじを日本とアメリカの政府に真剣に考えてもらいたいね。
【沖縄とアメリカ軍】
第2次世界大戦中の1945年4月、アメリカ軍が沖縄本島に上陸し、住民をまきこんで3か月におよぶ地上戦(沖縄戦)となりました。この戦闘で20万人以上が亡くなりました。戦争に負けた日本はアメリカ軍に占領されましたが、52年のサンフランシスコ講和条約により、沖縄を切りはなして独立を取りもどしました。この時あわせて、日米安全保障条約がむすばれました。沖縄は1972年の復帰まで27年間、アメリカ軍による占領がつづき、いまも日本にあるアメリカ軍の施設の75パーセントが集中しています。 |
(2004年8月27日)
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