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蛭牟田 繁記者(朝日新聞 社会部)
新潟県と福井県の集中豪雨、たいへんだったみたいね。新聞の写真を見たら、道が川みたいになっていて、こわくなっちゃったわ。
雨もすごかったけど、東京は20日に最高気温が39.5度。21日は山梨県の甲府で40.4度を記録したでしょう? 何でこんなに暑くなったのかな。
猛暑とか集中豪雨とか、この夏の天気は、びっくりすることが多いね。でも、暑さも大雨も同じ風が関係したといったら、もっとおどろくかな?
湿った風、大雨ふらせ山こえ熱風に
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| 大雨で水につかった福井市内 =18日、福井市内で |
関東周辺は20、21日と記録的な猛暑に見まわれました
=20日、山梨県甲府市で |
山で冷え水分が雲や雨に
下りは乾いて温度が上昇
ポン 同じ風が関係したって、どういうこと?
――東京などで気温が40度前後まで上がったのは「フェーン現象」が起きたことが一番の理由なんだ。フェーン現象って聞いたことあるかな?
ケン テレビでいってたけど、よくわからない。
――「乾燥した熱風」とでもいうかな。20日は新潟県など日本海側から関東周辺に向かって風がふきつけていた。この風はあたたかくてしめっているんだけど、風が東京にたどり着くには本州の真ん中にある山脈をこえなくてはならない。山脈をのぼるとき、風のしめり気は雲になったり雨になったりしてなくなり、山をこえて下るときにはかわいた熱い風にかわるんだ。この熱風が東京にふきこんで気温が上がった。これをフェーン現象っていうんだよ。
ケン ふーん。でも、なぜ風は山をこえるとしめり気がなくなっちゃうの?
――山の上は夏でもすずしいよね。高いところほど気温が低いからなんだ。だから、風にふくまれるしめり気も山をこえるときに冷えて雲や雨になる。それに風は、山を下るときには温度が上がる性質もあるんだ。
ジャン 山をこえると変身するのね。なんだか不思議。
――そうだね。日本で一番暑かった記録は1933年の山形市の40.8度だけど、このときもフェーン現象が起きたんだ。
集中豪雨とフェーン現象
日本海側からの風が原因
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| しめった空気が山をこえてふきおりるとき、風下側で気温が上がって乾燥する現象。しめった空気が山脈をのぼり雨をふらせるときは、気温は100メートルにつき約0.5度下がり、水分をうしなった空気が山をおりるときは100メートルにつき約1度の割合で上がる。このため、風下側は風上側にくらべて高温となり乾燥する。 |
ケン 大雨にもこの風が関係しているの?
――大雨には熱風に変身する前の風が関係している。
ジャン まだ、あたたかくしめっていたときの風のことかしら。
――そう。さっき、あたたかくてしめった風が新潟県などから関東に向かってふきつづけていたといったでしょう。ことしはこの風がふくことが多く、新潟県などが集中豪雨に見まわれた日も、新潟県近くでどんどんふいていた。そしてちょうどそのころ、新潟県あたりには梅雨前線があったんだ。
ケン 梅雨前線?
――かんたんにいうと、雨雲のできやすい場所、雨がふりやすい場所といってもいいかな。しめった風は水分をふくんでいて、雨の「もと」になる。雨雲のできやすい場所に、雨のもとがどんどん入ってきたらどうなると思う?
ポン いっぱい雨がふる!
――そう。もともと雨がふりやすくなっていたところに、水分をふくんだ風がふきこんだ。さらに、梅雨前線がいすわったから、新潟県などに集中して雨がふったんだ。
ジャン 17日夜から18日にかけては福井県が集中豪雨に見まわれたけれど、それはどうなのかしら。
――そのときは、梅雨前線が福井県近くをゆっくり南下した。新潟の集中豪雨と同じ理由で起きたんだよ。
ケン しめった日本海側からの風が、フェーン現象と集中豪雨の両方の原因になったんだね。
――気象庁はこの夏は「夏らしい夏」になるといっていたけど、その通りだね。9月の気温も高めで残暑もきびしくなりそうだよ。
(04年7月31日)
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